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第28話 高瀬川の約束

○ 高瀬川に架かる小橋の上 六角付近 (昭和26年 春 昼)

  満開の桜並木

  桜の花びらが舞っている

  マシュー 田中(共にスーツ) 立っている

  田中 腕時計を見て辺りを見渡す

  小鶴 駆けて来る


  小鶴   「すんまへーん!」

   小鶴 マシュー 田中の前で息を切らせて

  小鶴   「す すんまへん・・・ 急に お客さん 来はって・・・」

  田中   「そ そうでしたか・・・」

   小鶴 息を切らせて

  小鶴   「ほんまに すんまへん!」

   小鶴 頭を下げる

  田中   「それはそうと 総理の秘書官から 直接 連絡があって びっくりしましたよ」

  小鶴   「あーあ しーさん うちとこのお客さんどすねん」

  田中   「しーさん?」

  小鶴   「へー ヨシダの しーさん」

   田中 驚いて

  田中   「そ そう・・・ でも 大尉を呼び出すとは・・・」

   小鶴 恥ずかしそうにマシューを見る

  小鶴   「そやかて うち お母さんのお許しが無いと 国境 超えられんへんのんどすも

        ん」

  田中   「国境?」

  小鶴   「へー 先斗町の国境」

  田中   「先斗町の国境?」

  小鶴   「へー 先斗町の国境は 東は鴨川 西は河原町 北は三条 南は四条なんどす」

  田中   「・・・」

  小鶴   「そやし 烏丸は うちにとっては外国どすにゃ」

  田中   「そう・・・」

   田中 マシューに事情を話す(英語)

   マシュー 不思議そうな顔で うなずく

  田中   「でも もしも 許可無く それを越えてしまったら どうなるんです?」

  小鶴   「釜茹でに されて 生首 三条河原に さらされるんどす」

   田中 唾を飲み込み

  田中   「釜茹で・・・ 生首?」

  小鶴   「冗談 冗談 いやわぁー 石川五右衛門やあるまいし 本気にしはったんどす

        かぁー アホかいな」

   田中 ムッとして

  田中   「アホって・・・ 失敬な・・・ 本気に何かしてません!」

   小鶴 微笑み

  小鶴   「立ち話もなんどすし お茶でも どうどす?」

   田中 腕時計を見て

  田中   「私達 そんなにも時間がないんですが・・・」

   田中 マシューに 腕時計を見せて話す(英語)

   マシュー うなずく

  田中   「少しだけなら」

   小鶴 微笑み

  小鶴   「おおきに! そうと決まれば カモーン!」

   小鶴 速足で歩いて行く

   マシュー 田中 顔を見合わせ 駆け足で小鶴の後を追う

   3人に 桜の花びらが舞う


○ ちどり亭の看板


○ ちどり亭の店内

  小鶴 マシュー 田中 奥の席に座ってる

  窓の外 満開の桜


   マシュー 「今日は ありがとう プリンセスに また お会い出来て嬉しいです アリガト

         ウ ゴザイマス」(英語)

    マシュー 微笑んで合掌する

    小鶴 うなずく

   小鶴   「すんまへん おタバコ 吸うて よろしおすか?」

    田中 驚いて

   田中   「タバコ?」

   小鶴   「へー あきまへんか? うち お母さんから タバコ禁止されてて こんな時し

         か 吸えへんのどす」

   田中   「そう・・・」

    田中 マシューに

   田中   「彼女 タバコを吸いたいと」(英語)

    マシュー 小鶴を見て 微笑み

   マシュー 「シュアー」

    田中 小鶴に

   田中   「どうぞ」

    小鶴 マシューを見て 微笑み

   小鶴   「おおきに」

    田中 マシューに

   田中   「サンキュー」

    小鶴 着物の袖からタバコの箱とマッチ箱を取り出して タバコを1本 出して口に

       咥えて マッチを磨ろうとする

    マシュー すかさず ジッポーを出して小鶴が咥えたタバコに火を付ける

    小鶴 タバコを吸い 顔を背けて口から煙を吐き出す

    小鶴 マシューを見つめて

   小鶴   「おおきに・・・」

    稲垣平八(真由美の父親) コーヒーをテーブルに置いて

   平八   「お待たせしました」

   小鶴   「おっちゃん おおきに」

    平八 マシューを見て会釈する

   マシュー 「アリガトウゴザイマス」

    平八 小鶴に 小声で

   平八   「小鶴はん いよいよ アメリカデビューか?」

   小鶴   「アホ!」

    平八 微笑み奥へと行く

    マシュー 上着の内ポケットから封筒を取り出し中から1枚の写真を出して小鶴に見せる

    小鶴 写真を見る 

   マシュー 「リメンバー?」 


○ モノクロ写真

  軍服姿のマシューと小鶴が座敷で並んで座っている 

  2人とも無表情である


○ ちどり亭の店内

  小鶴 マシュー 田中 奥の席に座ってる

  窓の外 満開の桜   


   田中   「この写真 覚えてますか?」

    小鶴 軽く うなずく

   マシュー 「あの夜 プリンセス あなた達は 京都 いや 日本を救った あの日の事を

         私は 一生 忘れないでしょう」(英語)

     田中 小鶴に

   田中   「小鶴さん この写真の日 いったい何が あったんです?」

     小鶴 首を横に振る

     田中 マシューに

   田中   「何が あったんです?」(英語)

     マシュー 首を横に振る

   マシュー 「もし それを あなたが知ってしまったら・・・」(英語) 

   田中   「もし 知ってしまったら?」(英語)

   マシュー 「銃殺」(英語)

    田中 唾を飲んで

   田中   「銃殺・・・」(英語)


○ 高瀬川 (昼)

  水面 陽光でキラキラと光っている

  桜の花びらが落ちる     


○ ちどり亭の店内

  小鶴 マシュー 田中 奥の席に座ってる

  窓の外 満開の桜 

  田中 腕時計を見て腕時計をマシューに見せる


    マシュー 小鶴に

   マシュー 「少し時間ありますか?」(英語)

    マシュー 田中を見る

    田中 小鶴に

   田中   「今日 まだ お時間 大丈夫ですか?」

   小鶴   「時間?」

   田中   「はい」

   小鶴   「今日 お母さん お留守で お稽古 おまへんし 夕方まで なにも・・・」

    田中 マシューに うなずく

    マシュー 小鶴に

   マシュー 「私と 散歩して頂けませんか?」(英語)

    田中 驚いて マシューを見る

   田中   「大尉 お約束が・・・」(英語)

   マシュー 「タナカサン あなたが会って来て下さい」(英語)

   田中   「私が? 1人で?」(英語)

   マシュー 「はい この件は 私 抜きでも大丈夫 あなたを信用していますから」(英語)

   田中   「でも 大尉・・・」(英語)

   マシュー 「京都での休日は これが最後かもしれません お願いします 私に自由を」

        (英語)

   田中   「最後・・・ 判りました でも 大尉 通訳がいないと」(英語)

   マシュー  小鶴を見て 

  マシュー  「大丈夫 同じ人間です 心で通じ合えますよ」(英語)

   小鶴 マシューを見つめる

  田中    「そうですか・・・」(英語)

   マシュー 小鶴に

  マシュー  「私と散歩して頂きませんか?」(英語)

   マシュー 田中を見る

   田中 小鶴に

  田中    「大尉が あなたと 歩きたいと」

    小鶴 マシューを見つめ

   小鶴  「歩きたい?」

    マシュー 小鶴を見て 微笑み うなずく

  田中   「はい」

  小鶴   「歩くぐらいどしたら なんぼでも かまへんどすけど・・・」

   田中 マシューに

  田中   「オーケー」

   マシュー 小鶴を見て

  マシュー 「アリガトウゴザイマス」

  小鶴   「京都は ありがとうは おおきにって ゆーんどすえ」

   田中 マシューに

  田中   「京都の方言で ありがとうは オオキニ と」(英語)

  マシュー 「オオキニ?」

  小鶴   「そうどす うまおすやん オオキニ」

  マシュー 「コツルサン オオキニ!」

  小鶴   「いやー コツルサンやて」

   平八 数枚のレコードを持って来る   

  平八   「これ 見とくなはれ」

    平八 数枚のレコードをマシューに渡す

  平八   「これ 帰らはったアメリカの兵隊さんが置いていかはったんもんどすけど あたい

        英語は さっぱりどすにゃ もし よかったら 何かおかけしまひょか?」

    田中 マシューに

  田中   「聞きたい曲ありますか?」(英語)

    マシュー レコードを一枚一枚めくりながら   

  マシュー 「シェナンドー・・・ リリー・マルレーン・・・オクラホマ・・・ タキシード・

        ジャンクション・・・ オオ・・・ ディス サウンド ラブ イット」

    マシュー 1枚のレコードを平八に渡す

    平八 受け取って蓄音器の方えと行く  

    雑音と共に流れる 「テネシーワルツ」

  マシュー 「コツルサン? 聞いて この曲」(英語)

  小鶴   「えっ?」

   小鶴 耳を澄ませる

  マシュー 「私の故郷を歌った曲なんです」(英語)

   田中 小鶴に

  田中   「この曲 彼の故郷の歌なんです」

  小鶴   「故郷?」

  田中   「はい 彼の故郷はテネシーのナッシュビルと言う所なんです」

  小鶴   「テネシー・・・」

  田中   「アメリカの田舎町です」

   マシュー 「テネシーワルツ」を うっとりして聞いている

  田中   「彼 かれこれ 7年以上 故郷に帰ってないとか・・・」

  小鶴   「そうどすか・・・」

  田中   「父上は ヨーロッパでの戦争で戦死され 母上も 2年前に病気で亡くなられた

        そうなんです」

  小鶴   「・・・」

   マシュー 「テネシーワルツ」を うっとりして聞いている

   小鶴 マシューを見つめる 

  小鶴   「奥さんは?」

  田中   「独身ですよ」

  小鶴   「兄弟は?」

  田中   「2つ下に 弟さんが おられたようなんですが 真珠湾で戦死されました」

   マシュー 「テネシーワルツ」を うっとりして聞いている

   小鶴 マシューを見つめる

  小鶴   「そやったら・・・ 一人ぼっち・・・」

  田中   「なので 大尉 日本人には 少なからず恨みを持っておられるはずなんですが

        そんな素振りは一つもお見せになりません」

   小鶴 マシューを見つめる

   マシュー 「テネシーワルツ」を うっとりして聞いている   

  田中   「多分 仕事に没頭することで 哀しい事を忘れようとされているのでしょう」 

   小鶴 マシューを見つめる

   マシュー 「テネシーワルツ」を うっとりして聞いている 

   田中 腕時計を見て

  田中   「大尉! それでは行って参ります」(英語) 

   マシュー 我に返り

  マシュー 「そ そうですね」(英語)

  田中   「お帰りは?」(英語)

   マシュー 腕時計を見て

  マシュー 「3時に迎えに来て下さい」(英語)

  田中   「3時に 私が?」(英語)

   マシュー うなずき

  マシュー 「はい さっきの橋の上に 交渉 3時に間に会う様に終わらせて下さい」(英語)

  田中   「あっ はい・・・」(英語)

   田中 行こうとする

  マシュー 「タナカサン!」

   田中 振り向く

  マシュー 「グッラック!」


○ 鴨川の河原

  流れる 「テネシーワルツ」

  小鶴 マシュー を歩いている

  リンダ 土手に座って川に石を投げている

  小鶴 リンダを見て

  小鶴   「リンダ? リンダー!」

   小鶴 手を振り駆け寄る

   リンダ 振り返って 

  小鶴   「石投げ やったら うちも上手いで」

   小鶴 小石を拾い投げる

   マシュー やって来て

   小鶴 マシューに

  小鶴   「リンダ」

  マシュー 「リンダ?」

   リンダ 微笑み うなずく

   マシュー 小石を拾って川に投げる 小石 水面を何度もスキップして行く

  小鶴   「へー アメリカ人も するんや」

   マシュー また 小石を拾って川に投げる 小石 水面を何度もスキップして行く

  小鶴   「うまい うまい!」

   小鶴 リンダ 笑顔で拍手する

   マシュー また 小石を拾って川に投げる 小石 水面を何度もスキップして行く

   アイスクリン売り 自転車に幟を立て近づいて来る


○ 三条小橋

  満開の桜で賑わっている

  小鶴 マシュー リンダ ベンチに座っている

  小鶴 マシュー ゼスチャーで会話している

  リンダ 美味しそうにアイスクリンを食べている


○ 木屋町通り(高瀬川沿いの満開の桜並木)

  小鶴 マシュー(リンダと手を繋いでいる) 微笑み合い 桜並木の下を歩いている

  リンダ 見上げて2人の顔を見る

  行き交う人達が3人を見て妙な顔をしてすれ違って行く


  マシュー 「ダイジョウブデスカ?」

   小鶴 マシューの顔を見て

  小鶴   「ダイジョウブ? 何をどす?」

  マシュー 「ワタシト イッショ」

  小鶴   「大丈夫 大丈夫! 元々 うち ここでは変わり者どすし何にも気になりまへ

        ん!」

  マシュー 「カワリモノ?」

   小鶴 マシューの顔を見て

  小鶴   「そやけど うちら 3人で歩いてたら 何や まるで家族みたいどすな」

   マシュー 小鶴の顔見て

  マシュー 「カゾク? オオ ファミリー・・・」

   リンダ 見上げて2人の顔を見て

   3人に 無数の桜の花びらが落ちる


○ 高瀬川に架かる小橋の上 六角付近

  満開の桜並木

  桜の花びらが舞っている  

  小鶴 マシュー リンダ(マシューと手をつないでいる)立っている

  マシュー 腕時計を見る

  田中 小走りで来る


   田中 息を切らせて

  田中   「お待たせしました・・・」(英語)

  マシュー 「どうでしたか?」(英語)

   田中 息を切らせて 微笑み

  マシュー 「成功です!」(英語)

  マシュー 「アリガトウゴザイマス! これで私が居なくなっても大丈夫ですね」(英語)

   マシュー 微笑んで田中の肩を叩く

   田中 微笑み リンダを見て

  田中   「この子は?」

  小鶴   「リンダ うちの相棒どす」

  田中   「相棒?」

   田中 リンダを見る

   リンダ アメを舐めながら田中を見て微笑む

  マシュー 「タナカサン 通訳を」(英語)

   マシュー 小鶴に

  マシュー 「あー 私は 朝鮮に行きます」(英語)

  田中   「大尉・・・ そんなこと 彼女に言わなくても」(英語)

  マシュー 「いいんです! 通訳を!」(英語)  

  田中   「あ はい・・・」(英語) 

   田中 小鶴に

  田中   「あー 大尉なんですが・・・」

   小鶴 マシューを見つめる

  田中   「大尉 近く 朝鮮に 行かれるんです」

  小鶴   「朝鮮?」

   リンダ 力強く マシューの手を握る

  田中   「ええ 朝鮮戦争 知ってますよね?」

  小鶴   「朝鮮戦争・・・」 


○ 回想 とある陸軍飛行場 (昭和20年4月)


  幸夫   「勝ったアメリカはまた戦争するだろうね それが勝った者の義務と言うか宿命かも

        ね」

  鶴子   「宿命・・・」


○ 高瀬川に架かる小橋の上 六角付近

  満開の桜並木

  桜の花びらが舞っている  

  小鶴 マシュー リンダ(マシューと手をつないでいる)田中 立っている

  マシュー 上着の内ポケットから写真を出し


   マシュー 「プリーズ」

   マシュー 小鶴に写真を差し出す

   小鶴 驚いて

  小鶴    「えっ?」

   マシュー 再び 小鶴に写真を差し出し

  マシュー  「プリーズ!」

   小鶴 ゆっくりと写真を受け取る

  マシュー  「これ持っていて下さい 私が また京都に帰って来るまで 持っていて下さい」

        (英語)

  田中    「この写真 大尉が帰って来るまで 持っていて下さいと」

  小鶴    「帰ってくるまで・・・」


○ 回想 とある陸軍飛行場 (昭和20年4月)

  幸夫 胸のボタンを引きちぎる


  幸夫   「これ 持ってて」

   幸夫 ボタンを鶴子に差し出し 鶴子 受け取る

  幸夫   「もし 生きて帰って来れたら このボタン また 鶴子ちゃんに付けてもらいたい

        んだ・・・」


○ 高瀬川に架かる小橋の上 六角付近

  満開の桜並木

  桜の花びらが舞っている  

  小鶴 マシュー リンダ(マシューと手をつないでいる)田中 立っている


   マシュー微笑んで

  マシュー 「また ここで 会ってくれますか?」(英語)

   田中 呆然としている

  マシュー 「タナカサン!」

   田中 小鶴に

  田中   「大尉が あなたと また ここで会いたいと・・・」

   小鶴 マシューを見つめる

   マシュー リンダを見て

  マシュー 「リンダとも」(英語)

   リンダ 力強くマシューの手を握る


○ 回想 とある陸軍飛行場 (昭和20年4月)


  鶴子  「石田さん 絶対 死んだらあかんよ 生きて帰って来てくださいね また お裁縫

       教えて下さいね お料理も教えて下さいね 絶対ですよ!」

   幸夫 微笑み

  幸夫  「判った 約束するよ」

   鶴子 微笑む


○ 高瀬川に架かる小橋の上 六角付近

  満開の桜並木

  桜の花びらが舞っている  

  小鶴 マシュー リンダ(マシューと手をつないでいる)田中 立っている


  小鶴  「そや!」

   小鶴 お守り(小さな赤い袋)を帯がら外しマシューに差し出す

  マシュー 「私に?」(英語)

   小鶴 うなずく

   田中 マシューに

  田中  「ジャパニーズ グッラック チャーム」

  マシュー「グッラック チャーム?」

   小鶴 マシューの右手を掴んで 掌にお守りを置いて力強く握る

 小鶴  「それと・・・ やっぱり このお写真 お返しします」

   小鶴 写真をマシューに差し出す

  小鶴  「そのお守りと一緒に うちも朝鮮に連れて行っておくれやす」

   マシユー 不思議そうに田中の顔を見る

  田中  「私を朝鮮へ連れて行って・・・」(英語)

  小鶴  「このお守り うちの命を助けてくれたんです このお守りとうちが付いてたら

       百人力や!」

   田中 マシューに

  田中  「これに命を助けられた と・・・」(英語)

   マシュー 写真を受け取って お守りと一緒に上着の内ポケットに入れる

 田中   「そ そうだ!」

  田中 カバンからカメラを取り出して マシューに

 田中   「大尉 一枚 どうですか?」(英語)

 マシュー 「写真は あなたの趣味でしたね」(英語)

  田中 小鶴に

 田中   「いいですか?」

  小鶴 うなずいて ふと 川向こうを見る

  豆千代 木屋町通りを歩いている

 小鶴   「豆!」

  豆千代 驚いて小鶴を見る

  小鶴 手招きをする

 

  ×××


  田中 小鶴 リンダ 豆千代 リンダ 立っている

 小鶴  「マーさん 絶対 死んだらあかんよ! 生きて帰って来て下さいね! 約束ですよ!」

  マシュー 田中に

 マシュー「何て?」(英語)

 田中  「生きて 帰って来いと・・・」(英語)

  マシュー 小鶴を見て微笑む

  5人に 無数の桜の花びらが落ちる











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