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師匠と自分  作者: ミカンの缶詰とメンチカツ
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魔物の骨

約1年ぶりの投稿!

日が沈んで、反対側から上って来て、翌日の朝になりました。


ティノとライは朝食を食べて、酒場の裏に来ていました。

ティノは近くの石に腰を掛けています。一方のライは、



「ねぇー、ライさん。早く骨の加工しようよー。」


「あぁ、今やっていることを終えてからな。」


一体の魔物を薬草と一緒に煮込んでいました。


「昨日、魔物を一体干すと言っただろう?丸干しにもコツがあってな、薬草を塗り込んだ後に一晩干して、そのあと薬草で煮て汚れを落とすんだ。匂いが抑えられて、見た目もよくなるからそのまま売るより高く売れる。」


「…なにそれ。せこくない?金に飢えてんの?旅人やめて魔物加工で生計立てれば?」


「…ティノ、お前そんなに言う奴だったか?まぁ、いい。旅人やっている奴のほとんどは魔物の解体や加工の知識はない。だから討伐料で生計をたてている。でも解体や加工の方が儲かるから私はそれで稼ぐ。昨日、ケファロさんにも倒した魔物は好きにしていいと言われたからな。私は旅人を好きでしているから、他の事なんてあんまりやりたくないな。…さて。」


ライは持っていたお玉で煮込んでいた魔物をすくいあげると、


「よし、いい感じだ。」


あらかじめ地面に敷いていた油紙に魔物を置いて、ボロ布で水分を拭き取りました。


「よし、じゃあティノ、骨の加工を初めようか。」


「待ってました!」


「骨は滑らかで硬い。人と違って中までつまっていて石のようだ。見た目ではわからないが筋が多く入っていて彫りにくいから気を付けろ。まぁ、とりあえずやってみろ。」


「…はぁ。とりあえずやってみるよ。」


ティノは自分のナイフで渡された骨を削り始めました。

しばらく作業していると慣れてきて上手く彫れるようになってきました。所々骨の硬さが違うので力加減にをつけます。

ティノは骨の筋にあわせて表面に曲線を彫っていきます。


ちらりとライを見てみると、無言でティノの作業を見ています。

少しくらいなんか言ってくれてもいいのに、と思いましたが、口には出しませんでした。


しばらくすると、骨の表面を彫り終わりました。


「ライさん、できたよ。」


「ほぅ、見せてごらん。…ほぅほぅ、良くできているではないか。」


「本当!!」


「やっぱ才能あるぞお前。骨は筋が多いから加工嫌がる奴が多いんだよ。」


「やったね!今は表面だけだけど、今度は形も整えてみようかなー。」


「よいな!やってみろ。ほれ、次の骨だ。」


投げられた骨をティノはキャッチします。


「ありがとっ。あれ?ライさんはやらないの?」


「ん?あぁ、骨の加工は私の中の得意分野じゃないからな。」


「えっ。なにそれ。聞いてない。」


「そうか?とりあえず自己流で頑張ってみろ、その方が上手くなれるかも知れないぞ。」


「はぁ。じゃあ、ライさんの彫刻刀貸してね?」


「いいぞ。ほれ。」


ティノは今度は彫刻刀で彫り始めます。ライはさっき煮詰めた魔物を片付けているようです。


日が傾いて空が赤くなる頃、ティノの足元には骨が17個転がっていました。


「結構出来たな。」


「これ、どうする?」


「売るか。」


「売るの?」


「あぁ、高く売れるぞ。」


「どこで売るの?」


「…まずこの村では売れないな。すると、行商人になるか?この村に行商人は来るのか?」


「一応、来るよ。ダースさんていう一家が毎月来てくれるんだ。他の人も気まぐれで来てくれることもあるけどそんなにこない。」


「ふーん。そのダースさんはいつくるんだ?」


「確か…。明後日!!」


「意外と近い!よし!明後日売ろう!」


「じゃあ、ガンガン作って売り飛ばそう!」


「あ、それはやめておけ。」


「へ?ダメなの?」


ティノはしょんぼりした。


「ダメだ。お前が作ったってことも言わない方がいい。」


「なんで?」


「そのうちわかる。」


「ふーん。じゃあ、明日は何するの?暇になっちゃったよ?」


「じゃあ、また村の案内をしてくれ。あの大きな建物をもう一度見たい。」


「わかった。」


二人はいそいそと片付けを始めました。そして、夕食を食べると、明日に備えて寝るのでした。

のんびり更新します

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