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師匠と自分  作者: ミカンの缶詰とメンチカツ
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出会い

初めて書くので拙いところは多々あると思います。キーワードの要素がないように思えることもあるかと思いますが、そのうちでてくると思います。

読んでくださると嬉しいです。


一人の人間が歩いていました。

その上半身を包むゆったりした上着で体つきはわからず、男の人か女の人か判断できません。

その人間は上着のフードを深く被っていて顔が見えません。

ただ、ひたすら。


歩く。


歩く。


歩く。


ゆっくりと、しかし一歩一歩確実に歩んでいました。



※ ※ ※



それは、ティノが三つ目のとちの実を見つけた時でした。

自分の住むフィマリ村は岩がゴロゴロした切り立った崖や深い峡谷に囲まれていて、木が植えられる場所が限られるのはよくわかっていて、だからとちの木が村の端にしかないことをよく知っていました。


そんな田舎の村に外から人が来るのは行商人や役人ぐらいで、それらの人もたまにしか来ないのでした。


だからティノは驚きました。

村の東から伸びる細い道をそれらのどれにも属さない人が来たのです。


その人は、行商人の背負子や荷馬車を伴っていませんでしたし、役人の特徴であり誇りである制服も着ていませんでした。


その人はティノにとって初めての「旅人」だったのです。


やがて村の入り口にやって来たのでティノはついじっと見てしまいました。

すると旅人がそれに気付き、くるっと顔をティノに向けました。


「ひいっ。」


ティノは思わず叫んでしまいました。

旅人はゆっくりと口を開き、


「そんなに旅人が珍しいか?」


コクコクと必死にティノが首肯すると、


「まぁこれだけ田舎だと来る人も限られるからな。」


「そんな田舎の村に何しに来たんだよ!」


田舎と言われたのが気にいらず、むすっとして言うと、


「旅人だからな、どこに行くのも自由だか、自分が人の少ないところに行きたかったからかな。」


なんだかバカにされた気分になってティノが膨れっ面をしていると、旅人がティノに聞きました。


「ところで少年、この村に泊まれる所はあるのか?別になければないで野宿するが。」


「少年じゃない!僕はティノだ!」


ティノは言い返しました。


「泊まるところはあるぞ!父ちゃんが酒場をやっていて、二階にお客さんを止めることもしているんだ!飯もメチャメチャうまいんだぞ!」


「それはいいな、是非泊まりたい。ちゃんと金もあるからな、自分の名誉にかけて逃げはせんよ。」


せっかくの資金源を追い返すわけにもいかず、ティノは旅人を連れて歩きだしました。

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