侵食する不安
私は、ふと問いかけた。
『ねぇ、この世界は何色かな?』
『…そうだなぁ、僕にはこの世界は涙色に溢れていると思うよ。』
君は何処か遠くを見つめ、そう呟いた。
何かに焦点を合わせるわけでもなく、ただ見つめていた。
そんな君が遠く儚く見えて、私は思わず君の手を握っていたんだ。
『どうしたの?』
『…なんでもない。気にしないで。』
『…教えてよ。』
『……。…私ね、実は、ずっと思ってることがあるの。……君のことが、好き。』
そう呟くと、彼は驚いたように目を開いていたけど、次には目を細めて笑ってくれた。
『…僕も、君のことが、』
目を開けると、そこはよく見た風景だった。
いつも通りの朝、いつも通りの風景。変わらない日々に、私はどこか安心していた。
「懐かしいな、2年前だもんね。」
今日は彼と付き合うきっかけの夢を見ていたみたいだった。
もう付き合って2年。毎日の様に連絡を取って、たまに会って甘えたり遊んだり、友達だった頃より少し近付けてたつもり。
そろそろ彼からのメールが来る時間…のはずだけど。
その日は、彼からのメールは来なかった。
一日中待った。何か連絡できない理由でもあるのかと思って、次の日も待った。三日目、四日目…ついに一週間たったけど、彼から連絡が来ることはなかった。
こんなに連絡が来ない日はなかったから何かあったのかと とても心配になり、彼の住んでいるマンションに行くことにした。




