Ⅶ 歓迎会
湯浅先生がこんな酒乱だったなんて思わなかった。
というか、ここまで酔っぱらうと思わなかった。
「そろそろ、お開きにしますか。」
秋川先生はいつもより陽気な顔で言った。
ほどよくお酒がまわってるようだ。
「おひらきにしますか。」という言葉を聞いていたのは、俺と秋川先生だけだった。
湯浅先生も有川先生も松木先生も、佐織先生も地べたで爆睡している。
「あの、先生方、かえりますよー。」
俺と、秋川先生が声をかける。だけど、みんな起きねえ。
「しょーがないですね、ご家庭に連絡しますか。」
秋川先生は、自分の携帯を取り出した。
「しってるんですか?。」
おれは、半信半疑で聞いた。
「いつも、みんなこうなんで、あらかじめ聞いておいてるんですよ。」
と言いながら、
「もしもし、秋川ですけど…。」
としゃべり始めた。
しばらくすると、松木先生の息子さんと有川先生の奥さんがやってきた。
「俺も、帰るんで湯浅先生のごしゅじんには引き渡しておいてくださいね。」
秋川先生は、バックを持って、お会計を済ませ、店を出た。
湯浅先生と佐織先生を置いたまま。
佐織先生の家って確か、秋川先生、電話してなかったな。
どうすんだ?。
「あのー、湯浅なんですけど…。」
と俺が身長178センチメートルだから・・・、188センチメートルくらいかな、でかい男が店に入ってきた。
「湯浅さんの旦那様ですか?。」
おれは、恐る恐る聞いた。
「そうですけど?。」
「私、湯浅先生とお仕事をさせていただいてます、権田原直人ともうしま・・・。」
俺が言いきらないうちに、
「としちゃーん!!。」
さっきまで寝ていた、湯浅先生が湯浅先生のしゅじんに 抱きついた。