Ⅵ 歓迎会
「いいですよ♪。今、権田原先生は酒に弱いって話をしてたんですよ。」
湯浅先生は、「生もう一本」とおっさんみたいなこと言いながら、権田原佐織に言った。
「私、お酒強いですよ?。」
権田原佐織先生が言った。
「あ、そっか。権田原先生は二人いるんだった。佐織先生って呼びますね。」
湯浅先生は、いたずらっこのような笑顔で言った。
「はい、ぜひ。」
佐織先生は、びーるを飲みながら答えた。
「ところで、直人先生は、ビール飲めないんですか?」
な、直人先生?。おれは、赤面した。
家族以外に下の名前で呼ばれた。
「え、いや、あの、はい。」
あやしすぎるだろ、俺。
自分でそう思ってると、
「そうなんですか。」
と、いうのが恥ずかしいが、なんというか、かわいらしく微笑まれた。
どきどきと、胸が高鳴った。中学校の時、好きだった、あの女子に微笑まれた時のように。
あの時の俺は、あの子の消しゴムを取り上げて、ごみ箱に投げたりしてしまった。
なんで、あんなことしてしちまったんだろう。
「直人先生?。」
湯浅先生に声を掛けられ、ハッとする。
「え?あ、はい?。」
佐織先生の顔がすぐ隣にある。近い、近い。
「ぼーっとしてましたけど?。」
佐織先生、近いんだよ。
主人公の言葉遣いが悪いのは、役柄です。
すみません!!。
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