お前と出会った日<後編>
「権田原先生は、二年一組を受け持っていただきます。」
ぼんやりしていた俺は、急に言われたのでビックリした。
去年受け持っていた生徒たちとまた過ごせるのは、正直うれしい。恥ずかしくて、そんなこと言えませんけどね。
机の場所を移動する。
俺は、荷物はほとんどアジト(場所は秘密だ。)においてあるからよー、運ぶのは楽なんだ。
女の先生なんか、大量に荷物があって、大変そうだ。
「えーっと、では、自己紹介から始めますね。」
今年から、学年主任になった秋川タカアキ(たぶん55才。)が仕切り始めた。
「私は、秋川タカアキです。専門教科はー、英語です。じゃ、一組の先生から、よろしくお願いします。」
秋川先生は、良く語尾を伸ばす人だ。
自己紹介かあ、どうせ、俺はひかれるだけだからあんまりしたくないんだけどよ。
「えー、二年一組を受け持ちます、権田原直人です。技術を担当します、よろしく!!。」
軽くお辞儀をして、言う。
「二年二組を担当します、湯浅優亜です。えー、数学を担当しています。よろしくお願いします。」
湯浅先生は、本当に俺のしわしわで何言ってるか分からない声と正反対。透き通る白い声の持ち主だ。
言い忘れていたが、結構若い。
「二年三組を担任する、まっきーこと、松木涼香です。体育担当します。」
松木先生は、少々伯母さんだが、俺とは、結構長く働いてる。松木先生のテンションには、いまだについていけない。
「二年四組を担任します、有川昌人です。社会を担当します。」
有川?。そんな人いたか?。
異動してきたばかりの先生だろうな。少し焼けた健康的な肌に元気な笑顔。ふっ、青春だな。
「副担任をします、権田原佐織です。担当は、理科です。よろしくお願いいたします。」
清楚系な女の先生だった。黒く長い髪は無造作に垂らし少しやせ形だが、にこりと笑う姿は、かわいらしい。
これが、俺たちの出会いだったんだよな。