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Ⅱ お前と出会った日。(前編)
四月一日。
俺は、いつものジャケットを着て車に乗った。
助手席を人に乗られたことはなく、きれいだ。
さっそく、車を発進させいつもの通勤路を走る。
俺が、学校につくと自主連をしていた野球部にあった。
「オッス。」
野球部の小僧は、帽子をとって俺に軽く礼をした。
「おはよう。」
俺は、小僧の前をすたすたと通り過ぎた。
今日は、俺にとっての新学期。
異動してきた先生は、どんな人がいるだろうか。俺は、どの学年を受け持つのだろうか。
ちょっと、楽しみな気分で、職員室に向かった。
昨年度座っていた席に座る。
「おはようございます。」
去年一年三組を受け持っていた、湯浅亜優先生が、声をかけてきた。
「今年も同じ学年もてるといいですね。」
湯浅先生は、若い。最近の若い者は何を考えてるか分からないが、この先生は、考え方が古いので俺は結構好きだ。ただ、よく、さけられるがな。
「新しく来られた先生を紹介します。」
校長が言った。
そうすると、異動してきた先生は、挨拶を始めた。
俺の目を引くような先生はいなかった。
基本的に人といっしょにいるのがいやだがな。