月の本よりかぐや姫
掲載日:2026/05/07
つい借りちゃうよね。
『GWは月面旅行で決まり!』
というシャトル内の吊り広告を見ながら、私はお経のようにボソボソと唱える。
「月の本は3冊だけ、月の本は3冊だけ。たくさんは借りない、少しだけ」
真っ暗な宇宙を見つつ、唱える。
「また会ったね!」
と、笑顔で第一声、かぐや姫様。
月にある唯一の図書館の館長をしているけど、この星の姫様でもある。
平安貴族のように、長い黒髪。少女で、可愛く、背は小さい。
「何か月ぶりかな。おぬしと会うの」
「前は春休みでしたからね、1ヶ月くらいかな」
「今日はGWじゃろう!」
「はい、GW」
私はうなずく。
姫様なのに庶民の私ともフレンドリー。
ただの少女と思いそうになる。
「GWが何かはわからぬが…とにかく休みなんじゃろ? わたしと一緒じゃな!」
ニシシ、と純粋に笑うかぐや姫。
「館長は仕事じゃないんですか?」
「そうなるかの? 遊びのつもりじゃが」
などと、楽しいお喋りをするのであった。
そして。
『星々旅行、月は1万円!』
「はあ…」
シャトルで地球に戻りながら、ため息をつく。
「限界の10冊まで借りちゃった」
少しでよかったのに、姫様との話が楽しくて、つい。
次の月面旅行は夏休みか冬休み、勉強もあるけど、きちんと読めるかな?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




