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田舎のヒキニートおじさん、化物になってものんびり暮らしたい 〜裏山で巻き込まれて烏と狐に目をつけられた〜  作者: イシクラゲ


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聖夜の贈り物






 クリスマス。


 


 空気は冷たいが


 


 どこか、柔らかい。


 


 朝から、少しだけ落ち着かない。


 


「……まあいいか」


 


 小さく呟く。


 


 まずは実家へ行く。


 


 親父と母親に、プレゼントを渡す。


 


「これ」


 


 羽毛布団だ。


 


 軽くて、暖かい。


 


 二人とも、少し驚いた顔をして


 


 そのあと、嬉しそうに笑った。


 


「ありがとうな」


 


「いいのに」


 


 そう言いながらも、顔は緩んでいる。


 


「……まあ、寒いからな」


 


 それだけ言っておく。


 


 そのまま町買物をし。




 帰宅して、準備をして。




 夕方までに探索にでかけて帰ってきた。




 カラスと子狐にプレゼントを渡し。




 日が暮れてから。


 


 みんなで祠へ向かう。


 


 軽トラに荷物を積む。


 


 山道を上る。


 


 冬の空気が、少し刺さる。


 


 祠に着き。


 


 石のテーブルの上に、食事を並べる。


 


 ケーキ。


 


 オードブル。


 


 いなり寿司。


 


 カセットコンロを出し。


 


 すき焼きの準備。


 


 酒も並べる。


 


「……こんなもんか」


 


 ひと通り整う。


 


 しばらくすると


 


 天狗と九尾も現れる。


 


 亀夫婦も、水場から顔を出す。


 


 いつもの面子だ。


 


「……始めるか」


 


 自然とそうなる。


 


 食べる。


 


 飲む。


 


 笑う。


 


 騒ぐ。


 


 静かな山の中なのに


 


 ここだけ、別の空間みたいだ。


 


 落ち着いたところで


 


 プレゼントを渡す。




 亀旦那には、高い酒と乾物。




 亀嫁には林檎のスマホにタブレット。




 亀夫婦は喜んでくれた。


 


 天狗にショルダーバッグ。


 


 九尾にも同じもの。


 


 二人とも、しばらく眺めていた。


 


 そのあと


 


「いいな、これ」


 


 素直に言う。


 


 少し嬉しそうだ。


 


 そして


 


 今度は、こちらに渡される。


 


 天狗から、龍の爪を加工した。


 


 勾玉のネックレス。


 


 九尾から、鱗を加工した。


 


 ロングアームレット。


 


 子狐から。


 


 龍の牙で作られた指輪。


 


 カラスから。


 


 龍の革で作られた帯刀ベルト。


 


「……すごいな」


 


 思わず呟く。


 


 説明される。


 


 すべて


 


 龍の力が封じ込められている。


 


 漏れないようにしてある。


 


 そして


 


 内部に溜められた龍の力で、それぞれ効果があるらしい。


 


 さらに、亀夫婦から。


 


 加護と、浄化の能力。


 


「……」


 


 一瞬、言葉が出ない。


 


 重い。


 


 だが、嬉しい。


 


「……ありがとう」


 


 それだけ言う。


 


 そこからは


 


 完全に宴だ。


 


 酒が進む。


 


 会話も増える。


 


 そのうち


 


 天狗が、妙なことを言い出す。


 


「これ、マジックバッグにする」


 


 ショルダーバッグを持ちながら。


 


「……は?」


 


 聞き返す。


 


 最近、ネット小説にハマっている。


 


 その影響だろう。


 


 九尾も、同じだ。


 


「……やるか」


 


 なぜか始まる。


 


 天狗が、何かを試している。


 


 力を込める。


 


 構造をいじる。


 


 ぶつぶつ言っている。


 


 しばらくして


 


「できたぞ」


 


 そう言う。


 


「……本当か?」


 


 疑う。


 


 だが、目の前で。


 


 空の瓶を持つ。


 


 一つ。


 


 入れる。


 


 二つ。


 


 三つ。


 


 どんどん入る。


 


 まだ入る。


 


「……まじか」


 


 思わず声が出る。


 


「すごいな」


 


 素直に言う。


 


 天狗は満足そうだ。


 


 すぐに動く。


 


 空間移動で家へ戻る。


 


 自分のショルダーバッグとポーチを持って戻る。


 


「……これもお願いします」


 


 差し出す。


 


 九尾も同じことをしている。


 


 天狗がなにやらする。


 


 完成。


 


 確認する。


 


「収納鞄だな」


 


 容量を調べてみる。




 いろいろ調べた結果。


 


 ショルダーバッグ。


 


 縦横高さ、四メートルほど。


 


 約十畳以上。


 


 ポーチは


 


 二メートル四方。


 


 約二畳。


 


「……十分すぎるな」


 


 思わず呟く。


 


 その流れで


 


 九尾が何かを思いつく。


 


 狐火を出す。


 


 圧縮する。


 


 飛ばす。


 


「火魔法だな」


 


 そんなことを言っている。


 


 すると


 


 亀嫁が水を飛ばす。


 


 火を消す。


 


「水魔法です」


 


 対抗している。


 


 そのまま


 


 なぜか能力配布が始まる。


 


 九尾から――


 


 火魔法(仮)。


 


 亀嫁から――


 


 水魔法(仮)。


 


 亀旦那から――


 


 鉄壁(仮) 。


 


「……おまえもか」


 


 思わず聞く。


 


 亀旦那は、何も言わない。


 


 どうやら、天狗と九尾の影響かも。


 


「……みんな酔ってるな」


 


 小さく呟く。


 


 それでも


 


 楽しい。


 


 騒ぐ。


 


 笑う。


 


 食べる。


 


 飲む。


 


 夜が更けていく。


 


 やがて




 そのまま、眠りにつく。


 


 静かな山の中で。


 


 少しだけ


 


 賑やかな夜だった。






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