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立春と設備






 立春を迎えた。


 


 だが、余寒はまだ厳しい。


 


 その中で。


 


 菜の花の黄色が、陽の光を浴びて咲き始めている。


 


「……春は来てるな」


 


 小さく呟く。


 


 今は


 


 子狐と一緒に、高速を走っている。


 


 四トントラックだ。


 


 買い物に向かっている。


 


 理由は単純。


 


 欲しいものがあるからだ。


 


 その前に――




 亀の祠と石像を設置して、榊を1本植えた。




 そして。


 


 作業用のプレハブと、五右衛門風呂が完成した。


 


 受け渡しも終わっている。


 


 プレハブは


 


 子狐の整備工場と、作業スペースを兼ねている。


 


 かなり広い。


 


 太陽光パネルも設置した。


 


 電気は三相を通してある。


 


「……本格的だな」


 


 思わず呟く。


 


 五右衛門風呂は、薪で炊く。


 


 檜風呂は、灯油で沸かす仕様にした。


 


 内装は総檜。


 


 大きな一枚ガラスで、外の景色が見えるようにしてある。


 


 倉庫の屋根にも、太陽光パネルを付けた。


 


「……やりすぎか?」


 


 少し思うが――


 


「……まあいいか」


 


 そういうことにする。


 


 今回の目的は


 


 設備だ。


 


 俺は、溶接機が欲しい。


 


 子狐は


 


「工作機械が欲しい」


 


 そう言い出した。


 


 なので、中古を探すことにした。


 


 大型の倉庫で、工作機械を大量に扱っている場所がある。


 


 そこへ向かっている。


 


 到着して、まずは溶接機。


 


 ほぼ新品のものがあった。


 


「……これでいい」


 


 即決する。


 


 子狐は


 


 迷いがない。


 


 次々と選んでいく。


 


 フライス盤。


 


 縦型と横型、各一台。


 


 NCフライス盤、一台。




 タッピングセンタ、一台。


 


 旋盤、一台。

 



 複合旋盤、一台。


 


 平面研削盤、一台。


 


 円筒研削盤、一台。




 放電加工機、一台。


 


 ワイヤーカット、一台。




 ラジアルボール盤、一台。


 


 ボール盤、その他いろいろ。




 最後に




 大型の門型マシニングセンター 1台。




 これは、古い機械で安いから買うらしい。




 お得とか言っている。


 


「……おい」


 


 思わず声が出る。


 


「……そんなにいるのか?」


 


「いる」


 


 即答だった。


 


「……そうか」




「……機械の中に軽自動車ぐらい置けそうだ」


 


 納得するしかない。


 


 それなりに良いものを選んでいる。


 


 当然


 


 それなりの金額になる。


 


「……まあ、いいか」




「……でも家が買えるな」


 


 もう気にしない。


 


 整備・試運転の後に、納入と据付をしてくれる。


 


 すべて任せることにした。


 


「……何屋になるんだ、これ」




「……金型でも作るのか」


 


 小さく呟く。


 


 トラックの荷台は空のまま。


 


 そのまま帰る。




 子狐が小さく呟く。




「……ちょっと買いすぎた」




 そう思う。


 


 そういえば


 


 一月に、法人にした。


 


 子狐の収入が増えてきた。


 


 法人にしたほうが、有利らしい。


 


「任せる」


 


 そう言って、すべて任せた。


 


 なので


 


 今は法人になっている。


 


「……よく分からんが」




 法人は一人社長とした。




 資本金は999万。




 土地、倉庫、工場、ログハウスは


 


 すべて法人へ貸し出している。


 


 ログハウスは社宅扱いだ。


 


 そして


 


 社長個人から法人へ、二億貸し付けた。


 


 今回の設備は、その資金で揃えている。


 


「……まあ」


 


 小さく呟く。


 


「全部、子狐に任せている」


 


 細かいことは分からない。


 


 だが


 


「……いいようにしてくれるはずだ」


 


 そう思っている。




 まあ問題ないだろう。

 



 一週間後。


 


 すべて届いた。


 


 設置も完了した。


 


 子狐が頼んでいた、三Dプリンターも数台ある。


 


 プレハブの中は


 


 完全に工場になっていた。


 


 俺のスペースは、溶接の場所だけ。


 


「……まあ、いいか」


 


 そういうことにする。


 


 そして――


 


 カラスは、まだ帰ってきていない。






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