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残暑と牧場







 うろこ雲が広がっている。


 


 遠くで、途切れ途切れにセミの声が聞こえる。


 


 まだ残暑が続いていた。


 


「……暑いな」


 


 小さく呟く。


 


 家畜の小屋が完成した。


 


 まずは山羊。


 


 仔山羊を――


 


 オス三頭、メス十五頭。


 


 血が偏らないように、兄弟にならない個体を選んでいる。


 


 次に羊。


 


 こちらも――


 


 オス三頭、メス十五頭。


 


 同じように揃えた。


 


 鶏も若鶏を購入した。


 


 レグホーン。


 


 名古屋コーチン。


 


 ボリスブラウン。


 


 ローマンブラウン。


 


 ブロイラー。


 


 烏骨鶏。


 


 それぞれ――


 


 オス二、メス六。


 


 ワクチン接種済みの個体を購入している。


 


 さらに――


 


 合鴨も入れた。




 合鴨は裏山の池に放し飼いにした。

 



「……増えたな」


 


 素直に思う。


 


 そこに――


 


 カラスが言い出す。


 


「ロバが欲しい」


 


「……なんでだ」


 


 聞く。


 


「なんとなく」


 


「……そうか」


 


 深くは聞かない。


 


 子供のロバを探したらオスがいたので、購入した。


 


 さらに――


 


 子狐が言う。


 


「秋田犬が欲しい」


 


「……お前、狐だろ」


 


 思わず言う。


 


「犬、大丈夫なのか?」


 


「問題ない」


 


「躾ける」


 


「……そうか」


 


 納得する。


 


 許可を出す。


 


 すると――


 


 納車された豆腐の車で一人で、秋田まで行った。


 


 オスとメス、一頭ずつ連れて帰ってきた。


 


「……行動力あるな」


 


 小さく呟く。




 


 家畜たちは――


 


 カラスと子狐が、強制的に契約して配下にしたらしい。


 


「……おい」


 


 少しだけ引く。


 


「ルールも決めたと言っていた」


 


 子狐が言う。


 


 山羊と羊のオスには――


 


 子狐が結界を張って、ある部分を封じているらしい。


 


 許可がないと、子供はできない。


 


「……お前、すごいな」


 


 素直に思う。


 


 子狐は何でもないようにうなずく。


 


 狐のペットの秋田犬は――


 


 子狐の指示で動き、家畜の管理をしているらしい。


 


 見回り。


 


 誘導。


 


 まとめ役だ。


 


「……有能だな」


 


 思わず呟く。


 


 ロバは――


 


 カラスが背中に乗って移動に使っている。


 


「……飛べよ」


 


 つい口に出る。


 


 カラスは気にしていない。



 

 ロバの小屋は建築屋に言って、倉庫の近くに建てた。 




 犬小屋はログハウスを建てていた職人が、余ってる材料で作ってくれた。


 


 ログハウスも完成した。




 ログハウスに太陽光パネルを付けた。




 パネルで見た目は悪くなるが、実用性を優先した。




 太陽光パネルを20kW以上設置して。




 小規模事業用として扱われるので、登録もした。




 蓄電池も3台設置し、蓄電容量は合計40.5kWhだ。




 ここまでの設備は正直必要ないが、かなりのオーバースペックだ。




 それでも、何かあったときに電気だけは使えるよにした。




 九月中旬に引き渡しがあり


 


 すでに引っ越しも終わっている。


 


 今は、ログハウスで生活している。


 


「……いいな」


 


 木の匂いが落ち着く。


 


 かなり気に入っている。


 


 カラスも子狐も、ここが好きらしい。


 


 ログハウスの近くには――


 


 数台停められる車庫も作ってある。


 


「……だいぶ揃ったな」


 


 そう思う。


 


「……まあ」


 


 少し周りを見渡す。


 


「……なんやかんや、上手くいってるな」


 


 小さく呟く。


 


 ログハウスのリビングで、みんなでのんびり過ごす。


 


 配信を見たり、本を読んだり。


 


 ゆったりとした時間が流れる。


 


「……さて、寝るか」


 


 そう言って、自分の部屋に入る。


 


 ベッドに横になり。


 


「……」


 


 ふと気づく。


 


「……なんでいるんだ」


 


 カラスと子狐がいる。


 


「どうした?」


 


 聞く。


 


「好きなところで寝ていいんだぞ」


 


「この家、俺たちだけなんだから」


 


 そう言うが――


 


「……んー」


 


「今まで一緒だったし」


 


「ここでいい」


 


 子狐は、クッションの上で丸くなる。


 


 カラスも、適当な場所にとまる。


 


「……そうか」


 


 少しだけ考えて――


 


「……まあ、いいか」


 


 そのまま目を閉じる。


 


 ゆっくりと眠りに落ちていった。






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