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梅雨と風呂







 梅雨入りした。


 


 雨の日が続いている。


 


 山仕事は、梅雨明けまで休みにした。


 


 今は部屋にこもり――


 


 漫画を全巻まとめて買って読んだり、


 


 ゲームをしたりして、のんびり過ごしている。


 


「……悪くないな」


 


 小さく呟く。


 


 子狐は、相変わらずいろいろやっている。


 


 出かけたりもしている。


 


 カラスは――


 


 酒を飲みながら、配信を見ていた。


 


「……おっさんだな」


 


 昼に、焼きそばを食べていたときだった。


 


 母親が話してきた。


 


「実家、建て替えるって」


 


「……そうか」


 


 母の実家には、古い家と今住んでいる家がある。


 


 その両方を壊して、新しく建てるらしい。


 


「……全部か」


 


 少し驚く。


 


 古い家には――


 


 薪で炊く五右衛門風呂があった。


 


「……あれ、どうするんだ」


 


 もう解体が始まっているのか。


 


「……欲しいな」


 


 思わず口に出る。


 


 母に頼んで、聞いてもらう。


 


 結果――


 


 まだ解体はしていない。

 



 貰えることになった。


 


「……よかった」


 


 少し嬉しい。


 


 来週から解体が始まるらしい。


 


 釜だけ外して、敷地の端に置いておいてもらう。


 


「解体が終わったら取りに行くって伝えといて」


 


「分かった」


 


 それで話はまとまる。


 


 10日ほどで、解体が終わったと連絡が入る。


 


 釜を外して置いてあると。


 


 翌日、母と一緒に取りに行くことにした。


 


 トラックで向かう。


 


 片道二時間。


 


「……遠いな」


 


 小さく呟く。


 


 現地に着いて、ユニックで釜を持ち上げ。


 


 そのまま荷台に載せる。


 


「……けっこう重いな」


 


 見た目以上だった。


 


 積み終える。


 


 母の実家の人たちは、仮住まいに移っている。


 


 近くに家を借りているらしい。


 


 歩いて向かう。


 


 挨拶をして。


 


「お久しぶりです」


 


 礼を言う。


  


「ありがとうございます」


 


 持ってきた土産を渡す。


 


 少し話をして、そのまま昼をごちそうになる。


 


「……うまいな」


 


 そんなことを思いながら食べる。


 


 食事を終えてしばらく話して、帰ることにした。


 


 トラックに乗り。


 


 五右衛門風呂の釜を載せてあるので、そのまま帰宅した。


 


 


 蒸し蒸しして暑い。


 


 エアコンをつける。


 


「……もうすぐか」


 


 梅雨明けが近そうだ。


 


 梅雨が明けたら――


 


「……まず草刈りだな」


 


 倉庫周辺も、林道も、あちこち草だらけだ。


 


「……やりたくないな」


 


 暑い中の草刈りは、正直きつい。


 


 なので――


 


「……金で解決するか」


 


 そう決めた。


 


 油圧ショベルのアタッチメントで、草や雑木を一気に処理できるものがある。


 


 新品なら、軽自動車が買えるくらいの値段だ。


 


「……高いな」


 


 そう思うが――


 


 周りに人がいれば危険そうだが、ここは裏山だ。


 


 基本、一人しかいない。


 


「……問題ないか」


 


 そう判断する。


 


 新品か中古かで少し迷う。


 


 探してみると――


 


 代理店に新品の在庫があった。


 


「……運いいな」


 


 そのまま購入することにした。


 


「……これで楽できるな」


 


 小さく呟いた。


 

 


 梅雨明けまでに、アタッチメントは届いた。


 


 雨の止んでいる間に、何度か練習しておく。


 


「……こんなもんか」


 


 操作にも慣れてきた。


 


 そして――


 


 梅雨が明けた。


 


「……やるか」


 


 早速、草刈りを始める。


 


 機械を動かす。


 


 草が一気に刈られていく。


 


「……いいな」


 


 思っていた以上に楽だった。


 


 綺麗に仕上がる。


 


 そのまま進めていく。


 


「……これ、楽だな」


 


 作業が早い。


 


 おそらく


 


 七月は、草刈りだけで終わりそうだった。


 


 作業をしていると。


 


 子狐がやってくる。


 


「やってみたい」


 


「……いいぞ」


 


 子狐は、すでにユンボの操作を練習している。


 


 車を運転するようになってから、乗り物に興味が出てきたみたいだ。


 


 簡単にやり方を教える。


 


「こんな感じだ」


 


「わかった」


 


 すぐに理解する。


 


 そのままやらせてみる。


 


「……」


 


 しばらく見ている。


 


「……俺より上手いな」


 


 思わず呟く。


 


 無駄がない。


 


 綺麗に刈っていく。


 


 一時間ほど作業して、


 


 満足したのか、子狐は帰っていった。


 


「……」


 


 少し考える。


 


「……任せるか」


 


 決めた。


 


 子狐に、草刈りを半分任せることにした。








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