表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/39

若葉






 桜が散り、若葉が芽吹き始めた。


 


 朝から祠に来て、周辺の木を間伐していた。


 


 九尾の舞で、周囲の木々も一気に育ってしまったからだ。


 


「……やりすぎだろ」


 


 小さく呟く。


 


 あれから五日ほど、間伐作業をしている。


 


 ようやく終わりが見えてきた。


 


 夕方までに片付けも終える。


 


「……終わったな」


 


 道具をまとめる。


 


 帰ろうと歩き出す。


 


 ふと、立ち止まり振り返る。


 


 全体を見る。


 


「……」


 


 なぜか、落ち着く。


 


 視線を上げる、桜を見る。


 


「……まだ満開か」


 


 散る気配がない。


 


「……大丈夫か?」


 


 少し気になる。


 


 スマホを取り出す。


 


 九尾にメッセージを送る。


 


 写真も添える。


 


『散る気配がないです、これは散りますか?』


 


 すぐに返信が来た。


 


 画像付きだった。


 


「……自撮りか」


 


 九尾の顔が映っている。


 


 その下に一言。


 


『そのうち散る』


 


「……まあ、いいか」


 


 深く考えないことにする。


 


 そのまま山を下りる。


 


 納車された軽トラに道具を積む。


 


「……便利だな」


 


 小さく呟く。


 


 そのまま帰宅した。


 

 


 翌日。


 


 四トントラックで石屋に向かっていた。


 


 テーブルが出来たと連絡があったのだ。


 


 石屋に着く。


 


 支払いを済ませ、トラックに積み込んでもらう。


 


「設置、手伝いましょうか?」


 


 そう言われたが――


 


「大丈夫です」


 


 断った。


 


 人力では到底無理な重量だ。


 


 だが――


 


「……いけるだろ」


 


 そう思っている。


 


 トラックに乗り、祠へ向かう。


 


 祠の近くの林道まで行き。


 


 林道から祠までは道を作ってある。


 


 運びやすくしている。


 


「……ここからだな」


 


 トラックを止める。


 


 荷台に回る。


 


 両手を広げる。


 


 テーブルを掴む。


 


 そのまま引き寄せる。


 


 ゆっくりと下ろす。


 


「……いけるな」


 


 問題ない。


 


 そのまま持ち上げる。


 


 祠まで運び。


 


 テーブルと椅子を設置する。


 


 位置を微調整する。


 


「……こんなもんか」


 


 腰を下ろし、座ってみる。


 


「……いいな」


 


 しっくりくる。


 


 しばらく、そのまま休む。


 


 風が抜ける。


 


 静かだった。


 


「……悪くない」


 


 立ち上がり、トラックに戻る。


 


 そのまま倉庫まで行き。


 


 軽トラに乗り換える。


 


「……行くか」


 


 間伐へ向かう。


 


 作業を進める。


 


 夕方だ作業を止めて帰る。


 


 ログハウスの建設場所に寄る。


 


 基礎はすでに出来上がっている。


 


 木材も搬入されている。


 


「……進んでるな」


 


 少し眺める。


 


 それから――


 


 そのまま帰ることにした。


 


 


 家に帰り。


 


 部屋に入ると――


 


「……なんだこれ」


 


 見慣れない物があった。


 


 カラスと子狐に聞く。


 


「主たちからの贈り物」


 


 カラスが答える。


 


「お前がイノシシと戦った話をした」


 


「武器がなかったから鉄を投げたって言ったら――」


 


「くれた」


 


「……は?」


 


 視線を向ける。


 


 そこには――


 


 槍と刀があった。


 


「槍は天狗様から」


 


「刀は九尾様から」


 


「……すごいな」


 


 見ているだけで、何か圧を感じる。


 


「……これ、大丈夫か?」


 


 思わず聞く。


 


「妖刀だ、すごい」


 


 カラスが嬉しそうに言う。


 


 子狐も頷いている。


 


「……いや、そうじゃなくて」


 


 少し引く。


 


「これ、襲ってきたり生気を吸取ったりしないよね?」


 


「加護があるから大丈夫」


 


「……するのか」


 


 納得する。


 


「……なんか、肌がヒリヒリするんだが」


 


「そんなもん」


 


「……そうか」


 


 とりあえず受け入れる。




 狐のログハウス保管してもらいたい、ここでは無理だ




「これ大事な贈り物だから、狐のログハウスで保管しといてくれない」


 


「この部屋は狭いし」


 


 子狐に頼む。


 


「わかった」


 


 素直に返事が返ってくる。


 


「……ふう」


 


 少し安心する。


 


 スマホを取り出す。


 


 天狗と九尾に礼のメッセージを送る。


 


 すぐに返信が来た。


 


 スタンプだった。


 


「……軽いな」


 


 小さく呟く。


 


 そして――


 


「……これ、許可とか大丈夫か?」


 


 現実的な問題が浮かぶ。


 


「……どうにかしないとな」




「……確実に駄目なやつだ」




「……登録に出したら大騒ぎだな、無理だ」

 




 そう思った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ