日常へ
正月も終わり、世の中も忙しく動き出す。
朝食を食べていた。
両親は相変わらず、体の調子がいいと話している。
「体が軽いな」
「目もよく見える気がする」
そんな会話が続く。
龍の涙のおかげだとは言わない。
言えるわけがない。
「……肩が痛いな」
「腰もな」
「最近は老眼が――」
わざとらしく、両親に聞こえるように独り言を言う。
実際は――
体は絶好調だった。
天狗と九尾にいじられた体だ。
痛みなど出るはずがない。
「……調子いいな」
両親は、正月に飲んだ酒を疑っているようだった。
息子に飲まされた珍しい酒。
それから調子がいい。
気になっているらしい。
「……あれは何だ?どこで買った?」
そんなことを言われて、少し困る。
「……そのうち忘れるか」
そう思うことにした。
朝食を終える。
「行くか」
カラスと子狐と一緒に、祠へ向かう。
準備しておいたスマホとタブレット、SIMを持っていく。
ついでに、軒先にあった干し柿も持っていく。
去年は柿も豊作だった。
子狐のおかげだ。
祠に着いた。
供え物を並べる。
スマホとタブレットも奉納する。
セットアップはしていない。
カラスと子狐がやると言っているので、任せることにした。
供えた瞬間――
気配が変わる。
天狗と九尾が現れた。
「……早いな」
待機していたのではと思うほどだった。
「……おはようございます」
一応、挨拶だけしておく。
ついでに、龍の涙の礼も言う。
だが――
「大したものではない」
あっさりした返事だった。
「また持ってきてやる」
「……お気持ちだけで結構です」
丁寧に断る。
今は――
天狗と九尾も、スマホとタブレットに夢中だった。
カラスと子狐と一緒に、操作を見ている。
「……忙しいな」
小さく呟く。
「じゃあ、帰ります」
そう言って、その場を離れる。
一人で山を下りる。
「……さて」
そのまま林道へ向かう。
整備と伐採の続きだ。
「……やるか」
林道の整備と伐採を終える。
そのまま、椎茸の原木栽培の準備に取りかかる。
クヌギとコナラを伐採しておく。
「……こんなもんか」
ひと通り終える。
本日の作業は終了だ。
家に帰る。
「……風呂でも入るか」
小さく呟く。
部屋でゆっくりしていた。
しばらくすると――
「これ」
子狐がスマホを見せてくる。
「……なんだ」
「収益化」
「できた」
「……は?」
画面を見る。
You動画とイングラム。
収益化が有効になっていた。
「……もうか?」
思わず聞き返す。
「うん」
あっさりした返事だった。
登録や本人確認、口座や決済の設定も済んでいる。
すでに連携まで終わっていた。
「……お前」
少し戸惑う。
だが、とりあえず確認する。
設定を見て、連携を終える。
「……できたな」
登録も本人確認もできてたので、すぐ完了した。
「見て」
子狐が言う。
チャンネルとアカウントを開く。
「……」
一瞬、固まる。
「……これ、AIか?」
思わず呟く。
最初の投稿はコスプレか?これ?。
着ぐるみやロボットだ完成度が高い。
CGと間違えるレベルだった。
「……すごいな」
正直に思う。
たまに裏山で写したヘビやらヤモリなどもあった
その後の投稿は、普通のコスプレや獣人もしていた
これもなかなかだった。
「……やるな」
小さく呟く。
ショート動画は豊作の踊りも投稿していた・・・・
とりあえず――
フォローだけしておいた。




