表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/15

レティシアと冬の終わり

「お嬢さん、こんな所で寝てたら、襲っちゃうよ」

 そう語りかけられて、目を覚ます。なんか良い夢見てたのに。

「……ソフィア」

「襲うけどさ!」

「ヤメロ~!」

 季節は冬の終わり。春と名乗るにはまだ早いけど。

 家の近くの川の土手で日向ぼっこしてたら、寝てしまったのだ。土がね、温かいのさ。

「起きた?」

「マリー、姫はまだ微睡みの中だ」

「レティシア、こんな所で寝ないの。危ないよ。虫も付くし」

 虫か、虫だらけはさすがに嫌ね……ソフィアに引っ張られて上半身を起こす。

「あ~あ、服も髪も土だらけ。何やってんのさ全く」

「我は欲望に忠実な故に……」

「ほら、家戻って支度するよ」

「今日何かあった?」

「春祭りじゃん」

「レティシア行ったこと無かったでしょ」

 去年の春は何してたかな。

「春祭りって何があるの?」

「わかんない」

「はぁ?」

 バカソフィ!この私の眠りを妨げて、わかんないだと?首を傾げるんじゃない、可愛いだろうが!

「私もお祭りの目的は知らないけど、屋台がたくさん出るわ」

「私、屋台のご飯大好きなの!」

「だろうね」

「だから行くよ!レティシア。とびきり可愛い恰好して出陣よ!」


 この街で一番大きな催事場と言えば、競技場だ。市民広場もあるけれど、あっちはどちらかというとオシャレな事をやるところで、こっちは基本騒ぐところだ。春祭りの運営は多分クレイジーな方々の集まりだ。だって、陸上トラックにも容赦なく杭を打って区画分けしてるもの。ほら、私以外にも驚いてる人結構いるよ。

 まずはドリンクを購入してから、競技場のスタンドに適当な席を確保した。ここを基地に、私たちは三方に散る。任務はただ一つ、美味しそうなものを皆の分買い込んでくることだ!カブっちゃったらそれはそれで面白いじゃない?


 もっと肉々しいフェスタかと思っていたら、フルーツが多い。私、ブドウ以外ならイチゴが大好きである。……イチゴが好きなの!

 とりあえず、酒の友としてヒツジのホルモンの詰め物と、背肉の包み焼き。まるまるイチゴをダースで。イチゴカクテルをジョッキで。

 結構な量を買い込んでも、驚異のバランスでスタンドまで持って行く。まだ二人は帰ってきていないけど、お肉は熱いうちに、ビールは冷たいうちに!


「また肉ばっかり買い込んで……」

「ほら、せめてバゲットに挟んだりさ」

「ほはへり~」

 二人も空いた座席にどんどん置いていく。

 ビールで口一杯の肉を飲み込むと、改めて皆の戦利品を確認する。

 ラム肉とポテトのパイ、チェリーのパイ。パイ尽くしはマリーだ。おなかが空いてるらしい。

 ソフィアは、

「みてみて、ラーメンよ」

 スープの香りが、魚介でも豚骨でもない……

「山羊だって!」

「珍し~ってみんな肉じゃん!さあ頂こうよ」


 普段から健康的に暮らしている為か、結構な量に思えた料理の数々は以外とすんなり食べきった。デザートにパイとイチゴを食べているところだ。

「私ね……」

「お、レティシアまたデレるか?」

「私、イチゴ大好きみたいなの」

「「へえ……」」

 二人ともあまり興味ない?

「ところで、聞くのためらってたんだけど、アイちゃんは?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ