《はじまりの話》蛍灯 光羽 / 白井 綾人 2:終わらない場
[背景: ビルの前]
{{プロデューサー名}}: あの。
綾人: ……俺、ですか?
{{プロデューサー名}}: さっきのイベント、通りかかって、
{{プロデューサー名}}: たまたま見てたんです。
綾人: あ……ああ、参加希望ですか?
綾人: でしたら、SNSアカウントがあるので、そちらから……。
{{プロデューサー名}}: そうではなくて、ですね。
[背景: 名刺]
ステラプロダクション。
プロデューサー。
[背景: ビルの前]
{{プロデューサー名}}: あなたを、スカウトしたいんです。
綾人: スカウト……?
{{プロデューサー名}}: はい。
{{プロデューサー名}}: さっきのイベント、あなたはずっと誰かの隣に寄り添い続けていました。
{{プロデューサー名}}: イベント全体の雰囲気が、とても良かった。
綾人: そんな……俺は何も。ただ、隣に立っていただけで……。
綾人: 邪魔にならないように、としか考えてなかったですし。
{{プロデューサー名}}: いいえ、あなたが動くと、参加者の雰囲気が変わっていました。
{{プロデューサー名}}: それに、ただ隣に寄り添う、それができる人は意外といません。
綾人: ……。
{{プロデューサー名}}: イベントが終わった後、会場を見回していましたね。
綾人: それは……はい。片付け残しがないか、確認していました。
{{プロデューサー名}}: それだけじゃない。
{{プロデューサー名}}: あなたの視線は、終わることを惜しんでいるようでした。
綾人: それは、考えすぎですよ。
綾人: 俺は……そんなつもりは……。
綾人: (本当に?)
綾人: (今日だって、終わってしまった、って思ってた)
綾人: (いつだって、最後まで残ってしまう)
綾人: (いつだって、終わりが気になってしまう)
綾人: (もしかしたら、俺は……)
{{プロデューサー名}}: だから、あなたをアイドルVTuberにスカウトしたいんです。
綾人: アイドル……VTuber……?
{{プロデューサー名}}: はい。終わらない場なら、どうかと思ったんです。
[背景: 名刺]
綾人: アイドルVTuber……。
綾人: (終わらない場……あるのかな)
綾人: (……もし、本当にあるなら)
綾人: (でも、そんな場所に、俺……)
[END]




