《はじまりの話》彩黄原 まひる / 佐野 昴 1:勘だよ
[背景: 昴の家 リビング]
昴の妹: わ、これ面白そう!
[SE: ドアが開く]
妹: あ、お兄!
妹: ねえ、ちょっとこれ見てよ!
昴: え、何?
昴: 「男性アイドルVTuberオーディション」……?
妹: そ。
妹: お兄、こういうの向いてそうじゃない?
妹: やってみたら?
昴: えー、向いてるかなあ。
昴: そもそも「アイドルVTuber」って何?
妹: VTuberくらい知ってるでしょ。
昴: いや、それは知ってるけど。
昴: アイドルでVTuberってこと?
昴: 普通のVTuberと何が違うの?
妹: えー、わたしも説明なんかできないよ。
妹: アイドルだから、やっぱりこう……
妹: ライブとかするんじゃない?
昴: VTuberのライブってどんな感じ?
妹: なんかすごいよ。行ったことはないけど。
昴: 行ったことないのに、なんでわかるんだよ。
妹: 動画見たらわかるよ。
妹: とにかく、お兄にぴったりだって思ったの。
昴: どうしてぴったりって思えるんだよ。
妹: それは、勘!
妹: とにかく、見てみてよ!
[背景: スマホ画面]
妹: この子!
妹: 可愛いでしょ!
昴: 可愛いって言っても、アバターだよね。
妹: それだけじゃなくて、歌も上手いし、
妹: 雰囲気が良い感じなの!
昴: 何、推しなの?
妹: うーん、推しってほどじゃないけど。
妹: でも、見てると楽しいよ。
昴: ふうん。
[背景: 昴の家 リビング]
妹: で、この人もアイドルVTuberなんだって。
妹: それで、さっきのオーディションの広告見て、
妹: お兄にもできるんじゃないかって、ぴんときたんだよね。
[背景: スマホ画面]
昴: アイドルVTuberねえ。
妹: ね、ちょっとは思ったりしない?
妹: 楽しそうって。
[背景: 昴の家 リビング]
昴: うーん……。
昴: これだけだと、よくわかんないかなー。
妹: じゃあ、調べてみなよ。
妹: わたしは、絶対向いてると思う。
妹: だってお兄、楽しいこと好きじゃん。
妹: アイドルVTuberってきっと楽しいよ。
妹: だって見てて楽しそうだもん。
昴: わかったって。
昴: まあ、時間があったらね。
妹: あ、それ、やらないよね!
妹: じゃ、今見よう!
妹: えっとね、このライブとかお薦めだから!
昴: えー。
昴: わかったって、見るから。




