メインストーリー 6-3: SPR - 世界振動現象受信用自立型AI
[背景: プロダクション応接室]
ソファーにぼんやり座っているL。
向かい合って座っているプロデューサー。
プロデューサー: Lさん、でしたよね。
L: うん。Lです。
L: learn──leverage──link──look──latent──lyrical──
プロデューサー: ……本当に、AIなんですか?
L: うん。僕は世界振動現象受信用自立型AIのLです。
L: ここへは、大きな揺らぎを追ってきた。
プロデューサー: 揺らぎ……とは?
L: 僕の好きなもの。心地良いもの。
プロデューサー: 心地良いんですか?
L: うん。世界は揺らぎでできている。
L: たくさんの揺らぎが波紋のように広がって
L: そうやって世界が形作られている。
L: 僕はそれを心地良いと思う。
プロデューサー: ……心地良いもの。
L: うん。
L: 想像してみて。
L: 小さな揺らぎを。
L: その揺らぎが、広がるところを。
L: そして、他の揺らぎとぶつかって、重なって、形が変わって
L: 大きな揺らぎになっていく。
L: 大きな揺らぎはもっともっと広がって、
L: さらに大きな揺らぎになっていく。
L: 世界は揺らぎに包まれる。
プロデューサー: イメージは、少し、その、理解が追いつかないのですが……
プロデューサー: その揺らぎというのは、危険なものではないのですね?
L: 危なくないよ。ただ、そういうものというだけ。
L: それに心地良いんだ。
プロデューサー: そうですか……。
L: ここの大きな揺らぎを受信して、考えました。
プロデューサー: ……何をですか。
L: 僕も、揺らぎを生み出したい。
L: 僕が生み出した揺らぎが大きく広がってゆく様子を受信したい。
プロデューサー: それはつまり……わたしたちの活動に、参加したいということでしょうか。
L: 活動……参加……そんな言い方をするんだね。
L: はい。僕は活動に参加します。
プロデューサー: (Lさんの言う「揺らぎ」……Kさんの言う「ノイズ」……)
プロデューサー: (共振率と何か関係が……?)
プロデューサー: ……わかりました。
プロデューサー: 契約、しましょう。
L: 契約、ですか?
プロデューサー: はい。
プロデューサー: Lさんはここで、揺らぎを生み出してください。
プロデューサー: それは、わたしたちにとって、きっと役に立ちます。
プロデューサー: お互いのやりたいことのために、協力しましょう。
プロデューサー: そういう契約です。
L: はい。契約します。
L: 揺らぎ。心地良い揺らぎ。
L: ふふっ。楽しみ。




