メインストーリー 4-3: SPR - 利用し合う
[背景: プロダクション応接室]
目の前のプロデューサーを睨む夜。
そわそわと周囲を見回す影。
2人の首にはもう機械はなく、鎖も繋がれていない。
夜: ……それで、どうして僕たちを連れ出したんですか。
夜: 目的を教えてください。
プロデューサー: 一番の理由は、
プロデューサー: あなたたちをあの環境から救い出したかったから、
プロデューサー: それでは納得できませんか。
夜: 僕たちを買い取るのにどれだけのお金を積んだんですか。
夜: なんの目的もなく、そんな金をぽんと出すなんて信じられません。
プロデューサー: そうですね。
プロデューサー: これはある種のビジネスです。
プロデューサー: そう言った方が、納得できるでしょうか。
影: ……どういうこと?
影: 俺たち、また閉じ込められる?
プロデューサー: わたしたちは、あなたたちを閉じ込めるつもりはありません。
プロデューサー: ただ、もし良ければ、わたしたちの仕事を手伝って欲しいと、そう思っています。
プロデューサー: もちろん仕事ですから、対価も支払います。
プロデューサー: それだけでなく、お二人の生活のサポートもできたら、と思っています。
夜: 条件が良すぎる。
夜: ……ロクでもない仕事をさせようって魂胆ですか。
プロデューサー: わたしは素敵な仕事だと思っていますが、
プロデューサー: お二人がどういう感想を持つかはわかりません。
影: 仕事、断ったらどうなるの?
影: また閉じ込められる?
プロデューサー: そんなことはしませんよ。
プロデューサー: わたしたちの申し出を断ってもらっても構いません。
プロデューサー: それは、お二人で決めてください。
夜: ……仕事の内容は?
プロデューサー: お二人に、アイドル配信者としてデビューしてもらうことです。
プロデューサー: わたしたちは、世界の崩壊を止めるために、
プロデューサー: アイドルと観客、配信者と視聴者、その間に発生する感情を集めています。
夜: ……は?
影: 何それ。
プロデューサー: ですから、お二人にもそれを手伝って欲しいんです。
プロデューサー: お二人の正体を明かして、配信をします。ライブもします。
プロデューサー: そうやって認知してもらうことが、
プロデューサー: 結果的にあなたたちの存在を守ることにもなります。
夜: 正体を……明かして?
影: 隠れなくても良いってこと?
プロデューサー: もちろん、大変なこともあるでしょう。
プロデューサー: レッスンも受けてもらいますし、講習も予定しています。
プロデューサー: でも、わたしたちがあなた方の生活をサポートします。
プロデューサー: ですから、お互いに悪くない話だと思うんです。
プロデューサー: どうでしょうか。この取引に、応じてもらえませんか。
夜: ……そんなの、うまくいくかもわからないのに。
影: 俺は、やっても良いよ。
夜: 影!
影: 隠れなくても良いし、閉じ込められないんでしょ?
影: じゃあ、やっても良い。
夜: ……はぁ。
黙り込む夜。
しばらくして、睨むようにプロデューサーを見る。
夜: 言っておきますが、僕はあなたたちを利用するだけです。
夜: 利用する代わりに、利用されてあげます。
プロデューサー: はい、それで構いません。
プロデューサー: 契約成立、ですね。




