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ヘタレな俺が神になったら世界はどうなっちゃうんだ。  作者: 高比良好明


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5/28

第5話 「ちょっと雨を降らせただけなのに」

「次の業務は……

 天候管理……」

オチルは震える指でパネルを操作していた。

「雨を……

 少し……

 降らせるだけ……」

画面には、ある国の干ばつ地域。

(これはいいこと……

 善行……

 ポイント稼げる……)

オチルは慎重にスライダーを動かした。

降水量:+1

「よし……

 完璧……」

5分後。

《天候異常警報》

「え?」

テナレテルの声が即座に響く。

「報告します。

 該当地域、現在――」

映像が切り替わる。

大洪水。

「+1とは……?」

オチルの声が消えた。

「単位が違います」

テナレテルが冷静に説明する。

「神の“+1”は、

 人類基準で+100です」

「そんな注意書きありませんでしたぁ!!」

さらに警報。

《副作用発生》

「まだあるんですか……?」

イエルがにこやかに頷いた。

「あります(^^)」

嫌な予感しかしない。

世界各地で異変が連鎖する。

別地域で豪雪

海上で謎の台風発生

砂漠に雷雲

「え、ちょっと待って!?

 雨だけじゃ……」

テナレテルが即答。

「天候は連動しています」

「知らなかったです!!」

クレーム対応課、即フル稼働。

《神、雨頼んでない》

《干ばつは解消されたが国が沈んだ》

《雪降る予定なかったんだけど》

「誰か止めてぇ!!」

その時、イエルがぽつり。

「でも……

 緑は増えましたね(^^)」

「評価そこ!?」

オチルは叫んだ。

「も、戻します!

 元に戻せば……!」

進退ステッキを握る。

「天候は進退管理じゃありません」

テナレテルの冷静なツッコミ。

「ですよねぇぇぇ!!」

最終的に。

「提案します」

テナレテルが資料を表示する。

洪水地域 → 水の都として観光化

豪雪地帯 → 冬の名所

砂漠雷雲 → 発電利用

「……災害を……

 観光資源に……?」

「はい。

 神的解決です」

オチルは机に突っ伏した。

「……神って……

 自然を守る存在じゃ……」

イエルが優しく微笑む。

「結果的に、

 人類は適応します(^^)」

「それ、全部丸投げですよね……?」

その頃、天国。

サロンパス12神は天気を眺めていた。

「最近、景色いいな」

「神、センスあるわ」

――評価はなぜか高かった。

こうして、

“ちょっとの雨”は世界の名所を増やした。

世界は今日も、

ゆるく、雑に、

神に振り回されている。


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