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2話 現実 僕だけ別ゲームじゃね?

 目を覚ますと、いつもの見慣れた部屋の中にいた。

 ゲームを繋げたままのテレビに、湿っぽい布団。

 机の上には散乱した参考書。


 ああ、あれは夢だったのか


 そう思った瞬間、胸の奥で何かが静かに沈み、深くため息を吐く。


「朝ごはんよー! 早く降りてきて!」


 急かす母の声に返事をして、廊下を歩くと寝癖だらけの妹のハルカと鉢合わせる。


「お兄ちゃんおはよー。今日もでっかいねー」


 寝ぼけた目をこすりながら、嫌味のように僕の体型をいじった。でも、妹が悪気あって言っているわけじゃないのは知っていた。すらりとして、顔も頭もいい妹に言われると癪にくる、ただそれだけなのだ。

 太ったのは食べすぎた上に、運動嫌いな自分に問題があるだけなのだ。

 それを認めようとしない、弱い自分が妹や両親の側に居場所が無いように感じるだけなのだ。

 食卓で朝食を家族みんなで囲むと、それが余計に感じる。イケメンおじさんの父に若作りをしているわけでもないのに二十歳くらいに見える母、ジュニアモデル並みの妹、そこに身長150センチメートル体重70キログラムでニキビ顔の自分が混ざる。

 まるで一人だけ別のゲームのキャラクターみたいで、疎外感しか感じない。

 無言で箸を動かす。

 味はあるのに、何も感じなかった。


 朝食を終えて、制服に着替え、いつも通り学校へ向かって歩く。

 誰も僕の存在を気にしない。いや、いつものデブだ、という目をして目を逸らす。自業自得なのだけれど、誰かに歩いているだけで羨望されたい、という妄想はしてしまう。

 本当に、バカだなあと思う。

 気がつくと、学校まで来ていた。いつもより3分くらい早くついたような気がする。

 いつもノロノロ歩いて抜かされていたのに、今日は不思議と抜かされなかったような気がする。

 まあ、誤差だろう。たまたま、今日は体の調子が良かったのだろう。

 教室について、自分の席に座り鞄の中のものを机の中に入れ、周りを見渡す。

 いつも通りの教室、いつも通りのクラスメイトたち。

 何も変わらない。

 斜に構えたことを考えるが、汗で背中に張り付いたシャツがもの悲しげだ。


 教室の窓から街並みの奥を見つめる。

 日照りされた街に薄らと夢の中で見た草原や丘を重ねると、あの時潰したスライムのムニュリとした感覚を足元に感じた。

 感想など頂けると今後の参考になりますので助かります。

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