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宙の岬へと、星のアルストロメリアの咲く丘で

作者: 逢乃 雫

空にとけゆく


わた雲はかき氷のように



南風月(はえづき)の景色に


映える夏色のソルベ



天つ風に舞う


夏茜が描きゆく軌跡は



青い空へと


今日をデッサンするように



燈台草の花が


淡くやわらかに



照らす先に


広がる岬の丘に



さしこむ光を


六つの花びらに映して



アルストロメリアは


未来を見つめて



夕闇のパステルが


街をやさしく包むとき



夏茜もまた


シルエットで


空に、夏を描くように




宙を越えゆく


光の矢が季節を刻んで



瑠璃色の


夏の(とばり)を越えて



南の彼方に


浮かび上がる



いて座は


(そら)へと夏を放つように



アルナスルの


星の光が駆け抜ける



空を弓張月が


やさしく照らして




宙を越えゆく


星の船が夜空を拓いて



煌めく星が


描きゆく光のスプーン



南斗六星は


天の川の(しずく)


そっとすくい上げるように



南の舵星(かじぼし)


宙の大海原へと



こぎ出す夢を


遥かな光にのせながら




どこまで遠くへ


たどり着くかも


大事かも知れないけれど



何を見つめて


何を見つけて


そして


その道で何を感じるかを


大切にできたら



舵をとるのは


自分自身だから



自分らしさの帆を


めいっぱいに張って



空はつながり


海はつながり



いくつもの


星を映しながら


心と心も


きっと、つながっていくと


そう信じて




時つ風に舞う


星座が描きゆく軌跡は



青い宙へと


未来をデッサンするように



さしこむ光を


六つの星に映して



時明かりが


街をやさしく包むとき



宙の岬へと


アルストロメリアが、咲く丘で















黄道十二星座の一つ、いて座は、半人半馬の姿で8月中旬の南の夜空に浮かびます。スプーンに似た6つの星は「南斗六星」と呼ばれ、船のかじにも似て「南の舵星」とも呼ばれます。南風月はえづきは8月です。


いて座周辺は天の川が最も明るく見え、アルナスル(アラビア語で「矢の先」)の星が輝きます。「ときつ風」は潮が満ちる時の風や背を押す風、「ときかり」は夜明けの空が明るくなることです。


アルストロメリアは、エキゾチックな花びらに光の軌跡のような紋様があり、花言葉は「未来への憧れ」です。燈台草とうだいぐさは金色の花が咲き、花言葉は「明るく照らして」です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
まだ夏の景色ながら、それでも少し柔らかくなったような印象ですね。 様々なものが描く軌跡と重ねられているような、自身の軌跡。 成長から実を結ぶまでの、その間。人によって違うそのタイミングに一喜一憂する…
ふおぉ! 今回の詩もステキ!(*´∀`*) …でも何故だろう、『スプーン』に『ソルベ』… 美味しそう(*´艸`*) と思ってしまいました(笑)
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