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1 出会い

「(あくび)眠い、、、」

俺の名前は齋藤強歩。今年から高校一年生になった。中学生の頃は、教室の隅にいたことや女子っぽい名前が原因でよくいじめられていた。いわゆる三軍の陰キャ。高校では頑張ろうと思っていたものの、特に生活が変わることもなく、毎日を教室の隅で過ごしている。「おはよー強ちゃんー!」こいつは草柳光太。中学生の頃からこいつだけは、俺に優しく接してくれていた。今では親友だ。でもこいつは一軍陽キャで、住んでる世界が違うんだけどな。昼休みになり、あまりにも眠気が酷かったので、人気がない、第二校舎四階の隅にある第一音楽室で睡眠を取ることにした。第一音楽室は学校改修の前からあったもので、改修の後第二音楽室ができ、第一音楽室は使われなくなったらしい。今は管理もあまりされなくなり、部屋の鍵も空いている。今までも何度か第一音楽室にはお世話になったのだが、、、

「♪♪♪」(静かな鼻歌が聞こえる。。。誰かいるのか?)そう思い、音楽室のドアを開けた。すると、ベランダの外に足を出し、外を眺めている女子がいた。同じクラスの美月叶だ。俺は咄嗟に飛び出した。

「う、うわぁぁぁ!!!やめろ!!早まるな!!!!!」

叶は床に転んでしまい「うわぁ!いてててて、、」と言った。俺も転び、床に横になってしまった。

叶は「君、大丈夫?」と言った。「あ、大丈夫っす、」「急になんで飛びついてきたの?」」「だって、あんたが飛び降りそうになってたから、、、」と俺が言うと、叶は「ははははは!!!!あはははははは!!!」と爆笑した。俺が「???」となっていると、「そういうことかぁ、ありがとね」と、笑って出てきた涙を拭きながら言った。「あなた、同じクラスの人よね、名前は?」と聞かれたので「齋藤強歩です。」と答えると彼女は言った。「私、軽音楽部に入っててね、ボーカルとギターやってるんだけど、ちょっと歌が不安で音楽室で練習しようと思ってたんだよ」

「そうだったんだ、、ってか、紛らわしいことしてんじゃねぇよ!!!!」「あはは、それは君が勝手に勘違いしただけでしょ」「ま、まあ。。。」「でも、ありがとね!」彼女が笑った。中学生の頃からろくに女子と話していない俺にその笑顔はきつい。なんとか平然を装い、俺が部屋から出て行こうとすると、「待って!何かしようとしてここにきたんでしょ?」と聞かれたのでここにきた経緯を話すと、「そっかぁ、でも私がいるもんね〜、、出て行ったほうがいいかな??」と言われ俺は「い、いや大丈夫。でも代わりに、、、」「代わりに?」「歌を聞かせて欲しい。」と俺は言った。俺は自分で改めて考えても、急に何言ってるんだと思った。しかし彼女は嬉しそうな顔をし、「いいよ!!私の一番得意な曲聞かせてあげる!」と言った。どうやら彼女は音楽がとても好きらしい。彼女は音楽準備室に忍ばせていたギターを持ってきて、素晴らしい歌を聞かせてくれた。「す、すげぇ!!!」俺がそう言うと、彼女は少し照れたような顔をして、「ありがとう!」と言った。今回の笑顔もだいぶきつかったが、彼女の演奏の余韻に浸っていてあまり気にしなかった。俺は、この瞬間にやっと、高校生活のページがめくられたと感じた。「これからよろしくね、齋藤くん!」

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