ドラゴンの魔心石の話
「ただいま。」
「おかえり!」
「先輩、渡したいものがあるんですけど……」
「前にも無かった?」
「渡したいものがあるんですけど……」
「聞いて?」
「渡したいものがあるんですけど……」
「聞く気ないね!!」
「渡したいものがあるんですけど……」
「うん!何を渡されるのっ!!」
「先輩っ!受け取ってくださいっ!」
「発言と見た目が違いすぎるよ!!」
「ハハッ!まぁ、魔心石ですしね。」
「そうだよね!!何なのこれ?」
「100メートルのドラゴンですよ!すごいですね!」
「………」
「パートムが出来るだけ良い物だって言ってましたよ!」
「………」
「先輩、大丈夫ですか?」
「………」
「アハハハハッ!!」
「………」
「アッハハハハッ!!!」
「………」
「先輩っ!何か言ってくださいっ!笑い死にそうですよ!!!」
「……ひゃく」
「100?100メートルですよ?」
「…ひゃくめーとるってそるがなんにんぶん?」
「アッハハハハッ!!80人くふっ!くらいですよハハッ」
「はちじゅうにんか〜」
「アッハハハハッ!!先輩!戻ってください!アハッ!本当に笑い死にアハハッ!そうですよ!!」
「お兄ちゃんは何をそんなに笑ってるの?」
「アハハッ!あっ!みんな。先輩を見て笑ってるよ!」
「セン?」
「…しるもひゃくめーとるだとなんにんぶんなの?」
「アハハハハッ!!確かにこれは笑うね!」
「……何をしたの?」
「これを渡したらこうなったね。」
「これ?」
「うん。これだよ。」
「これは…魔心石なのかしら?」
「そうだよ。」
「……どんな……魔心石?」
「100メートルのドラゴンだよ。」
「100っ?本当に?」
「見てはないけど本当だと思うよ。」
「…そうなのね。」
「どうしたの?その間は。」
「私が使うことにならなくてよかったなぁって思っただけよ。」
「ハハッ!面白っ!」
「可哀想ね。」
「なにが〜」
「「アッハハハハ!!!」」
「……この兄妹は。」
「いや、これは先輩が悪くない?」
「そうだよ!センが面白いからだよ!!」
「なにが〜おもしろいの?」
「「アッハハハハ!!」」
「やっと戻りましたね。」
「そうだねっ!!!」
「あー、本当にここ1年合わせたよりも笑った気がしますね。」
「笑わせる気なかったのにねっ!!」
「いやぁー、笑わせる気ないのに面白いのはすごいですよね!!」
「……水落!」
「風壁 ツヴァイ」
「クッ!当たらない!!」
「アッハハハハ!さらに笑わさないでくださいよ。」
「笑わせる気ないよっ!!」
「……そろそろ……真面目に……話さない?」
「そうだね。流石に話そうかな。正直ふざけられるのは今だけだろうけど。」
「え?何その怖い言葉は…」
「これは冗談じゃないですからね。」
「怖っ!」
「一応そのドラゴンはそのためなので。それと、そのドラゴンは見た目よりは弱いらしいですよ。」
「見た目って100メートル?」
「はい。なので全く弱くないですよ。」
「……これ、本物だよね?」
「パートムが言ってましたよ。嘘なら知りませんが。」
「だよね!!」
「それと、シル悪いけど捕らえた奴らを連れて行ってくれない?」
「おっけー!」
(「契約は破棄しておいたからね。」)
(「おっけー!」)
「ログ、手伝って!」
「おう!」
「よろしくね。それから先輩、そのドラゴンのことで話す事があるので良いですか?」
(「本当にやばい話ですよ。」)
(「……仕方ないね。」)
「わかったよ!」
(「ここからはこれで話しましょうか。」)
(「うん。どのくらいやばいの?」)
(「さっきの魔心石どう思いました?」)
(「あんな感じになるくらい。」)
「アハハハハッ!思い出させないでくださいよ!」
「知らないよ!」
(「まぁ、あれがなんでもないくらいに感じるレベルですかね?まぁ、先輩はどう感じるのか分からないですけどね。」)
(「………それ本当?」)
(「嘘なら良いんですけどね。」)
(「本当なんだね…」)
(「はい。残念ながら。」)
(「……聞かせてもらえる?」)
(「はい。じゃあ、話しますね。国王陛下が殺害されました。」)
(「………………え???」)
(「それと裏切り者が近衛のトップらしいです。」)
(「……………………え?????」)
(「大丈夫ですか?大丈夫じゃないと困りますよ?」)
(「……………」)
(「大丈夫ですか?」)
(「…………」)
(「先輩?」)
(「……」)
(「ドラゴンの魔心石はこれがあったからなんですよ。」)
(「…」)
(「使ってもらえないと困るんですが。」)
(「嘘、なわけないよね………」)
(「残念ながらそうですね。」)
(「本当にドラゴンがって気持ちが消えたんだけど。」)
(「まぁ、そうなるとは思ってましたけど、本当にそうなりましたね。」)
(「うん。なったね。」)




