引き渡しと捕獲
(することも無いし本でも読もうかな。雷の本があるしね。)
(雷属性は、到達までが速くて、威力があるけど発動までに時間がかかる感じかぁ。まぁ、使いやすそうかな?)
(そろそろ寝ようかなぁ)
「じゃあ、そろそろ寝るね。」
「うん。おやすみ!」
(えーと21時だね。みんな起きてるね。)
「おはよう。」
「おはよう!」
「そういえばみんな、今日からは寝る時に近くに武器置いててね。」
「分かったよ!」
「おう!」
「じゃ、おやすみ!」
「おやすみ。」
(0時まだ来ないね。)
(うん?何か聞こえた気がするね。ちょっと集中しようかな。うん、何か音がしたね。1人では無いね。)
「みんな起きて。」
「来たのか?」
「たぶん。1人では無いね。シル人数分かる?」
「うーん。多分3人かな?」
「分かったよ。ありがとうね。」
「それでどう戦うんだ?」
「ここなら、こっちが有利だからね。誘い込んでから奇襲かな?先輩は前の鳥出せます?」
「出せるよ。」
「それなら、シルとメリはここから逆側の部屋に行ってくれない?鳥で誘い出せたら、挟んで攻撃したいからね。誘い出せなかったら、メリは後ろに居てね。もしそっちに行ったらシル、悪いけど囮になってくれない?」
「いいよ!」
「……わかった」
「シルとログは、大丈夫だろうけど他の人は近接戦はしない方がいいからね。」
「分かったわ。」
「かかったよ。」
「分かりました。」
(「シル、メリの隠蔽魔法も使って近づいてきてくれる?」)
(「おっけー!」)
(「近づいたよ!」)
(「わかったよ。じゃあ、とりあえず合図したら、魔法で攻撃してね。」)
(「おっけー!」)
「じゃあ、そろそろ出て魔法で攻撃するよ。ログは、近くにいてね。獣が近づいてきたらよろしく。」
「分かったぜ!」
「じゃあいくよ。」(「いくよ。」)
「風球 ツヴァンツィヒ」
「水槍 ツヴァンツィヒ」
「土棘 ツヴァンツィヒ」
「水槍」
「土棘」
「氷槍」
「土槍」
「木槍」
「うーん。生きてるのいる?」
「いるのか?これ」
「あっ、こいつ一応生きてるわね。」
「おー、じゃあこれをかけて、それからこれもつけてと」
「生きてたやつ、いたんだね。」
「みたいですね。まぁ、死んでるよりも生きてた方がいいですしね。」
「そうね。」
(まぁ、死んでた方が良かったんだろうけどね。)
「2人ともお疲れ様。」
「みんなもね!」
「……あれで生きてたの?」
「みたいだね。強かったのかな?」
「どうなんだろうね?」
「悪いけど、誰か少し起きててくれない?」
「なら、俺が起きておくぞ!」
「よろしくね、ログ。」
「おう!」
(パートム起きてるかな?)
「おぉ、ソルどうした?」
「襲撃があって、集中砲火してすぐに潰したんだけど、3人のうち1人が生きてたからさ、一応連れてきたんだよね。」
「そいつか?」
「そうだよ。」
「こっちで預かっても良いか?」
「良いよ。ただ、今ってどこか襲撃されてるの?」
「まぁ学校に行けばいるだろうな。」
「なら大丈夫だね。また来るよ。」
「おう。」
(2年の寮に向かえば良いかな。最悪、空間魔法は使っても良いかな。)
(うーん10人以上はいるね。全員見える距離にいるし大変だね)
(おっ、1人離れたね。1人連れてたけど何するつもりなんだろうね。まぁ、どうでも良いけどちょうどだし行こうかな。)
「きゃああ!やめてくださいっ!」
「ハハッ!辞めるわけないよな!戦いに負けるのが悪いんだよ!負けたんだから仕方ないな!」
(うーん。それは、似たような考えなんだよね。まぁ良いけどね。殺さないようにだからね。うーん。もう少し隙を晒したらかな。)
(うーん、そろそろ良さそうかな。じゃあ煙玉を投げようかな。それっ)
「なんだっ!この煙は!」
グサッ
「グッ!」
「風球 ツヴァンツィヒ」
「水落 ツヴァンツィヒ」
「ゴボッ」
「じゃあ捕まってね。」
「何ですかっ?」
「俺は一応助けた形になるね。まぁ、煙で見えないだろうけどね。」
(この煙、俺も見えないんだよね。まぁ獣を捕まえたのは、確実だけどね。怪我で済んでるかな?とそろそろ晴れてきたね。)
(治療したら大丈夫だね。まぁポーションでいいかな。)
「貴方は何者ですか?」
「俺は生徒だよ?君は?」
「私もです。フシャクって言います。ありがとうございました。助かりました。」
(うーん、なんて名乗ろうかな?まぁいいか、何かあればその時は…)
「俺はリーソルだよ。俺の目的は、こいつだから感謝は良いよ。」
「それでも、助かりました。生き残れたら、お礼させてもらいたいです。」
「大丈夫だよ。言ってしまえば、助けたのはおまけだからね。」
「それでも、貴族の娘として何も無いのは良くないです」
(貴族?)
「貴族ってどこなの?」
「西側の伯爵です。」
「西側ってどの辺なの?」
「ルーゼンという町を中心に治めています。」
(えー?こんなところになんでいるんだ?)
「なぜ、ここの学校に?」
「西側からの脅威が大きくなったので、ただこっちの方が大きかったですね。」
「脅威?」
「はい。主に西の宗教の影響でこちらに近づいていた異種族ですね。すぐに何かあるというとかは無いんですけど、それでも脅威ではあったんです。」
(うーん。どうしようかな。シルに伝えたらどうなるのかな?でも流石に無視は出来ないよね。一応聞かないとね)
「言葉遣いはどうすれば良いですか?」
「今までと同じでお願いします。」
「わかったよ。それと、フシャクは戦いではなく、勉強の方だよね?」
「そうなりますね。」
(何かあれば消す事は簡単そうだね。)
「とりあえず、俺たちの寮に来てもらっても良い?」
「良いのですか?」
「うん。部屋もあるし、話したい事もあるからね。」
「分かりました。」
「じゃあこいつを連れて行こうかな。バレないようにね」
「はい。」
(今は、4時かな。)
(「シル、悪いけどいい?」)
(「ん?お兄ちゃん?」)
(「そうだよ。ちょっと、今から1人と1匹連れてくからちょっと起きてもらって良い?あとログに休んでって伝えてくれる?」)
(「いいよ!」)
「今までの寮はどうなってるの?」
「……酷い状況です。絶望感が凄いです。」
「そうなんだね。」
「そろそろ着くよ。」
「はい。分かりました。」
「おかえり!お兄ちゃん!」
「ただいま。ごめんね。」
「大丈夫だよ!」
「私はフシャクと言います。お邪魔してすみません。」
「大丈夫だよ!私はシルバードだよ!」
「フシャクは、疲れてるよね?」
「はい、そうですね。」
「じゃあ、あそこの部屋を使ってね。空き部屋だからね」
「はい。ありがとうございます。」
「これは、針を刺しておこうかな。あとは、紐で結べば良いかな。」
「お兄ちゃん、あの人はどうしたの?」
「これに襲われてたのを助けたんだよ。」
「それだけで連れてこないよね?」
「そうだよ。ルーゼンの領主の娘らしいから連れてきたんだよ。」
「あー、それならわかるね!」
「まぁ、詳しくはまだ聞けてないから、話せる事は無いけどね。」
(流石に今、脅威のことは言えないよね。)
「起こして悪いけど、休んで良いよ。」
「大丈夫だよ!じゃあおやすみ!」
「うん。おやすみ」




