次の魔法
「水球」
パチャッ
「おー!出来てるね!」
「……おめでとう。」
「みんなありがとね。」
「……うん。」
「先生は次、何を試していきますか?」
「どんなのが良いのかな?」
「うーん、少し待ってもらえますか?」
「うん。」
(「フェル、その空間って借りられる?」)
(「ここっすか?大丈夫っすよ。」)
(「ありがとね。」)
(「はいっす。ただ、何をするんすか?」)
(「中級の魔法を見せるだけだね。多分。」)
(「それだけで終わらなさそうっすね。まぁ、無駄に広いっすから適当に使って良いっすよ。」)
(「ありがとね。」)
「先生、少し聞きたいんですが実際に見た方が判断するのに良いですよね?」
「まぁ、そうだね。」
「それなら少し移動しても良いですか?」
「そのくらいは問題無いよ。」
「良いんですね。分かりました。」
「えっ?あ、」
「停止 ツヴァイ」
「メリにも使うの?」
「フェルに場所を借りたから一応だね。」
「そっか!」
「うん。牢を使うよ?」
「うん!」
「牢」
(「それじゃあ借りるね。」)
(「見てるっすね。」)
(「うん。天使は離した方が良いと思うからね。」)
(「分かってるっすよ。」)
「解除」
「何も居ないんだね!」
「天使を離してもらってるからね。流石に天使を見られるのは困るから。」
「そうだね!1人ならまだ大丈夫だと思うけど、たくさん居るとだめだね!」
「うん。まぁ、1人でもダメな天使も居るけどね。」
「居るね!もっとセンと会えばいいのにね!!」
「本当にね。もっと関係が深くなったところも見たいんだけどね。」
「無茶を言うっすね。」
「どうやって来たの?」
「ここは俺の自由に出来る空間っすよ。……邪魔な奴らが居なかったら。」
「自由の範囲広くない?」
「広いっすよ。でも、あいつらが居たせいで狭かったんすよ。」
「それは可哀想だけど、先輩ともっと会わないの?」
「俺にとって数年はあって無いようなものっすよ?その感覚を簡単に変えられるわけが無いっす。」
「うーん、先輩が他の人を好きにならないならそれでも良いんだけどどうなんだろ?」
「私はないと思うよ!」
「そう?」
「うん!センは家族とかそんな感じの好きは多くなると思うけど、そんな相手を恋愛的に好きにはならないと思うからね!」
「一目惚れみたいなのはありそうだけど。」
「ないとは言わないよ!でも、基準がフェルになってると思うから大丈夫だと思うよ!」
「フェル……まぁ、多分大丈夫かな?」
「たぶんだけどね!」
「それなら、急がなくて良いから楽しませてね?」
「……なんだか嫌っすね。」
「それなら早くする?それはそれで良いよ?」
「……長い見せ物になるっすよ!!」
「「アッハハ!!」」
「……」
「……それじゃあ離れるっすよ。」
「バイバイ!」
「はいっす。」
「解除」
「待っ、て?」
「どうしました?」
「……ここはどこなのかな?」
「……聞きたいんですか?」
「…………聞きたくないかな。怖いから。」
「それが賢明な判断ですよ。」
「……」
「……ソル…ここって…t…アレの所?」
「うん。知ってるなら普通に連れて来ても良かったね。」
「……そこまで……聞いて無い。」
「そうなんだ。まぁ、何も居ないから大丈夫だよ。」
「……良かった。」
「………メリちゃんでもそんな反応になる所なんだね。」
「……うん…ここは私が……来るような所……じゃない。」
「…………リーソル君、魔法を見せてもらっても良いかな?」
「良いですよ。土壁。これは土の防御の魔法ですね。」
「普通の壁だね。これだけでも強力そうだね。」
「まぁ、便利ですよ。」
「便利……」
「はい。足場にしたり出来るので。」
「この壁を足場で使うの?」
「そうですね。ただシルとかが相手なら意味が無いんですよね。このくらいだと。」
「シルちゃん以外には使えないのかな?」
「使えるんですが俺は風とか氷の方が良く使いますね。2人は使うの?」
「足場とか目隠しとかで使うね!」
「……ほぼ使わない。」
「普通が分かりにくいですね。まぁ、次は土棘。」
カンッ
「少し見覚えがあるような気がするね。」
「土槍。これですか?」
「それだね。」
「まぁ、土槍の1本だけって感じの魔法ですね。土属性は守りがメインだと思うので少し微妙かもしれないです。」
「微妙なのかな?急に出てきたら怖いと思うよ?」
「この存在を知らないならそうかもしれないですね。まぁ、おまけと考えたら十分ですね。」
「おまけとは考えられないかな?」
「そうですか?土段、土囲、解除。こんなものとかと比べるとおまけになりません?」
「ならないかな?」
「そうなんですね。この2つについては見たままですね。」
「うん。」
「土属性はこんな感じですね。」
「強力そうだね。」
「まぁ、そうかもしれないですね。」
「次は風壁、風道。風の防御ですね。風道の方が範囲は狭いですがその分強力なものも防げます。」
「風壁の方は使い易そうだけど、風道は私に扱えるのかな?」
「出来ると思いますよ?まぁ、風壁だけでも良いと思いますが。」
「そうなんだね。」
「はい。攻撃は……これで良いですかね?」
「それは鹿で良いのかな?」
「そうですね。普通の鹿の魔物ですね。」
「魔物……」
「どうしました?」
「迷宮の外で見ないから少し驚いた?だけだよ。」
「あー、迷宮にしか居ないんでしたね。」
「うん。まぁ、一部の例外はあるけどね。」
「そうですね。」
「風球、風矢。」
ザッ
「こんな感じで威力は低めですね。その分視認性も低いですが。」
「低めって言っても当たったら大変そうだね?」
「まぁ、戦闘だと大きなダメージになると思いますね。」
「そうだよね。」
「はい。」
「この2つから選んだ方が良いと思いますよ。」
「私もそう思うよ!使いやすくて、ジュサの適性も高いみたいだしね!」
「魔法については隠した方が良いんだよね?」
「そうですね。ただ俺自身が隠し切れるか分からないので気にしすぎなくても良いですよ。」
「それなら風属性にしようかな。」
「土でも良いですよ?」
「私には風属性の方が合ってると思うからね。」
「それならこれですね。」
「これは?」
「中級の風属性についての本ですね。さっき使った魔法以外も載ってますよ。」
「そうなんだ。ありがとね。」
「はい。」
ブックマークや評価、いいね等が投稿へのモチベーションになるのでして頂けたら嬉しいです。




