自室
「それじゃあ俺は部屋に行きますね。」
「私も行くよ!」
「うん。」
「ジュサも来てよ!」
「私?」
「うん!お兄ちゃんはいい?」
「俺は大丈夫だけど…」
「ジュサは?」
「まぁ、大丈夫だよ。」
「じゃあ行こ!」
「うん。」
ガチャッ
「おー?船の見た目からするとおかしくないですか?」
「大きさがおかしいんだよね。この船って。」
「…高性能ですね。」
「そうだね。」
「先生、少し聞いても良いですか?」
「良いよ。」
「先生ってどうして教師をしてるんですか?」
「私が強くないからだよ。」
「強くないですか?先生は十分強いと思いますよ?」
「シルちゃんみたいな本当に強い人とは全然違うよ。」
「私?そんなに変わらないよ?」
「私の勝手な推測だけどシルちゃんは本気を出してないよね?」
「……ジュサは?」
「何も隠して無いよ。前に本気を出せたとは言えないけど…出す前に負ける程度だよ。」
「それでも強いと思いますよ?」
「確かに強い方ではあるけど、それだけなんだよね。迷宮で安全に安定して生活するのは難しいけど教師なら安定してて比較的安全だからね。」
「学校があれだけ上位を優遇してるのは迷宮が理由ですか?」
「うん。強さが1の人が100人居るよりも100、いや、50が1人居る方が上にとって都合が良いんだよね。」
「分からなくはないですね。俺が複数居るよりもシルが1人居る方が良いですし。」
「お兄ちゃん…」
「リーソル君、これも私の勝手な推測だけど私よりも強いと思うんだけど…?」
「俺がですか?」
「うん。」
「どうしてそう思ったんですか?」
「シルちゃんのお兄さんだからが1つ目だね。」
「あー、それは関係無いですね。俺はシルの義理の兄なので。」
「そうだったの?!」
「そうですよ?そこまで驚く事ですか?」
「あー、言われてみたらそこまで驚くことでは無いかもしれないね。」
「そうですよ。」
「うん。次が余裕があるというか…危機感が少ない感じがするんだよね。」
「それはどうでも良いからですよ。俺が死んだとしても。」
「………最後が衝撃波を使い慣れていない気がするんだよね。」
「使い方が下手なだけですよ?」
「うーん、上手く説明出来ないけどいつもとは違う戦い方な気がするんだよね。」
「剣を使いますよ?」
「それはそうかもしれないけど…いつもは何か他のスキルを使って戦ってると感じるんだよね。」
「……そうですね。普段とは違いますよ。」
「お兄ちゃん!」
「どうしたの?」
「音!」
「あ、防音。ありがとね。」
「うん!」
「先生はどんなものだと思いますか?」
「うーん、空翔とか?」
「……すみません、どんなものですか?」
「空を走る感じのだね。」
「便利そうですけど違いますね。」
「それなら地生とかかな?」
「どんなものですか?」
「地面から柱みたいなものを生やすものなんだけど、違うみたいだね。」
「そうですね。答えを言うと念力ですね。」
「念力?良いスキルではあるけど…」
「道具で強化されてるんですよ。生き物も対象ですよ。」
「うーん、それでも装備を含めると厳しいと思うけど…」
「先生そこのベッドに乗ってもらえますか?」
「うん。」
「10分の1、念力。」
「わっ!」
「解除。こんな感じですね。」
「これは強いね。」
「そうですよね。」
「うん。」
「ただシルには対処されそうですけどね。」
「……それだけならね!」
「…本当にシルちゃんは対処できるんだね。」
「…うん!」
「どうs、…ごめんね。」
「隠してる理由ですか?別に問題無いですよ?」
「お兄ちゃん、いいの?」
「うん。説明した方が良いですか?」
「お願い出来るかな?」
「はい。俺の親はある国の上の方の立場でした。」
「……ごめんね。国って何か聞かせてもらっても良いかな?」
「え?……えーと、ネプトって何が統治してるんですか?」
「普通に管理協会だよ?」
「…大陸全土がそうですか?」
「そうだよ?それに島もだね。」
「……えー、国は管理協会みたいに統治してるものだと考えて下さい。」
「うん。」
「そこに居たんですが政争に負けて逃げて来た感じですね。それと遊びですね。」
「………リーソル君は辛くないの?」
「……辛いですがそのうち戻れると思いますから俺は大丈夫ですよ。シルは…」
「私は戻ろうと思えば戻れるから問題ないよ!それよりもお兄ちゃんが…」
「………俺が原因でもあるからね。」
「そんなことないよ!元々の原因はあっちだよ!」
「……そうだとしても、っと、先生こんな話をすみません。」
「私は気にしなくて良いけどリーソル君が本気で辛そうだからもう話さなくて良いよ。」
「……分かりました。」
「2人はどこから来たのか聞いても良いのかな?」
「大丈夫ですよ。とは言っても俺も南西の方ってことくらいしか知らないですね。」
「南西ってこれから向かう島の方だよね?」
「そうですが島からも大分遠いと思いますよ。」
「そうなんだね。」
「はい。迷宮っていうものもこっちに来てから初めて知りましたからね。」
「えっ?無いの?」
「俺が知ってる限りはありませんね。シルはどう?」
「私もないね!」
「………私にはあるのが当たり前だから衝撃的だね、、、、」
「俺達は逆ですね。生き物が物に変わるのは意味が分からないですよ。」
「えっと…魔物は居ないの?」
「居ますよ。」
「え?迷宮が無いんだよね?」
「そうですね。」
「どこに居るの?」
「その辺に居ますよ?」
「危なくないのかな?」
「まぁ、街の近くは基本的には大丈夫ですよ。離れたところだと…俺は分かりませんね。シルは分かる?」
「そもそも動物が危ないからね!その延長線上でしかない感じだね!」
「動物って危ないの?」
「戦力がどこにでもあるわけじゃないからね!」
「えーと、アレが無いところもあるの?」
「小規模な村とかならあるみたいだね!全員できるわけじゃないからね!」
「そうなんだね。」
「うん!」
「アレって聞いても良いのかな?」
「あー、まぁ、拡げないなら良いと思いますが…シルはどう?」
「同じ感じだね!ジュサはなくても強いからそんなに拡がるとも思えないからね!」
「そっか。先生、どうしますか?」
「拡げなかったら良いだけなのかな?」
「そうですね。一般に広がってるものではありますから…まぁ、何も無くても良いですね。」
「お兄ちゃんいいの?」
「そのうち拡がるだろうから別に良いかな。いつかは分からないけどね?」
「そっか!」
「うん。」
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