初めての命令
「………」
「………」
ガチャッ
「2号入りなさい。」
「わかった。」
ガチャッ
（珍しいね。これまでの1ヶ月の間にユヤアさんだけって無かったと思うけど何かあるのかな？）
（「フェル、今までユヤアさんだけが行ってことってあったっけ？」）
（「俺は見てないっすよ。」）
（「珍しいよね。」）
（「そうっすね。別におかしなことも…そんなに無いっすよ。」）
（「何があるの？」）
（「前のウィンが行かなかった日みたいになってるっすね。」）
（「うーん、よく分からないね。」）
（「そうっすね。他は…普通っす。」）
（「うーん…」）
（「来そうっすよ。」）
（「分かったよ。」）
ガチャッ
「来なさい。」
「分かりましたよ。」
「………は？」
「どうしたのかしら？」
（シトノが拘束されてる？流石におかしいね。まぁ合わせてみようかな。）
「………シトノ？」
「そうよ？」
「…ユヤアさんは？」
「ヴォグ。」
「はい。」
「こっちに居るわよ？」
「………」
（偽物ではあるんだろうけどなんなんだろ？精密すぎる気が……）
「……それで、何の用ですか？」
「選択肢をあげようと思ったのよ。」
「………何のですか？」
「どちらを助けるかよ。助ける方に近づきなさい。」
（うーん、先の方はユヤアさんなんだろうけど後の方は何なんだろ？まぁ、良いかな。どうせ偽物だしね。）
トントン
「そっちなのね？」
「そうですよ。悪いですが当たり前ですよ。」
「そうなのね。」
「そうです。なので早くしてもらえますか？」
「良いわよ。2号を助けるのね。シトノさんは可哀想ね。」
「は？」
「どうしたのかしら？1号が選んだのでしょう？」
「……何を使ったんですか？」
「特別なものは何も使ってないわよ？」
「…そうですか。まぁ、早くしてくれますか？」
「ヴォグ。」
「はい。」
トントン
「………ソル…」
「……シトノ、、、」
「……ユヤアを選ぶんだね。」
「……俺はs、」
「…バイバイ。」
「………」
ガチャッ
「………もう良いですか？」
「えぇ。良いわよ。」
ガチャッ
（「ソルは気づいてたの〜？」）
（「偽物なのは分かってたけど正体は何かは分からない感じだね。」）
（「やっぱり気づくよね〜」）
（「部屋に入る前にフェルと話しててそれでおかしいところはユヤアさんが拘束されてることだけって聞いてたんだよね。」）
（「それは気づかない方がおかしいね〜」）
（「うん。まぁ、その前に何かあればこれで連絡してくるよね？」）
（「そうだね〜」）
（「それから…悪意もあったんだよね。騙そうとする感じの。」）
（「全然騙せてないね〜」）
（「俺を騙そうとするなら悪意を完全に隠さないと基本的には無理だね。」）
（「それは無理じゃないかな〜？」）
（「今のところ出会ったことはないね。」）
（「そうだよね〜」）
（「うん。」）
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