過去と現在
(「パートム、あの空間を使うよ?」)
(「あぁ。何かあればあの部屋に行けば良いか?」)
(「お願いできる?」)
(「そのくらいなら問題無いぞ。」)
(「ありがとね。」)
(「あぁ。」)
「騎龍人×15。行きましょうか。」
「うん!」
「これで…はい。」
「うわぁ…!!綺麗……」
「本当に綺麗ですね。」
「うん、綺麗…他に思いつかない…」
「それで良いんじゃないですか?この景色に多くの言葉は無粋ですよ。」
「確かにそうかもね。」
「はい。」
「宇宙かぁ……」
「宇宙?」
「この星の外のことらしいですよ。」
「星?」
「詳しくは聞いてないので知りませんが陸地とか海とかの今歩いたり飛んだりで行ける範囲がこの星ですかね?」
「誰から聞いたの?」
「フェルですよ。昔は宇宙にも行ってたみたいですよ。」
「昔……」
「昔ですよ。今は色々と違いますよ。フェルも。」
「そうだね!!」
「はい。」
「それにしても星はキレイですね。」
「え?星?」
「そうですよ?あの光ってるものは星だけ…かは知りませんが多くは星らしいですよ。」
「…ここくらいの大きさもあるのかな?」
「超えてるものもたくさんありそうですよ?」
「……世界って思ってたよりも圧倒的に大きいんだね。」
「そうですね。まぁ、ここは現実では無いですけど。」
「あっ、忘れてた…」
「あははっ、ここは再現ですよ。」
「え?再現って現実と違うの?」
「今までにこんな感じの景色を見たことありますか?」
「ここまでは無いけど似たような景色なら…」
「そういうことですね。」
「広いね…」
「これでも全体からすると極々一部らしいですよ?」
「………想像も出来ないよ…」
「俺も大して変わらないですよ。そもそも想像出来たところで変わらないと思いますし。」
「それはそうかもね。この星ですら全然知らないしね!」
「はい。でも、いつかはあの星に行けるかも知れませんよ?」
「…楽しみだねっ!!」
「まぁ、俺はあそこには行きたくないですけど。」
「え?どういうこと?」
「あの光ってる星って数千度とか数万度とかの星もあるらしいですよ?」
「……生きられなくない?」
「俺はもしかしたら?」
「人間は?」
「パートムなら可能性くらいは?」
「うーん、ボクなら?」
「ノーコメントです。」
「別に言って良いよ?!ボクも分かってるからね!?」
「まぁ、人間には厳しいと思いますよ。でもこんな空間を作れるんですからなんとでも出来そうじゃないですか?」
「そうだね!!こんなおかしな空間を作れるならいつかは行けるかもね!!」
「はい。その時は俺も楽しみです。」
「ボクも楽しみだね!!」
「………」
「………」
「そろそろ戻りましょうか。」
「え?いつの間にこんな時間になってたんだろ?」
「なんだか集中してましたね。」
「色々想像してたんだけど…」
「それだけ集中してたんですね。」
「そうみたいだね!」
「それじゃあ戻りますか。」
「うん!」
(「部屋に戻ったから伝えておくよ。」)
(「分かった。」)
「おやすみなさい。」
「おやすみ!」
(なんだか色々あった1日だったね。まぁ、そんな日もあるよね。)
パチャッ
「アハハハッ!!」
「あっははっ!!」
「ソルおはよう〜!」
「………水s、」
「待って!!」
「どうしました?」
「今何使おうとしたの?!」
「え?ただの水深ですよ?」
「超級をそんな使い方されても困るよ!?」
「別に死にはしませんよ?」
「物は?!」
「戻せば良いだけです。」
「周りの人は?!」
「あー、正城。これで良いですか?」
「良くないよ!?」
「えー、それなら水槽。」
「風城!風壁!」
「風壁!」
「風壁〜!」
「液体、それっ!」
「曲がっ、」
パチャッ
「これなら良いですか?」
「……良いけど良くないよ!!」
「問題無いみたいですね。」
「……」
コンコンッ
「起きてるか?」
「起きてるよ。えーと、うん。入って良いよ。」
「?分かった。」
ガチャッ
「えー……何があったんだ?」
「お兄ちゃんが珍しく私たちよりも起きるのが遅かったから水をかけたんだよね!」
「シル達はソルが反撃でもしたのか?」
「うん!防ごうとしたら曲がって来て当たったんだよね!」
「曲がって?」
「防音。液体魔法だよ。全然使わない魔法だね。」
「そういえばあったな。」
「あるだけなんだけどね。水魔法を使おうとしたら先輩に止められたから代わりに使ったんだよ。」
「水魔法で止める……ソルは何をしようとしたんだよ…」
「普通の魔法だよ?」
「センスト?」
「水深ですよ!」
「…室内で使うような魔法じゃないだろ。」
「パートム閣下!屋外でもこんな街中で使う魔法じゃないですよ!」
「…感覚が麻痺してたな。街どころか外でも簡単に使うものじゃないな。」
「そうかな?」
「そうだろ。」
「まぁ、そうだけど。」
「先にこれを渡しておくぞ。」
「これは…近衛の資料?」
「新しい近衛のだな。軽くではあるがまとめてある。」
「分かったよ。使うことがあるのか分からないけど。」
「まぁ、暇つぶしに読んだら良いだろ。」
「そんな扱いで良いんだね。」
「あくまでメインは指揮官とか俺とかだからな。」
「それじゃあこれはおまけ?」
「まぁ、そうだな。」
「分かったよ。それなら暇だったら読むよ。」
「あぁ。」
「そういえば誰からしようって言い出したんですか?」
「誰ってわけじゃなくてそんな空気?からだよ!」
「俺が起きてないだけでそんな空気になるんですか?」
「私が先に起きたことってないと思うよ〜?」
「ボクもだよ!」
「私もないかも?」
「……確かに無いかな?いや、シルは家ではどうだったか知らないけどね?」
「それはそうだけどここに来てからないからね!」
「まぁ、色々あったからね。いつもは勝手に目が覚めるんだよね。」
「色々?」
「警戒したりとかですね。その後は…はい。最近は特に意識してないので今日みたいになったのかも知れないですね。」
「…間に何があったの〜?」
「シイだよ?まぁ、勿論ありがたい方が強かったけど。」
「…シイって言われてもその辺のシイの考えはわからないよ〜?」
「俺が寝てる時は常に起きてたよ。」
「…寝てなかったの〜?」
「シイが自分で俺にそんな感じのことを言って来たんだけど、どうだと思う?」
「……寝てないだろうね〜」
「だと思うよ。どんな時間に起きても起きて側に居たからね。眠そうな感じも見せて来なかったよ。」
「…毎日〜?」
「えーと、一部の例外を除いてはそうだったよ。」
「例外〜?」
「パートムが近くに居たりとか。」
「…体調崩さなかったの〜?」
「俺には分からないかな。仮に崩しても俺には見せないようにしそうだし。」
「……今よく離れてるね〜」
「まぁ、ここ数年はセインとセヴァンがメインだし、万が一にも風邪を移すことが嫌なんじゃないかな?」
「それはそうかもね〜」
「そういえばソルはえー……1月30日って空いてるか?」
「空いてるけど何かあるの?」
「少しな?だから空けておいてもらえるか?」
「分かったよ。」
ブックマークや評価、いいね等が投稿へのモチベーションになるのでして頂けたら嬉しいです。




