誕生
「うぅん…?ここは……?何なんだ…?」
(うーん…薄暗い部屋だね。ここは…どこだ?あ、え?自分の事も分からない?記憶に靄がかかっているみたいだな。どうしたものか……)
(確認しようかな。えっとぉ…?この部屋には扉が1つしか無い…窓に関しては1つも無いね。扉n、)
ガチャッ
(誰か入って来た?姿からすると研究者だな。)
「目が覚めたようだな。」
「ここは何処でお前は誰だ。」
「ここはとある田舎だ。そして私はただの研究者だ。」
(何も分からんな。それに鈍器やナイフを持って近づいて来てるが何をするつもりだ?嫌な予感しかしないんだけど……怖いよぉ……)
「何をするつもりだ?」
「実験だ。」
(実験…?グッ!……ん?俺を貫通して床に当たったの?直撃したと思ったんだが…?詰めてみるか。)
「何をする!!」
「ただの実験だ。」
「ただのだと?」
「そうだ。」
「ちっ……」
(何も分からないね。うーん……)
(今度はナイフを持って近づいて来たね。やはり切りつけて来たか。これも貫通していったね。あの男は…紙に何かを書いているのか?記録?出ていくみたいだね。ついて行きたいな……)
バチッ
(ちっ、見えない壁のようなもので弾かれたね。少なくとも今は外に出れないかな。紙も持って行ったし確認出来ないね。)
(何も出来ないし俺について確認しようかな。半透明で少し浮いてる…ゴースト?)
(記憶を改めて確認しようかな。えっと……物や言葉は分かるけど記憶はやっぱり無い?やな感覚……)
(でもこの世界ではステータスっていう色々な情報が書かれたものを確認できるみたいだね。まずはこれから確認してみようかな。)
魂
レベル1
G
MP100 最大100
力0
魔50
速20
スキル
実体化 1 CT 72時間 5秒 腕 MP70
ガチャ ノーマル 1回100 p レア1回1000p
0p
称号
非物質 実験体
(ゴーストではなく魂?記憶が無いし確実ではないけど魂なんてものは居なかった気がするんだけど…)
(とりあえず記憶と照らし合わせながら内容を確認してみるようかな。まずはレベルは何かをすれば上がるもので上がるとスキルや魔法と言われる特殊な力を使用できるようになったり身体能力が上昇したりする……しかしどうすれば上がるのかは分からない…意味無いなぁ…)
(G?なにこれ?まぁ今は良いや。)
(力、魔、速はそのままの意味で身体能力、魔法などに関する力、速さなんだね。MPはスキルや魔法を使うのに必要…魔法?は知らないけどガチャ?には要らないのかな?試さないと分からないね。試せないけど。)
(実体化は1度使うと72時間経たないと再び使用できない…効果は5秒間腕を実体化させることが出来てそれをするにはMPが70必要……使いにくいなぁ…あるだけマシだけどね。)
(ガチャについては…よく分からないね。ただpという何かを使って何か出来る感じなのかな?多分だけど。)
(称号に関しては効果はよく分からないけど非物質は魂だからで実験体はあの男に実験されてるからなのかな?腹が立つな。)
(今出来ることは実体化くらいだね。ならこれを試そうかな。)
(実体化…MP70が減って腕が実体化?して物を持てたけど書いてある通り5秒で元に戻って物が落ちたね。このままだと使えない気がするね。)
(これからどうしようかな……あいつは居ないし少しこれからどうするか考えてみよっと。)
(とりあえず今ある情報をまとめると…俺以外の事は全然分からないね。俺自身のことも分からないけど。)
(これからどうしようかなぁ………情報を集めたいけど……媚びを売る?嫌なんだけど。いや、でも売ったほうが良いかもしれないです……アレに媚び?あり得ないな。………ん?俺の中に何かいる?……分からないね。仕方ないから媚を売ることも視野に入れながら情報を集めようかな。)
(時間が分からないね。もう1日くらい経ったのかな?陽の光も入ってこないから時間感覚がおかしくなりそう。)
ガチャッ
「俺が起きてどのくらい経ったの?」
「そんなことどうでも良いだろう。」
「どうでも良いなら言えると思うが?」
「27時間だ。」
(俺の感覚と大体合ってるね。)
「そうか。それで何の用だ?」
「お前の種族は何だ?」
「ゴースト。」
「そうか……」
(信じてる?どうなんだろ?ここで媚を売ったほうがいい気が………やっぱり俺の中?に何かあるね。仕方ないかな。)
「嘘だよ。」
「嘘だと?」
「そうだよ?お前が何を研究してるのか知らないけどタダで情報を渡したくないからね。俺の安全にも関わるし。」
「お前の種族次第では安全を保障する。」
「……魂だよ。」
(((o(*゜▽゜*)o)))
「本当か?!」
(食いつきが良いね。このまま本当のことを言えば良さそう。)
「本当だよ。お前が何を研究してるか知る手段とか無いから信じてくれる?その反応的に成功なんだろうし。」
「信じよう。」
「それなら安全を保証してね?」
「その代わりに研究に協力してもらおうか。」
「……それで良いよ。でも確実に保証してね?」
「約束しよう。」
「それなら良いよ。」
(何かを隠すのが得意ってわけでは無さそうだからこれから研究…実験に付き合ううちに情報を引き抜いていきたいね。その後は……今考えても仕方ないかな。)
「ここは何なの?」
「地下室だ。それ以上のことを知る必要は無い。」
「それなら…お前の研究って魂に関することなの?」
「魂の抽出法と性質の検証だ。」
「それだけ?魂を使って何かしたいとかじゃないの?」
「そんなことに興味はない。そんなことに時間を使いたくもない。」
「そうなんだね。ところで魂の抽出って何なの?」
「そのままだ。」
「そうじゃなくて…どうやったの?俺の記憶にはそんなこと出来たって記憶が無いんだけど。それとも俺が知らないだけで普通にあるの?」
「あるわけないだろう。あるのであれば俺も苦労しなかったからな。興味も湧かなかっただろうが。もしも他に同じ研究をしてる奴がいるのであれば会ってみたいな。」
「なんで?自慢したいから?」
「そんなわけ無いだろう。研究の成果や経緯の共有をしたいだけだ。」
「俺にも教えてくれない?面白そうだから。」
「良いだろう。 まず現時点では純粋に生物から抽出する事は不可能だ。魂というようなものに干渉は出来るが維持することが出来ないからな。」
「純粋じゃないなら出来るの?」
「あぁ。1体から抽出しただけでは耐えきれなくてすぐに消えるが複数から抽出して合わせると長く保つことが分かったからな。」
(複数…)
「どのくらいの数がいるの?というか俺はどのくらいなの?」
「153だ。」
「153……」
「勿論それだけだと足らないが。」
「何をしたんだ?」
「古代の道具を混ぜただけだ。人類にとって貴重な物だが別にどうでも良いな。そんな事よりも魂の維持の方が重要だ。」
「貴重か……まぁ良い。」
「ところでお前は同じ人格なのか?それとも別か?」
「さぁな。俺にも分からん。ただ何かおかしいことだけは分かるが。」
「どんな状態なんだ?」
「俺が考え事をしてたら何かが勝手に割り込んで来る……そんな感じだ。」
「主人格は何だ?」
「さぁ?そもそも違う人格なのかも知らないからね。」
「そうか。」
(記録してるね。)
「もう戻るの?」
「確認に来ただけだからな。」
「そっか。それじゃあね。」
「あぁ。」
ガチャッ
(本当に色々話してくれるんだね。暫くはこのままかな。)
(そろそろ俺が起きてから1ヶ月だね。)
(この間に分かったことをまとめようかな。まずは食事や睡眠が必要無いこと。次に…これは多分だけどガチャのpは生物を殺すと手に入る。小さな虫を実体化を使って殺すと1p貯まってたからね。それから……あの男が魔法を使って来た。魔法はナイフとかの物理的なものと違って俺にダメージが入ったね。痛みは無かったけど。それにそのダメージは時間の経過で回復したから今は問題無いんだけどね。)
(現時点ではまだ出られそうに無いね。まぁ良いや。慎重に進めていこ。)
(そろそろ3ヶ月だね。その間はアイツがよく分からない実験をして来たな。男は満足そうに記録してた。…腹立つなぁ。)
(それから俺に複数の人格があるとすれば俺が主人格なんだろうね。他に最低2人分はあるけど。とりあえずは出て来ないこうに抑えておこうかな。邪魔だし。)
ガチャッ
「実体化しろ。」
「分かったよ。」
バチャッ
(赤い液体をかけてきたけど……何が起きたのかな?うーん…)
ガチャッ
(あ、アイツが出て行ったね。うーん……ガチャのpが100増えてて1回使えるね。実体化が使えるようになってから使おうかな。)
(使えるようになったしガチャを使ってみようかな。ノーマルを1回っと。)
(青色の光…?光の中に何か……凄い毒々しい紫色のガラス瓶が出てきた……明らかに毒って感じだね。まぁ使えそうな物で良かったよ。これで殺せるかも。)
(失敗したら……まぁ良いや。死んだら死んだときのことだね。)
ガチャッ
(アイツが来たね。いつも通りを意識しないと。)
(よし。こっちを見てないし動きも少ない…今なら実体化してガラス瓶を当てられそうだね。それっと!)
ガシャっ
「ぐあぁぁっ!」
(よーし。ちゃんと当たったね。)
ドンッ
(倒れたね。えーと、死んでるね。まぁ、これまでのお返しは出来たかな?あとはステータスの確認をしてから動こうかな。)
魂
レベル3
G
MP70 最大140
力0
魔70
速30
スキル
実体化2 CT 72時間 7秒 腕 MP70
ガチャ ノーマル 1回100 p レア1回1000p
2505p
称号
非物質 実験体 下剋上
(レベルが3になってるね。あとはpが2500増えてて称号に下剋上ってものも追加されてるね。……あいつの下の扱いだったのはなんとも言えない感じだけど…まぁ良いや。)
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カクヨム様にて投稿をして頂いてます『運任せの旅?』の1話です。元々の1話と比べてここが読みにくいとか読みやすくなった等を教えていただけるとありがたいです。