裏路地と脅迫
夜になったから、紙を置いてパートムの家を出てきた。
ここは、大通りに近いから、さっさと移動しようかな。
裏路地に入って少しすると、音が聞こえて、そっちから、5人の集団が現れた。
「よぉー、こんな時間になにしてるんだぁ?」
(あからさますぎるなぁ。相手から攻撃してくれた方がいいからいいけどね。まぁもし、一般人でも空間魔法で片付ければいいだけなんだけどね。一旦弱そうに話してみようかな。)
「喧嘩して、家から出てきたら迷ったんだよ。お兄さん達は?」
(こんな設定でいいかな?とりあえず防御の準備だけはしておこう。)
「俺たちはなぁ、ここで道案内してるんだ。よかったら、案内してやろうか?金は、いらんぞ。」
(どこに案内してくれるんだろうなぁ。まぁ案内してくれるって言ってるし、付いて行ってみようかな。)
「いいの?」
「おう。いいぞ、ここは俺たちの庭だからな。」
(どんどん大通りから、離れて行ってるなぁ。だろうなって感じだけど。)
そこから、しばらくついていくと、そこには、怪しい建物が存在していた。
「ここは?」
「ここはなぁ、物を売り買いするところなんだ。悪いけどちょっと寄るぞ」
(うーん。多分、物じゃなくて者なんだろうなぁー。どうしようかなぁ。付いて行ってどうなってるかだな。)
「わかったよ。」
そのまま部屋に通された。少ししてから少し豪華な服の人が来て、お茶を出してきた。
(うん。多分麻痺毒とか何だろうなぁ。耐性で防げるかなぁ?まぁ最悪、憑依を解除すればいいから、飲んでみるかな。)
「これは?」
「お客様にお出しするお茶ですよ。」
「飲んでいいの?」
「どうぞ」
「ありがとう」
(睡眠毒だったけど、耐性で防げるくらいだったね。寝たふりでもしようかな。)
「寝たか?」
「まぁ、あれだけがっつり飲んでて起きてられるわけないでしょう。」
「それでこいつは、どのくらいの金になるんだ?」
「3金貨ですね。」
「まぁ、それでいいか。」
(3金貨かぁ、安いなぁー。1人売ってそんな物なのか?まぁ、低い金額で買ってるだけだと思うけど。さーてそろそろ帰りそうだし、倒そうかな。じゃあまずは、ドアを塞ぐか。大きさの調整をした土壁でいいか。)
「土壁」
「何だ!」
「誰だ!」
「誰だろうね?」
「おまえ、何で起きてるんだ」
「何でだろうねー。」
「チッ!」
「殺せっ!」
とそう男が言った瞬間剣が4本こっちに向かってきた。
念力でイスをそいつらにぶつけて、バランスを崩させる。
「ぐぁぁ!何だ一体!」
そのまま続けて、短剣を投げて1人に突き刺す。その短剣と、そいつの持ってたいた、剣で他の2人を斬る。もう2人も混乱してて何もできないまま斬っておわった。
(ドア閉じる必要なかったなぁ。全員殺せたか確認してと。 うん。大丈夫だね。)
「お前は何者だ?」
(高圧的に話そうかな。)
「わ、私は、ここの主人です。」
(おぉ、トップだったか。それはいいね。)
「ここでは何をしてるんだ?」
「ここでは、人の売買をしてます。」
「ふーん。あいつらとの関係はなんだ?」
「アイツらは、人さらいです。アイツらが連れてきた人を買い取っていたんです。」
「どのくらいここに今いるんだ?」
「ここには、今20人くらいです。」
(うーん。どう利用できるかなぁ?)
「誰に売ってたんだ?」
「それは……」
(貴族とかかな?)
「誰だ?」
「それは、言えません。」
「何故だ?」
「あの方に逆らうと自分だけで済まないからです。」
「ふーんまぁここを隅々まで調べたら、少しくらい情報も出るか。出なくても別に問題はないがな。」
(ついでに来ただけだからなぁ。)
「あぁそれと。俺を買うだとか、何とか言ってたよな?」
(脅して、契約魔法でしばれたらいいな。)
「まぁどうせ家族とかを人質にされてるんだろうが、俺が調べたらお前が何者かなんて出てくるからな。」
(実際はそんな事ないんだけど、まぁ騙されたらいいなぁ。)
「で、相手は誰なんだ?これが最後の質問だぞ。」
「サースライナー公爵です。」
(公爵かぁしかも南の方かぁ。まぁ本当かわからないけど。)
「サースライナー公爵は、何を買ってるんだ?」
「それは、よく分からないです。人では、ありますが基準も理由も、わからないです。」
(うーん。分からないし本当のことを言ってるかわからないから、契約させるか、受け入れないなら始末しよう。どっちみちここから漏れることはないし、空間魔法使っていいか。)
「おい、少しそこで動くなよ。」
「はい…」
(よし、できた。)
「待たせたな、お前は、これを受け入れるかどうか、判断しろ。受けるのなら、殺さないでやる」
「これは?」
「契約魔法だ。これは、一方的に破棄することは、できない。」
「これはッッ!!」
「何かあったか?」
(まぁあるだろうけどね。だって内容が俺に嘘をつかなくなって、逆らうこともできなくなる。命令したら、どんなことでもする。そしてこの契約と俺に関する事の一切を俺以外の誰にも伝えられなくなる。)
「これは余りにも!」
「まぁ受けなかったら、さっさと殺して、お前に関することを調べに行くけどな。」
「さて、どうする?」
(まぁ正直どっちでもいいけど、受けてくれたら駒が手に入るから嬉しいな。)
「………受け入れます。」
「ならば、そこに名前を書け。偽名を使ったら分かるからな。」
(よし、魔法がちゃんと発動したな。)
「さて、ここまで話したことは、本当か?」
「本当です。」
「じゃあ始めなんで公爵のことを言わなかった?」
「予想通り、家族が人質になってるんです。妻と娘が公爵領か、公爵の他の領地に囚われてるんです。」
「何が目的なんだろうな?」
「分かりません」
「ここにはどんなのがいるんだ?」
「王都の人間だけです。」
「どうやって、従えてるんだ?」
「力や魔法を封じる道具が存在しているんです。それをつけた状態で、痛めつけたり、脅迫したりするんです。」
(へー。反抗されそうだな。)
「大物の客は、いるのか?」
「いえ、いないです。」
「じゃあ今日は、帰るからここは、これまで通り経営しておけよ。」
「わかりました。」




