条件
コンコンッ
「入っても良いか?」
「どうぞ。」
「ありがとな。」
ガチャッ
「全然来れなくて済まんな。」
「問題ありませんよ。陛下は私には出来ない事をなさっているのですから。」
「セインもそうだがな。シイも元気そうで良かったぞ。」
「陛下こそお元気そうで何よりにございます。」
「セヴァンも元気か?」
「元気ですよ。少しだけなら歩けるようにもなりましたよ。」
「それは良いね。今度2人を連れて来ようかな。」
「是非呼んでくださいね。」
「そうだね。俺よりも気にしてそうだからね。」
「シイ、みんなは元気?」
「元気ですよ。変化と言えば、タルクとジンクが寮に来た事ですね。」
「え?あの2人が?大丈夫なの?」
「大丈夫になってるんですよ。どちらもマシになってると言うか、そんな感じですね。」
「あれを…凄いね。」
「そうですね。みんな驚いてましたよ。」
「そうだろうね。」
コンコンッ
「セイン様、入ってもよろしいでしょうか?」
「大丈夫ですよ。」
「失礼します。」
ガチャッ
「渡してくれた?」
「渡したぞ。ただ、流石にあの量は少し時間がかかるみたいだな。大体500万で1時間らしいぞ。」
「じゃあ2時間かぁ、どうしようかなぁ。」
「寮でも行くか?」
「あっ、寮で思い出したけど、預けてた獣人の2人はまだ居るの?」
「居るぞ。」
「ハレイに渡せる?」
「そのうちならいけるぞ。」
「それなら、お願い。」
「分かった。」
「サースライナー地方って今どうなってるの?」
「まだそこまで変わってないな。」
「そっか。そういえばアレってどこで見つけたの?」
「アレは南南西の方だな。他には特に無かったぞ。」
「まぁ、あったら言ってるよね。」
「そうだな。」
「ここで話す事でも無いと思うが、西側諸国との戦いはどう進めていくんだ?」
「うーん、相手が余程の何かでも持って無い限り負けないと思うけど、相手は理解してるかな?」
「理解はしてるだろうが、降伏するかは分からんな。」
「主要な国って5つで合ってる?」
「教皇領を含めてそうだな。」
「これを使って聞いた感じだけど南東、南西の2つは利益で考えてそうなんだよね。あとは北西は本心は知らないけど、民が大事って感じなんだよね。この3つはなんとか出来そうだよ。」
「北東はどうなんだ?」
「うーん、ここは信仰心が高い感じなんだよね。王太子とかの考えは分からないけどね。」
「そうか。」
「うん。ただ、あくまで宗教に対しての信仰であって教皇に対してはそこまでみたいだから、教皇とその周囲に全責任を押し付けたら、もしかしたら受け入れるかも。」
「そうか。北東以外は大丈夫そうなのか?」
「多分ね。南東と南西は戦いたく無い感じだからね。北西は受け入れないのなら、滅ぼすって言えば多分大丈夫だね。」
「条件はどうするんだ?」
「うーん、東の方は大陸中央部の割譲かな。南西は南の沿岸部から200キロメートル、北西は北の沿岸部から200キロメートルの割譲かな。」
「受けるのか?」
「受けなかったら潰すしか無いね。」
「まぁ、それで良いなら良いが。今伝えるか?」
「そうだね。とりあえず3つの大国に伝えてもらえる?」
「分かった。期限はどうする?」
「1週間だね。」
「短く無いか?」
「まぁ、降伏しなくても混乱させられるからね。」
「それはそうだが、まぁ良いか。」
「うん。」
コンコンッ
「どうぞ。」
「失礼します。」
ガチャッ
「とりあえず、どこも保留って感じだな。」
「まぁ、普通の対応だね。」
「そうだな。北東はどうするんだ?」
「うーん、面倒だし伝えようかな。道具ある?」
「これだな。」
「ありがとね。えーと、ここか。」
『どちら様ですか?』
「ウィンヴァーだ。貴様は誰だ?」
『ウィンヴァー、様?私はフルニクです。』
「王を呼んで来い。」
『……』
「どうした?わざわざ、我が連絡してやってるんだぞ?」
『…お伝えしますのでお待ちください。』
「1時間までならな。それを過ぎると知らんぞ。」
『…ありがとうございます。』
「礼儀の『れ』の字も無いな。」
「まぁ、わざとそうしたからね。それに一応格下ではあるからね?」
「王と皇帝ならそうなんだが、別に配下って訳じゃ無いからなぁ。」
「そうなんだけどね。正直、ここまで手を抜いてたのは技術を手に入れる為だしね。」
「それはそうだな。期待以上のが来たしな。」
「…あれは驚いたね。」
「…そうだな。」
「え?今何分経ってるの?」
「15分なんだが、早すぎないか?」
「うん。とりあえず、出るね。」
「あぁ。」
「ウィンヴァーだが、王が来たのか?」
『そうだ。ニアランド王コルビルネだ。』
「そうか。初めに要求を伝える。大陸中央部の割譲、その次にこの戦争の原因の教皇とその周囲を捕える事を邪魔しない事だ。」
『……』
「情報が入ってるか知らんが教皇側の切り札は潰したぞ。それに領内で戦ったんだ。その話くらい聞いてるよな?」
『…聞いている。分かった、受け入れる。』
「そうか。それならば、とりあえず領内に撤兵しろ。その後の事は教皇が終わってからだ。」
『分かった。』
「じゃあな。」
「忘れてたけど、あの報復の対象になった街ってあの国の勢力圏だったね。」
「そうだな。今考えれば、あれで戦力も削られたんだろうな。」
「兵のいる所を狙ったんだからそうだね。」
「あぁ。」
「空になってたぞ。」
「ありがとね。じゃあ、帰るよ。」
「あぁ。」
「セイン、シイ、今度2人を連れて来るよ。」
「お待ちしてます。」
「はい。」
「ただいま。」
「おかえり!」
「シトノ、少し聞いても良い?」
「何を〜?」
「前に食事したよね?スライム食べた時。」
「あるね〜」
「あそこって持ち帰れるの?」
「出来たはずだね〜」
「ありがとね。」
「どのくらい持って帰るの〜?」
「うーん、3つ以上かな。」
「お金あるね〜」
「まぁ、使わないからね。」
「羨ましいね〜!」
「そんなに使うの?」
「税とか食事とか日用品とかいろいろ買ってるからね〜」
「ザラシエが?」
「そうだよ〜」
「…ザラシエだけ税の免除したらどうなるんだろうね?」
「ここは帝国じゃないよ〜?」
「……本当に?」
「え?そうだよ〜?」
「……どうだろうね?」
「え?」
「ここって大陸の中央部だよね?」
「そうだよ〜?」
「防音。」
「なんで防音〜?」
「この国との間に仮ではあるけど停戦協定?降伏条約?が結ばれて、その条件が大陸中央部の割譲なんだけど、どう思う?」
「………」
「ついでにお金も大量にあるって事になるんだよね。」
「……媚は売らないよ〜?」
「まぁ、売られても買わないけどね?」
「……」
「仮にも騎士に任命してるし別に免除でもなんでも良いけどね。」
「………ザラシエはお願いしたいね〜」
「それは良いけど、シトノは良いの?」
「…ソルにそんな感じのを受けるのは要らないかな〜」
「……関係無い事話すよ?」
「何〜?」
「帝国って、皇帝に絶対的な権力があるんだよね。それに前に抗議?に来たのを弾圧した事もあるよ?」
「………本当に関係無いのかな〜?」
「関係無いよ?……何も無ければね?」
「………謝らないからね〜!!」
「うん。謝る必要は無いよ。鬼」
「え?」
「水球。」
パチャッ
「こうなるからね?」
「………」
「まぁ、本当の事を言うと別にどうでも良いからね?」
「ソルは個人は消して無いんだよね?」
「そうですね。個人はですけどね。」
「シトノは個人だよね?」
「まぁ、今現在はそうですね。」
「良かったね!」
「そうだね〜」
「そういえば、誰に持って帰るの?」
「パートムとシイとセインですね。」
「元気だった?」
「元気そうでしたよ。」
「それなら良かったよ!」
「そうですね。それと見ては無いんですが、タルクとジンクが寮に居るらしいですよ。」
「えっ?!お兄ちゃんそれ本当なのっ?!」
「シイが言ってたよ。」
「それなら、本当なのかな?」
「分からないね。」
「そこまで驚く何かなの〜?」
「うんっ!!性格が真逆で来た日の挨拶の途中で戦いになってたくらいだよっ!」
「物騒だね〜」
「うん!」
「ついでに話すと、変身、こっちの姿にタルクってのは斬りかかって来たんだよね。」
「……それって皇帝?」
「そうだよ。」
「……えーと、言葉が出てこないよ。」
「そうなるよね!!」
「うん。」




