狩りの続き
「すごい音がするよ!」
「えーと、俺も聞こえるね。羽音かな?」
「そうだね!」
「うーん、数分かる?」
「1匹かな?たぶんだけどね!」
「それなら大丈夫かな。」
「どうだったらダメなの?」
「多分これ、蜂なんですよ。それで、魔物になったのが普通の蜂なら良いんですよ。毒とか強化はされますがそのくらいなので。ただ、女王蜂や巣が魔物になった場合は1メートルくらいの蜂が数百から数千匹になるんですよ。」
「……怖っ!」
「ですよね?」
「うん!それに巣って魔物になるの?」
「別に動物に限らないみたいですよ?ただ、確率は限りなく低いみたいなのでほぼ無視されてます。」
「そうだったの?なら、寮がなったりもするの?」
「まぁ、無いとは言えないですが、1兆年経っても無いでしょうね。」
「そうなんだね!」
「はい。なので巣は大丈夫だと思いますよ。…まぁ、女王蜂はあり得る確率ですけどね。」
「怖っ!」
「そうなんですよね。まぁ、駆除出来るところは見つけ次第潰してるみたいですよ。」
「…出来ないところは?」
「……場合によりますね。人がそもそもほぼ行かないところなら、近づかないようにする感じですね。まぁ、そのうち人のところまで来ると思いますが。村とかなら、放棄するしか無いですね。」
「……そのうち来る?」
「はい。魔物になると、蜂の場合は大きさと毒と顎の力と飛行距離の強化と寿命や環境への耐性が大きく上がるんです。なので、どこかの島とかで発生した場合は……」
「……確率的にあり得る事なの?」
「はい。というよりも、確率的には今現在どこかで起きてない方がおかしいです。」
「……」
「まぁ、とりあえずあれを倒しますか。毒が強いので俺が倒しますね?」
「……」
「あれ?レイトさん、倒しますね?」
「はい。お願いします。」
「分かりました。」
タンッ
(うーん、欲しいところばかりだね。)
「10倍」
ドンッ
(動けないみたいだね。なら、首を)
ザンッ
(毒はあるから殺しても全く油断出来ないね。それに少しなら動く可能性もあるしね。)
(えーと、顎と羽と毒針…内臓は邪魔だね。それと、魔心石だね。出来たね。)
「先輩、大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。ただ、言葉が出て来なかったよ。」
「まぁ、なんとでもなりますよ。」
「そうなの?」
「はい。あくまでも蜂なので、雪属性でも大量に降らせれば弱くなりますよ。安全では無いですが、まぁ対処は出来ますね。」
「そっか!」
「はい。なので大丈夫ですよ。……この国は。」
「……他は?」
「西も大丈夫だと思いますよ。北も大丈夫な可能性はあります。中央は、来る事が少ないと思うので気にしなくても良いですね。南は、うーん、分からないですね。無理とは言いませんが、大丈夫とも言えませんね。」
「そっか。」
「はい。まぁ、他の方角の方が多いですからね?」
「そうだね!」
「今日はそろそろ休みますか。」
「うん!」
「氷壁 フュンフツィヒ、幻影ベッド」
(「シイ、何かあったら遠慮なく起こしてね?」)
(「分かりました。」)
「おやすみ。」
「おやすみ!」
(「陛下」)
「何かあった?」
「猪がさっき突撃して来たよ。」
「分かったよ。えーと、今は5時だね。なら、俺は起きるからシイは寝てね。」
「うん。」
(あれかな?一応倒そうかな。)
「風弾 ツェーン 付与 麻痺毒」
ドンッ
(えーと、猪はまぁ良いかな。魔心石だけ取って、終わりっと。)
「おはよう!」
「おはようございます。」
「あれ?なんだか地面荒れてない?」
「猪が居たんですよ。」
「猪?それはどうなったの?」
「倒しましたよ。流石に危ないですしね?」
「そっか!」
「はい。まぁ、正直弱かったですよ。」
「まぁ、当たったらやばいからね!」
「そうなんですよね。なので無視も難しいんですよね。」
「そうだよね!ボクも使うから分かるよ!」
「あー、使われましたね。今ならあれですけど、あの時は厄介でしたよ。」
「そうだろうね!」
「はい。頑丈なんですよね。」
「うん!」
「先輩、鳥で探してもらえますか?」
「分かったよ!鳥!」
「ありがとうございます。」
「うん!」
「あー、居たけど猪だね!倒す?」
「うーん、とりあえず無視で良いですかね。」
「分かったよ!」
「狐が居るよ!」
「鳥で本物か確認出来ますか?」
「うん!……体に当たったんだけど、」
「本物ですか?!珍しいですよ?」
「珍しいんだろうけど、嬉しくは無いねっ!」
「そうですか?まぁ、なんでも良いですよ。どこなんですか?」
「あっちだね!」
「分かりました。あっ、注意点があるんですが、そのレベルの狐だと、ある程度実体を持つ幻を使って来ますよ。」
「え?幻影魔法みたいなの?」
「実体があるので、壁などで簡単に防げますよ。」
「なら、まだマシかな!」
「そうですね。俺の幻影魔法と念力の組み合わせよりはよっぽど楽ですよ。まぁ、情報でしか知らないのであれなんですけどね。」
「そっか!」
「はい。」
「見えましたね。皆さんはここに居てくださいね。あと、シイと先輩は守りお願いしますね?」
「うん。」
「ソルから?」
「俺の攻撃の衝撃からですかね?まぁ、多分そこまでだと思いますよ。」
「…まぁ、守りはするよ!」
「よろしくお願いします。」
ダンッ
(頭は消えても仕方ないね。胴体と尻尾の方が欲しいからね。)
「10倍」
トンッ
「雷槍 フュンフツィヒ」
ドカァァッッン!
(えーと、まだ生きてる…)
「氷槍 フュンフツィヒ」
ザクッ
(流石に死んだね。うーん、魔心石と適当に胃で良いかな。あとは尻尾だね。出来た。)
「戻りました。影響どうでした?」
「影響は音以外はほぼ大丈夫だったよ!それよりも2回目の氷槍はどうしたの?」
「あれ、まだ生きてました。」
「……あれをくらって?」
「はい。しっかりと頭に当てたんですけどね。その直前で幻でも使われたんですかね?」
「分からないね!」
「まぁ、俺も雷槍が邪魔で見えなかったですからね。」
「そうなんだね!」
「はい。」
「あー、それと先輩これ要ります?」
「大きくない?」
「あのサイズですからね。」
「え?じゃあ、アレは?」
「アレは動物がなったものでは無いので、いろいろと違うんですよ。」
「そうだったんだ…」
「学校でしないんですかね?」
「うーん、もしかしたら今年やるかもね!」
「そうですね。それでどうします?」
「どっちにしても今持てないよ!」
「分かりました。なら、これに入れておきますね。」
「うん!」
狐は1割が本物です。




