賊と苦戦
次の朝、街を歩きながら、この後のことについて話していた。
「夜よく眠れた?」
「寝れたよ!」
「それなら良かったよ。これから先の場所は、戦いが激化した影響を受けて、治安が悪化してるらしいからね。今まで以上に警戒していかないとね。」
「わかったよ!しっかりと警戒するよ!」
そのまま少し道を歩いて行くと、道の脇の木の裏に人影が見えた。
(怪しすぎるなぁ。ここまでだと罠かと思うくらいだね。ただ動き的に罠では、なさそうだから、準備しておかないとね。)
シュンと風を切る音が両側から聞こえた聞こえた瞬間、
「「風壁」」
シルが左側に、俺が右側に風壁を発動して、飛んできた矢を撃ち落とす。そのまま、新たに魔法を発動する。
「風球」
風で相手を切る魔法を使った。殺しきれては、ないけどとりあえず動けそうにはなさそう。あと4人いる。
「風矢」
見えにくい風の矢を飛ばして、相手の動きが他より速かった奴の妨害をしつつ、短剣を取り出して、まだ動けていない相手の1人の腕を斬り飛ばした。痛みでもがいていた。
他より動きの速かったやつに向かって
「火矢」
火で、できた矢を飛ばして、相手の肩に当てた。それの周りではが広がり、相手の首などが燃えだして、もう最低でも戦えないので次に行くと、その時残りの2人が矢を射ってきた。
「風壁」
それを風の壁で防ぎつつ、近づき短剣で斬りつけた。反応はしてきて殺しきれては、ないけど深く傷を与えて動けなくした。最後の1人は、もう逃げていた。
「風球」
まぁ逃す意味がないので、風球で後ろから切った。
それでも逃げ出そうとしていたから、短剣で首を突き刺して殺した。
今までの5人のうち、1人はもう死んでいて、ほかの4人は、動けてなかったから、短剣を刺して確実にトドメを刺した。
シルの方を見ると、あと1人で終わるところであった。と見ている間に終わった。
「シル、お疲れ様。」
「お兄ちゃんもね!」
「シルの相手してた奴らは、今どうなってるの?」
「魔法で相手の攻撃を受けたり、躱したりして近づいて剣で切ったから、多分全員このままでも出血で死ぬとおもうよ!」
「そっか。なら確実にとどめを刺しておこうか。」
「おっけー!じゃあ刺してくる!」
「じゃあこいつらの武器や持ってる物を回収しようか。」
「わかったよ!じゃあ集めてくるよ!」
(大丈夫だと思ってたけど、予想してたよりもシルが何も思ってなさそうでよかったよ。無理もしてなさそうだし。じゃあ回収してこよう。)
「結局少しの武器と、少しのお金くらいしか持っているもので価値のあるものはないね。」
「確かに!後どのくらい治安が悪いところが続くの?」
「後1週間あれば街について、街なら少しは安全だよ。ただ街でも今までよりは警戒しておいてね。」
「わかったー!」
それからは、1日で3回以上は襲われた。
「多いねー!」
「本当にね。疲労は溜まっていくから、気をつけないとね。」
「そうだね!気をつけよー!」
そんな時、道の前から人が歩いてきた。
「警戒してね。」
「おっけー。」
と警戒しながら進んでいった。
そしてすれ違う瞬間に、剣が飛んできた。
「風道」
風で剣を横にずらして攻撃を躱す。
それと同時にシルが、「火槍」と言って、火の槍を飛ばした。が相手は躱した。
「土段」
「土棘」
俺が地面の1部を低くしたと同時にシルが、その低くなった地面から棘を生やし相手を狙う。
しかし、相手は、ジャンプして棘を避けた。そのまま相手が、俺に近づき剣を振るってきた。後ろに下がり避けながら、
「闇煙」
相手の視界を制限する魔法を使った。
そのまま無言で火の槍を飛ばした。安定感は、言葉を言った方がいいけど、言わなくても発動はできるからね。
その火の槍は、相手に少し火傷をしただけで躱された。
が、シルが相手の着地する地面を低くすると、相手は少しバランスを崩した。その瞬間を狙って、水のを相手の上から落として、地面を柔らかく、踏みにくくした。が、相手はそれでも倒れずに低い地面から出てきた。
そして、相手は、剣を持ってると思えない速度で俺に向かって走ってきた。しかも闇煙も切れてしまったので、こちらをしっかりと見ながら来ていた。
火の壁を複数発動するが、その壁を剣で切り裂きながら近づいてきた。
どうしようもないから、剣で受けたが、威力を殺しきれず後ろに吹き飛ばされていた。
(しょうがないかぁー。まぁ他にだれもいないし、いいか。)
そのまま相手が近づいてきていた。
そして、近づいてきた瞬間に火の槍を投げて、その槍を斬られると同時に、相手の頭上から、空間魔法で大きな岩を落とした。さすがにそれには膝をついていた。それでも潰れてはいなかった。
そのまま追いついてきたシルと挟むようにして、
「「火槍」」
と2つの火の槍が動けない相手の前後から、命中する。
それでもすぐに倒れることはなかったがしかし岩をどける力もなかったらしく、そのまま攻撃を加えていたら、倒れ、岩に潰された。
それでも死んだかは、分からないから、警戒しながら、岩を退けたがそこには、倒れた相手がいた。空間魔法で回収できたから、死んだことがわかった。
「やっと終わったね。」
「とりあえずお兄ちゃんは、ポーションのんでね!」
「わかったよ。」
「それで何者だったんだろうね!」
「うーん。分からないけどありそうなのは、貴族の関係の何かだと思う。」
「まぁ、あの強さの人間を無意味に使い捨てることは、無いと思うから、何か目的があったのかなぁ?」
「まぁとりあえずさっさと進もうか。」
「わかったよ!」




