戦力とこれからの話
「けど、他の戦線に行かないの?」
「そうですね。正直言って元々過剰戦力なんですよね。」
「そうなの?」
「はい。数で言えば、こちらが5万で相手が3万ですね。まぁ、これは小鬼が2万ある影響ですね。」
「そこまで過剰なの?」
「数よりも質ですね。海からは、パートム曰く鬼10人分に匹敵するらしい鯨が50匹居ますね。北は後ろに置いてますが、吸血鬼300人。西には鬼が100人。北西には俺とパートムと鬼のトップなんですよね。」
「鬼って1人でどのくらいなの?」
「うーん、普通の兵なら100人分とかですかね。分かりませんが。」
「えーと、なら海が5万人分で西は1万で吸血鬼ってどうなんだろう?」
「30人分は超えそうですね。」
「じゃあ30人分でいいかな。9000人分、北西は…何万なんだろうね?」
「普通の兵だと何人でも負けないと思いますよ?」
「北西は除いても、6万9000人分と5万で11万9000人分くらい?」
「まぁ、鯨は沿岸部だけですけどね。」
「それでも確かにこれは過剰だね!」
「そうですね。ただ、互いに普通じゃないのが居ますからね。」
「被害あったの?」
「こちらの普通じゃないのは、無いと思いますね。敵は多分、最高戦力が捕まりました。」
「…更に差が広がってない?」
「そうですよ?だからこそ帰って来たんですよ。」
「通常の兵の被害は、どうなの?」
「北西だけしか分かりませんが良いですか?」
「うん!」
「分かりました。こちらの被害がだいたい人が100人小鬼が1000人ですね。相手は、1万近くだと思いますね。」
「誰が戦ったの?」
「鬼のトップですね。占領で数が必要だったので出来るだけ温存してたんですよ。」
「…勝つだけだったら、要らないの?」
「まぁ、消し飛ばすだけならそうかもですね。ただ、それだと利益が少ないので。あっ!」
「どうしたの?」
「利益で思い出したんですが、絶対に降伏しないと予想してた敵の主要都市が降伏したんですよね。」
「…まぁ、それが正解だろうね!」
「否定はしません。もしも受けなかったら、今頃無かったと思いますね。」
「……危なすぎるね!!」
「そうですね。まぁ、もう消す事は無いですよ。」
「住民からしたら助かったね!!」
「そうですね。超級魔法をえーと、20発くらい撃とうって考えてたので、助からなかったでしょうね。」
「怖っ!」
「そういえば、言う機会が無かったけど、シル、マーキー達を呼んでるんだよね。」
「えっ?!どうしたの?!」
「まだ何も無いよ?」
「まだ?」
「……セイン、シイごめんね。」
「陛下…私は大丈夫です。」
「私もです。それに無条件で始まる事は無いですよね?」
「そうだね。ただ、基本受け入れないと思うよ。」
「どのような条件なのですか?」
「領地の移動に権限の制限それに税の3割だね。」
「権限とはどのようなものですか?」
「今考えてるのだと、税の調整権、軍の保有の制限、それに諸侯同士の婚姻の制限などだね。」
「それは、受け入れないでしょうね…」
「あぁ。殺すつもりでは無いが巻き込む事はあり得る。」
「そうですか。ただ、仕方ないですよ。陛下は悪くありません。」
「そうか?セインとシイからすると、悪いと思うが。」
「陛下は、今言う必要がない事を言ってくださいました。それだけ考えていただいてもらってますからね。」
「考えてはいるが…」
「私は、陛下はそのような大きな事で無意味な事はしないと思います。何か理由があるのですよね?」
「シイ…そうだな。前は異種族を理由にしたが、その程度なら今の状態で何も問題無い。」
「余裕で勝てるの?」
「そうですね。適当に鬼と吸血鬼でも置いて、その後ろで兵を集めていれば良いだけです。」
「なら、どこが脅威なの?」
「西側諸国です。」
「西側諸国?そんなになの?」
「はい。あそこは1つの宗教でまとまる事があります。その場合は、スペックでいえば負けてます。実際にどうかは分かりませんね。」
「戦いにどうしてなるの?」
「少し前にトップが変わったらしいんですよ。その人の考え方が簡単に言うと、人間至上主義です。それで俺は種族よりも従うか、敵対するかで対応を変えます。そこに種族は関係ないです。」
「…真逆なんだね?」
「そうなんです。それに、向こうは大陸中央で拡大してます。どうしても敵対するんです。避けようと思うと、従属でもすれば出来るかもしれませんね。」
「ソルは絶対に無いよね?」
「当たり前ですね。負ける気は無いですが、もし負けそうでも俺は最後まで徹底抗戦すると思いますね。」
「だよね!まぁ、ボクも従属なんてしたく無いね!!」
「そうですよね。まぁ、俺はする気は一切無いですね。」
「うん!」
「それで、ホーペンス公爵家が邪魔な場所にいるんですよね。」
「そうですね。前線の近くですね。」
「そうなんだよね。それに、王家に権力を集中させるつもりです。」
「それは、他の家からもですか?」
「そうだね。特にハトジケ公爵家だね。あの川は絶対に抑えるべきだからね。」
「そうですね。」
「出来る事なら貴族から権力を奪いたいんだよね。」
「どうしてなの?」
「相手は別の国なんですよね。それでこの国は1つです。有利なのはまとまってる方なんですが、貴族が権力を持っていると、その有利性が薄れるんです。」
「そうなんだね!」
「はい。それに権力を1人が持つのと、複数人が持つのだと、決定のスピードが違うんですよね。」
「そうだね!1人で決められる方が圧倒的に早いよね!」
「そうですね。まぁ、実際に1人では無いですけどね?」
「それはそうだね!」
「はい。」
「それと、これはシル以外だね。もう1つ謝るよ。」
「何に関してなの?」
「おそらく、今の獣人みたいなのが増えます。」
「…そっか。」
「…仕方ありませんよ。」
「……」
「まぁ、どうなるか分かりませんけど、おそらくそうなります。」
「……人間もですか?」
「そうだね。そこで対応を変えるつもりは無いね。」
「……分かりました。」
「逆に相手は人間以外は無条件でそうなるからね?」
「……」
「俺は従うのなら、あんな感じにはならないよ。まぁ、従わなかったら…」
「……」
「一応言っておくと、ホーペンス公爵家とチョウゴ侯爵家にするつもりは無いからね?」
「それは分かっています。大丈夫です。」
「そっか。」
(「ソル、川の西側を殲滅したぞ。」)
(「早いね。パートムが潰したの?」)
(「俺もだが、普通の鬼がたくさん倒してたな。」)
(「そっか。東は?」)
(「そっちは6割にいかないくらいだな。」)
(「分かったよ。じゃあ、サースライナー公爵家とザフキス公爵家と鬼も引き連れて、制圧してもらって良い?」)
(「あぁ。」)
(「それと、もしも何か技術的に進んでいる物があれば取って来てね。」)
(「あぁ。」)
「陛下、どうしたの?」
「パートムから戦況の連絡だよ。」
「どうなってるの?」
「西は終わったね。東も6割にいかないくらい制圧してるみたい。西と北西の部隊で中央を制圧するみたいだよ。」
「もう少しで終わりそうだね!」
「そうだね。まぁ、そこから領地の整理とかもあるけどね。」
「そっか!」
「うん。」




