開戦
「陛下、お時間です。」
「分かった。」
「用意は出来てるか?」
「大丈夫です。」
「終わったら、すぐに憑依して移動するぞ。」
「隠さないのですね。」
「そうだな。知られていないスキルや魔法もこの世界には数多くあるだろうからな。なんとでも言い訳出来る。」
「そうですね。まぁ、着いた後は一応隠れて出てもらいますよ。」
「あぁ。あれは流石に面倒だからな。」
「はい。」
「本日は我らが国王陛下から重要なお知らせがある!心して聞くように!」
トントン
トントン
「我は国王であるウィンヴァーだ。今日は2つ話す事がある。1つ目はザフキス公爵家は我に従った!これで1歩平和に近づいた!」
うぉぉぉ!!
「そして!もう1つは最後に残ったリアスト公爵だ!ここが1番害がある!逆に言えば、リアスト公爵を打ち倒せば一気に平和に近づく事になる!故に我はリアスト公爵を討伐する事とした。皆、協力してくれるか?!」
うぉぉぉ!
「パートム、行くぞ。」
「はい。」
(「テンウ、今からそこに行く。」)
(「どうやってだ?」)
(「見てれば分かる。」)
(「そうか。まぁ、分かった。」)
「テンウ、来たぞ。」
「本当に来たな。」
「あぁ。土囲」
「解除。」
「増えたのか?」
「あぁ。そう言うスキルだ。」
「そうか。まぁ、良い。いつ出るんだ?」
「パートム、他はどうだ?」
「問題ありません。」
「そうか。それならば、3時間後くらいだな。」
「分かった。」
「テンウ、頼むぞ。」
「あぁ。」
「1つ目の町はどうだ?」
「降伏したぞ。」
「そうか。パートム、指揮官を選んでくれ。それに王家の兵1000を預ける。」
「承知いたしました。」
「2つ目はどうだ?」
「ここもだな。」
「そうか。ここまでの被害はどうだ?」
「小鬼は100。人は10。軽傷は数えていない。」
「そうか。なら、人500と小鬼1000だな。パートム。」
「承知いたしました。」
「3つ目はどうだ?」
「拒否した。」
「分かった。俺がする。」
「あぁ。」
「風竜 フュンフ」
ボォォンン
「終わったな。跡地に小鬼1500だな。」
「承知いたしました。」
「次は街か。どうだ?」
「降伏したぞ。おそらくさっきのが見えたんだろう。」
「そうか。被害はどうだ?」
「小鬼150。人30だな。」
「そうか。ならば、人が500。小鬼が1500だな。」
「承知いたしました。」
「4つ目だな。どうだ?」
「降伏したな。」
「そうか。500ずつだな。」
「承知いたしました。」
「5つ目はどうだ?」
「降伏したな。」
「そうか。人100。小鬼1000だな。」
「承知いたしました。」
「6つ目はどうだ?」
「拒否したな。」
「分かった。」
「風竜 フュンフ」
ボォォンン
「ここは、人200。小鬼1300だな。」
「承知いたしました。」
「2つの街か。どうだ?」
「拒否したぞ。」
「分かった。」
「風竜 ツェーン」
ボォォォンン
「被害はどうだ?」
「小鬼が700。人が70だな。」
「人が50。小鬼が2000だな。」
「承知いたしました。」
「7つ目は?」
「降伏したぞ。」
「分かった。人500。小鬼1000だな。」
「承知いたしました。」
「8つ目はどうだ?」
「拒否したぞ。」
「分かった。」
「風竜 フュンフ」
ボォォンン
「ここは人200。小鬼1000だな。」
「承知いたしました。」
「次は、3つ目の街か。どうだ?」
「降伏したな。」
「そうか。ここはっ!風城 ドライスィヒ!」
ドガァン!
(「パートム、来たかな?」)
(「おそらくな。」)
(「テンウ、おそらく相手の最高戦力だ。強いぞ。」)
(「あぁ。分かった。」)
「お前は何者だ?」
「侵略者に名乗るような名は無い。」
「そうか。まぁ、反逆者には合っている配下だな。」
「反逆者だと?!」
「それ以外の何者だ?王である我を殺そうとする者を。」
「僭王を打ち倒す者は反逆者では無い!」
「我を僭王というか。意味の分からない事を言うな。我がもしも、王を騙る事をしたとするなら、そこのパートムが処理するだけだろう?それともパートムが自らの利益のために王を騙る事を許すと言うのか?」
「するかもな。実際に利益が出てるわけだしな。それに1度近衛を辞めさせられてるだろ。」
「そんなわけ無いだろう。あれはパートムが希望した事を先王が叶えただけの事だ。」
「それならば何故この場にいる?1度辞めたのなら、戻らないだろ。」
「そんな事はない。それに戻った理由なら我が頼んだからだ。前から我の事を気にしてくれていたからな。それともこれを嘘と言うのか?」
「戻ったのはここ最近だろう?それまでは本当の王だったんだろ?」
「頼んだ理由が情勢が不穏になったからだ。それまでは、パートムの希望を出来る限り尊重していただけだ。しかし、どこぞの公爵を筆頭に我に対し反抗的で危険になったから頼んだんだ。実際に複数回、侵入を許してるからな。」
「不穏になったのが理由なら、もっと早かっただろう。」
「パートムに頼まなくても大丈夫なくらいだったというだけだ。他にも強い者はいる。その程度の事で言いがかりをつけてきたのか。くだらんな。」
「仕方ない、説明してやる。」
「ほう?聞いてやろう。説明するが良い。」
「俺が中心に調べた事だ。王は獣人に殺された。2代続けてな。」
「そんな言葉なら何の意味も無いが?」
「これを見てもその言葉を言えるか?」
「何だ?念力。絵か?」
「違うな。それは古代の技術のその場の事を紙に残す事ができる写真と言われるものだ。その場面を見ても何か言えるか?」
「こんな物か、簡単だな。ただの影武者だな。実際に殺されたのは確かだな。ただ、これを持っているのは犯人くらいしか無いだろう?反逆者以外の何があるんだ?」
「違うな。それは調べている時に獣人から手に入れた物だ。」
「獣人か。そのような物を持っているはず無いだろう。」
「何故そのような事を言える?」
「そんな物があるのなら街に撒けば良い。あの状況でそれをしない意味が無い。それを撒かれていたら戦意は大きく落ちていただろう。しない理由でもあるのか?」
「価値が高いからだ。そんな数は無い。」
「その1枚でも影響は大きかっただろう。何故しない?」
「残念ながらそこまでは分からないな。」
「ならば、証拠にはならんな。他に何かあるか?」
「仕方ないな。反逆者と言うのは認めてやる。」
「そうか。それで?」
「起きた事を話してやる。」
「ほう。話せ。」
「この写真がある理由はそうだな。犯人だからだ。」
「だろうな。それで?」
「これを出さなかった理由は、これ以上のものがあったからだ。」
「何だ?」
「死体だ。」
「影武者のか。言いたい事は分かった。死体は奪還したからな。まぁ、影武者なんだがそれでも影響が大きそうだったからな。」
「本物だな。」
「どうしてそのような事を言える?」
「確実に本人だからだ。」
「何故?」
「近衛のトップが裏切っていたからだ。」
「それが本当なら、本物なんだろうな。ただ、ゴシャタが裏切る事は無いな。」
「裏切る事もある。」
「どんな時だ?」
「人質だ。」
「そうか。まぁ、それならば無いとは言えんな。だが、裏切っていたとしても、我は生きているぞ?」
「偽物が生きているな。」
「偽物という証明をしないのか?」
「……」
「出来ないのか?やはりつまらんな。」
「…仕方ないか、全て話してやる。」
「そうか。聞いてやろう。」
「先代の王も獣人に殺されたな?」
「どうだろうな?」
「否定はしないんだな。」
「既に死んでいるのは変わらないからな。そんな話に時間をかける意味が無い。」
「まぁ、良い。普通にやっても殺せるわけが無い。」
「そうだな。まだパートムのいた時だろうからな。いなくても厳しいだろうが。」
「厳しいだけだ。そいつがいなければ出来る。」
「まぁ、そうかもな。それで?」
(「パートム、落ち着いてね」)
(「…あぁ。分かってる。」)
(「それなら良いよ。」)
「そいつが辞めるように仕組んだ。7年くらいかけた計画だからな。失敗しない。」
「時間だけかけても意味ないな。パートムを辞めるように仕組めるものでも無いだろう。」
「本当にか?」
「本当だな。」
「やった事を聞いても同じ事を言えるか?」
「聞かないとなんとも言えんな。」
(「パートム、殺さないようにね?」)
(「…そうだな。殺す事は無い。」)
(「それなら良いよ。」)
「俺がそいつの家族を殺した。そいつがそれはどの想いを持っているのは分かったからな。それも任務の最中に殺して、近衛では無ければ、と考えるようにした。」
「永遠牢獄」
シュン
「捕らえたのか?」
「はい。」
「そうか。」
(「生きてるよね?」)
(「あぁ。切り札の1枚を使った。」)
(「そっか。まぁ、名前からしてそうなんだろうとは思うけどね。」)
(「そうだな。」)
降伏するかと、この名前の無い奴が来るかは割合です。




