戦争の話
「陛下、よろしいでしょうか?」
「あぁ。少し離れる。」
「分かりました。」
「ここで良いか?」
「はい。なぜ、さっき話したのですか?」
「確認しておきたかったと言うのが大きいな。おそらく、あと数ヶ月もすれば戦いが始まる。と言うよりも、そうしないと脅威に間に合わん。」
「そうですか。」
「あぁ。細かい事はまだ決まっていないが、速くしなければ間に合わんだろうな。さっきはああ言ったが、実際には長くても10年あるかどうかだろうな。」
「そうですか。」
「あぁ。確認については、いざとなればセンを殺す必要があるからだな。俺はセン程優しくは無い。殺す事は出来る。」
「なら、何故捕らえないのですか?」
「ドラゴンに関しての情報を出来る限り漏らしたく無いからだ。もしも捕らえて、そこを調べられたら、使えない事がバレるかもしれん。それは避けなければならん。」
「そうですか。」
「あぁ。さっきは明言は避けたが、反乱に関わった者は、死んだ方が良いと思うようになるだろうな。そして、それを街でするだろう。」
「陛下は、大丈夫なのですか?」
「あぁ。俺は平気だろうな。セインは止めたいか?」
「……どちらとも言えません。止めたい気持ちもありますが、これからの事を考えると…」
「あぁ。その子にこれをさせるわけにはいかんだろ?」
「…そうですね。させたくは無いですね。」
「だから、しないといけないな。」
「分かりました。私は、出来る限り協力いたします。」
「ありがとな。感謝する。」
「いえ、陛下にその役目を押し付けているだけですよ。」
「セインには違う事を押し付けているからな。お互い様だろうな。」
「ふふっ、そうですね。」
「あぁ。」
「ただいま戻りました。陛下。」
「ご苦労だったな。」
「いえ、想定よりも簡単でしたよ。」
「そうか。それなら良かったな。」
「はい。」
「契約書は?」
「こちらですね。」
「あぁ。ありがとな。」
「はい。」
「ゴシャタ、しばらく頼むぞ。」
「承知いたしました。」
「聞いていたが、雰囲気がすごかったな。」
「そうだね。」
「それで、どこから潰していくとかあるのか?」
「北方かな。王家の鉱山が北にあるんだよね?」
「そうだな。」
「北方ってもう1つの候補だったところだよね?」
「あぁ。そうだな。」
「そこは戦力自体は少なめだよね?」
「そうだな。農業に向いていないのもあって人が少ないからな。ただ、武器は充実してるな。まぁ、問題無いな。大義名分はどうするんだ?」
「王家の鉱山を勝手に掘ったとか偽装できない?」
「まぁ、出来るだろうな。相手の勢力圏にあるからな。」
「ただ、軍の数を動員してもそこまで意味ないよね?」
「まぁ、山が多いからな。大軍を動かすのは厳しいな。」
「うーん、ハトジケ公爵を動かせる?」
「いけるだろうな。被害も出てないからな。」
「そっか。なら、先に数で陽動に使おうかな。少数で敵の後ろから、挟撃して倒したいね。」
「なら編成どうするんだ?」
「うーん、大体の兵力分かる?」
「ハトジケ公爵家が大体10000人北、ホキス公爵家だな。そこが大体5000人うちが7500人くらいだな。」
「仮にも川を押さえてただけあって多いね。」
「そうだな。正直、あそこの数を手に入れれたのは便利に使えるだろうな。」
「そっか。ラッキーだね。」
「まぁ、そうだな。」
「うちからは、誰を使うんだ?」
「うーん、そこまで兵力差があるなら、ほとんどを集中して運用するかな?」
「あっちの方は、比較的平地だからな。3000以上はおそらくな。」
「そっか。どこか攻めて来ないかな?」
「それは大丈夫そうだな。リアスト公はサースライナー公が止めてるからな。」
「それなら、下手に居ると邪魔だよね?」
「まぁ、そうかもな。」
「なら、俺よりも強い人ってどのくらい居るの?」
「そうだなぁ、本気のソルなら俺とシンカフくらいか?」
「なら、普通の魔法と幻影と念力と付与と毒なら?」
「それでも、数人増えるだけだな。ただ、シンカフを使うなら、置いておきたいな。」
「そっか。なら、シルを入れて4人で良いかな。」
「司令長官殿は防衛か?」
「そうだね。あとシイもだね。あとは、その2人に先輩の監視を頼みたいね。」
「そうだな。俺たちはまだしもハトジケ公爵家の兵が逃げたら困るか。」
「うん。」
「偽装ってどのくらいで終わる?」
「1ヶ月はかからんだろうな。ただ、ハトジケ公爵家の動員に2ヶ月程度はいるだろうな。」
「どのくらい動かせる?」
「ハトジケ公爵家なら、6000人以上だな。あの辺りなら、そのくらいいれば問題無い。」
「そっか。相手の強力な駒は?」
「実際のところは分からんが、遠距離からの弓矢で攻撃してくる奴が居るらしい。ただ、シルとソルに脅威になるとは思わん。」
「そっか。それなら良いかな。」
「あぁ。」
「ハトジケ公爵家の事と同時にホキス公爵家との戦いを発表するって事で良いかな?」
「あぁ。大丈夫だろう。リアスト公爵とサースライナー公爵の戦いが激しくなるだろうが、まぁ気にしないよな?」
「うん。」
「なら、良い。」
「ソル、超級魔法覚えてるって言ってたよな?」
「そうだね。ただ、今回は使えないだろうけどね。」
「そんなに早く使われてもなんだが…まぁ、良い。どれを覚えてるんだ?」
「風だね。」
「風か。俺は魔力多くないからなそこまで使えないんだよな。」
「そうなの?」
「あぁ。まぁ、魔法を覚えてるから、あるにはあるが、初めは平均よりも低かったんだ。」
「へぇー、そうなんだ。まぁ、メインは魔法じゃないんだよね?」
「それはそうだな。
「十分すぎるね。」
「まぁ、そうだな。」




