睡眠の話
「陛下、今大丈夫でしょうか?」
「あぁ。ある程度終わったからな。セインはどのくらい聞いた?」
「隠れるのに学校をお使いになられていて、2人は陛下と同じ寮に居る事ですね。」
「それだけ知っているのなら問題無いな。隠していて悪かったな。」
「いえ、逆にもっと隠していただきたかったくらいです。陛下の安全のために。」
「まぁ、そうだな。ただ、センはともかく、シルに隠し通すのは難しいからな。」
「そうなのですか?」
「あぁ。おそらく少し強い敵が来たら気づかれただろうな。だよな、シル?あー、言葉はいつも通りでも良いからな。」
「分かったよ!気づいたと思うよ!」
「やっぱりそうだよな。まぁ、隠す気はそこまで無かったが。」
「シイ、ゴシャタを呼んでもらえるか?」
「分かりました。」
コンコンッ
「陛下、お呼びでしょうか?」
「あぁ。入ってくれ。」
「失礼致します」
ガチャッ
「ゴシャタ、警備に関してだが夜を頼めるか?」
「夜のみでよろしいのでしょうか?」
「あぁ。ただ、場合によっては変わるかもしれん。」
「承知いたしました。」
「それと、ソウン伯…まぁ、いいか。ソウン伯は今どうなってる?」
「牢に入れております。」
「そうか。それなら良い。夜の警備は頼んだぞ。」
「はっ!」
「シイ、ゴシャタなら信頼出来るよな?」
「はい。」
「それなら良い。しっかりと睡眠を取れ。」
「分かりました。」
「陛下、シイサは寮ではどうだったのですか?」
「俺が寝てる間は寝ようとしなかったな。」
「寮に危険は無かったのですか?」
「無いとは言わんが、戦力は固めていたな。ほぼ安全だったな。」
「分かりました。シイちゃん、今日からしっかり休んでね?」
「うん。」
「これから、皆はこの部屋で寝るか?」
「陛下のお部屋でよろしいのですか?」
「あぁ。特に問題無いだろう。それにゴシャタも楽だろうからな。」
「そうですね。ベッドはどういたしますか?」
「俺はなんでも良いが、何かあるか?セインのベッドを運ぶくらいなら簡単だぞ?」
「私もなんでも良いですね。」
「そうか。ならば3人はどうだ?」
「私は陛下のベッドで寝たいよ!」
「私は特にありません。」
「ボクも特にありません。」
「そうか。まぁ、俺のベッドで良いか。大きいしな。」
「そうですね。私が大きいですが、陛下もですが、3人は小さいですからね。」
「あぁ。3人に関しては、ベッドの4分の1くらいしか使わないだろうしな。」
「そうですね。3人合わせてもそのくらいでしょうね。」
「やはりこのベッド、大きすぎるな。」
「陛下として考えると良いと思いますが、流石に大きいですね。」
「あぁ。それと、センとシイは眠れるのか?」
「私は大丈夫だと思います。」
「…分からないです。」
「シイは良いが、センは大丈夫か?」
「……」
「うーん、先輩?大丈夫ですか?」
「…うん。」
「そこまで緊張しなくても良いですよ?」
「うん。」
「ガチガチだね!」
「そうだよね。セインは気にしないよな?」
「はい。逆に普段通りにしてくれた方が良いですね。」
「らしいですよ?先輩。」
「分かったよ。」
「まぁ、マシになりましたね。もしもマシにならなければ……まぁ、もしもの話はしなくても大丈夫ですね。」
「えっ?何する気だったの?」
「少し威圧するだけですよ?」
「怖っ!あれ本当に怖いからねっ!!」
「そうなんですか?まぁ、面白い事になってましたから、そうなんでしょうね。」
「あれは面白かったね!」
「……」
「何があったんですか?」
「先輩を威圧したら、うーん、シイあの時どうなってたの?」
「ぶるぶる震えて、私に抱きついてきましたね。」
「……」
「威圧ですか、どうなさったのですか?」
「スキルを使って、高圧的に話した感じだな。」
「そうなのですか。」
「あぁ。」
「あっ!」
「どうしたの?」
「前にシイがお城に居た時の話をしてたよね?」
「うん。したね。」
「あの時、話しながらどう思ってたの?」
「あー、陛下は知ってるのに!と思ってたね。」
「ベッドがどうとか言った記憶あるね。」
「そうですよ。陛下の方が良いベッドを使われているのにそれで寝てみたいって言われて、なんとも言えない気持ちになりましたね。」
「陛下、楽しかった?」
「陛下じゃなくてもいいけど、うん。楽しかったよ。」
「……」
「先輩、そのベッドで寝転んでみてくれません?」
「えっ、ボク?」
「はい。1番面白そうなので。」
「……分かったよっ!!」
「……うわぁ、」
「どうですか?」
「やばいね、寮のと比べられないよ。」
「まぁ、そうなりますよね。これからしばらくそこで寝る事になりますからね?良かったですね?」
「良いのかな?落差がひどい事になりそうだよ。」
「否定は出来ないですね。」
「そうだよね!」
「はい。」




