入城
「お兄ちゃん、その鍵は?」
「あの空間あるよね?」
「うん!」
「あそこの1部屋の鍵だよ。パートムがくれたんだよね。」
「そうだったんだね!」
「そうだよ。人が増えるからどうにか出来ない?って聞いたらこれをくれたんだよね。」
「流石って感じね。」
「そうだね。普通に渡されたからね。」
「やっぱり、すごいわね。」
「そうだね。」
「おかえりなさいませ。リーソル様、シンカフ様がいらしてますよ。」
「分かったよ。どこに居るの?」
「2階の左手の応接間ですね。」
「ありがとね。」
「はい。」
「みんなちょっと話してくるよ。」
「うん!」
コンコンッ
「リーソルです。」
「入ってください。」
ガチャッ
「突然来てすみませんね。」
「大丈夫ですよ。」
「壁を張りますか?」
「お願いします。」
「分かりました。風壁、土壁、水壁、氷壁。」
「ありがとうございます。」
「大丈夫ですよ。それでどのようなお話ですか?」
「まず、先行したホーペンス公爵家の人物が到着しました。順調に来ているらしいです。」
「それはいい話ですね。」
「はい。あと数日ほどで到着しますが、リーソルさんには先に城に入っていただきたいのです。」
「分かりました。どのくらいに行く事になりますか?」
「出来る限り早めに入ってもらいたいですね。」
「何かあったんですか?」
「まぁ、悪い事では無いんですが、相手が下手をすれば3日もすれば到着する可能性があるみたいなんです。」
「少しだけ速くなっただけですか?」
「そうですね。なのでそこまでの問題では無いですね。」
「それなら、今日から行ったほうが良いですよね?」
「はい。そうですね。」
「シンカフさんと一緒に行けば良いですか?」
「はい。それでお願い出来ますか?」
「分かりました。少しお待ちくださいね。」
「大丈夫ですよ。」
「ありがとうございます。」
「みんな少し良い?」
「どうしたの?」
「前に忙しくなるって言ったよね?」
「あのヤバそうなやつだね!!」
「まぁ、そうですね。あれの予定が少し速くなったんですよね。それで今日からここを離れる事になったのでお伝えしておきますね。」
「わかったよ!」
「うん!」
「まぁ、何かあったら伝えますね。」
「うん!」
「じゃあ、行ってきますね。」
「うん!いってらっしゃい!!」
「シンカフさん、行きましょうか。」
「分かりました。じゃあ、行きますか。」
「ここですね。」
「硬そうな壁ですね。」
「そうですね。俺だと傷をつけるのがギリギリですよ。」
「そんなに硬いんですか…」
「そうなんですよね。」
「俺の事はどう言う扱いなんですか?」
「パートムさんの知り合いってなってますね。」
「それで入れるんですか?」
「まぁ、言ってしまったら、パートムさんに逆らえる人は城にいないんですよね。」
「王太子殿下もですか?」
「そうですね。」
「まぁ、それなら都合が良いですね。」
「はい。」
「最高司令官殿、その方が例の?」
「そうだ。通るぞ?」
「はい。どうぞ。」
「簡単に通れましたね。」
「そうですね。やっぱり、パートムさんの名前が大きいんですよね。」
「そうなんですね。」
「ここが国王陛下の自室ですね。」
コンコンッ
「シンカフです。」
「入れ。」
「失礼します。」
ガチャッ
「ソル、悪いな。」
「大丈夫だよ。」
「シンカフは街道の警備を頼む。」
「分かりました。失礼します。」
「ここは音は大丈夫だよね?」
「あぁ。大丈夫だな。ただ、一応壁は張った方がいいと思うがな。」
「まぁ、内容が内容だからそうだね。」
「あぁ。」
「風壁、土壁、水壁、氷壁。」
「もう陛下の身体に入った方が良いの?」
「あぁ。」
「じゃあ、入るね。」
「あー、鬼のままだったね。忘れてたよ。」
「そうだったのか。」
「うん。気にしてなかったからね。それでいつくらいに来そうなの?」
「それがな、少し前に話が入ってきたんだが、早ければ明日、遅くても3日後には来るらしい。」
「前から早かったの?」
「まぁ、早かったな。」
「それならおかしくは無いの?」
「一応な。」
「それなら別にいいかな。」
「そうだな。」
「俺は何をすれば良いの?」
「来るまでは特に無いな。来たら話したりがあるな。」
「礼儀とか知らないよ?」
「俺と相手数人くらいだからまぁ、大丈夫だ。それにそんな場での事について、国王陛下に何か言う事はないだろうな。」
「あったら、どうすれば良いの?」
「無いとは思うが、その時は流れでいいぞ。俺もいるしな。」
「そっか。」
「あぁ。」
「そういえば、学校の事で言いたい事があったんだった。」
「なんだ?」
「…やりすぎじゃない?」
「まぁ、都合はいいだろ?」
「それはそうだけどね。」
「まぁ、ソルに関係する事は少ないだろうな。それよりもポイントの方が大きいと思うがな。」
「獣人の解放以外の内容を知らないんだよね。それと、解放ってさせる気ある?」
「正直無いな。」
「だよね。」
「あぁ。解放する意味もないしな。ただ、少しくらいは解放出来るようにしてもいいと思うがな。」
「そうだね。他って何があるの?」
「他なら、効果のついた物とかだな。特殊な物だと学校での権限の付与とかだな。」
「権限?」
「あぁ。例えば、1つ上のクラスの扱いをされるものとか学校の運営に少しだが影響力を持ったりとかだな。」
「俺の場合は上のクラスになるのってどうなるの?」
「扱いだけはクラスがあるってなるな。」
「格差がさらに広がるって事?」
「そうだな。まぁ、ソルに必要なのかは分からんが。」
「それはそうだね。」




