報酬の獣人
「ここから先だな。」
「わかったよ。」
「ここに戦闘用が居るな。」
「態度ってどうなの?」
「反抗的なのが多いな。ただ違うのもいるな。」
「違うのがいるんだね?」
「あぁ。まぁ、そっちの方がいいと理解してるだけだな」
「それでも良いね。」
「なんだお前たち!」
「お前らの飼い主だな。」
「ちっ!こんなのが無ければっ!」
「変わらないよ?そこまで弱くないよ。」
「そんなわけないだろ!」
「なら、戦う?パートムあいつが勝ったら自由で良い?」
「良いぞ。そこのお前以外は離れろ。お前は、それを外してやるよ。」
「よしっ!これで負けないな!」
「そうかな?まぁ、かかって来なよ。」
「言われなくともっ!おらっ!」
「当たらないね?」
「くそっ!なら、こうだ!」
「これは、当たりそうだね。風道」
「なっ、」
「もう来ないの?」
「まだに決まってるだろ!」
「そうだよね。」
「おらっ!」
「当たらないよ?」
「それっ!これがか?」
「うん。5倍」
ドンッ
「グッ、動けん!」
「まだ戦う?」
「…戦わないな。」
「なら、よかったよ。それで他に戦いたいのはいる?」
「居ないみたいだね。なら、パートム契約書ってある?」
「これだな。」
「ありがとね。人の字が分かるのっている?」
「俺が分かります。」
「そうなんだね。なら、この契約書を読める?」
「はい。命令に従う事と人間及び獣人を傷つけない。それと生き物を殺さない事ですね。」
「うん。読めてるね。これに何か意見がある人はいる?もしかしたら、受け入れるかもしれないよ。」
「俺たち何をする事になるんですか?」
「建物の警備がメインだと思うよ。」
「それなら、侵入者を傷つけないから外してもらえませんか?」
「あー、そうだね。なら、これで大丈夫?」
「はい。」
「契約書は、他の人が書いても大丈夫だから、えーと」
「ハレイです。」
「ハレイが他の人の分も書いてね?」
「分かりました。」
「終わりました。」
「うん。大丈夫そうだね。1つ聞いても良い?」
「はい。」
「なんだか、みんな従順じゃない?先に聞いてた話と違うんだけど。」
「それは、そもそもここにいるのは、ここに攻める気が無かったからですね。さっき戦ってた奴も、従う相手の力を見るためにあんな感じに動いてたんです。」
「反抗的だって聞いてたけどそれは演技なの?」
「初めは違いましたが、出来事の詳細を聞いたあとは、そうですね。」
「そうなんだね。まぁ、その方が楽で良いけどね。」
「はい。」
「少し待っててね。」
「分かりました。」
「パートムは、演技って分かってたの?」
「俺はあそこに関わって無いからな。知らなかったな。」
「まぁ、トップの仕事じゃないよね。」
「あぁ。まぁ、都合は良さそうだな。」
「うん。楽でよかったよ。次はどうなの?」
「次はいろいろいるらしいぞ。兵じゃないから演技の可能性は、低いと思うな。」
「そっか。あっ!次のところって文字分かるのいるのかな?」
「あー、居ないかもな。」
「じゃあ、ハレイ連れてくるよ。」
「あぁ。」
「ハレイ、ついて来てもらっていい?」
「分かりました。」
「ソル、ここの部屋だな。」
「わかったよ。じゃあ入るね。」
「誰よアンタ!」
「俺は飼い主だな。」
「誰のよ!」
「お前たちだな。」
「私達は、ペットじゃないわよ!」
「ペットの方がマシだと思うよ?本当に。」
「そんなわけないわよ!」
「ハレイはどう思う?」
「…そうですね。マシの可能性が高いですね。」
「え?」
「ペットというなら、しっかりと管理しますよね?」
「そうだね。少なくとも食べ物や場所は、用意するね。」
「なら、マシでしょうね。それに1人に対して5人なら、
余計にそうでしょうね。ここで受けた方がいいと思いますよ。」
「…」
「パートム、ここで受けなかったらどうなるの?」
「うーん、ソルの場合なら、契約無くても大丈夫だろうからな。このまま連れて帰ってもいいな。ソルのところから逃げれるならここからも出来るだろうしな。それにペットなら、管理するだろうが、違うならどうなるか分からないな。どうするつもりなんだ?」
「逃げられないように閉じ込めておくかな?そこの外にハレイ達の誰かを配置して。場所と食事は用意するけどね。まぁ、内容は知らないけどね。ハレイは、逃げられる事があると思う?」
「無いでしょうね。仮に逃げても、すぐに捕まるでしょうね。」
「そうだろうね。それでどうするんだ?内容はこれだね」
「これだけですか?」
「そうだよ。」
「とある建物の1階に居る事しか書いて無いですね。」
「あそこは広いから正直持て余してるからね。」
「まぁ、あそこを数人だとそうなるだろうな。」
「うん。だから、部屋は用意できるよ。」
「これは、本当に受けた方がいいですよ。これ以上は正直無いと思いますよ?」
「そうなの?パートム?」
「少なくとも、そいつらだとそうだろうな。戦えるのなら分からんが。」
「そうなんだね。」
「そうです。ぜひ受けてください。」
「…わかったわ。」
「よかったですよ。他の方は?」
「私もします。」
「あたしも。」
「アルも。」
「わ、わたしもします。」
「よかったです。名前を教えていただけますか?」
「わかったわ。私はヨリツよ。」
「私はシイネです。」
「あたしはルイシだよ。」
「アルインだよ。」
「フルビです…。」
「ありがとうございます。書けました、大丈夫ですか?」
「うん。大丈夫だね。パートム、ここの人はどのくらいの力があるの?」
「うーん、フシャクってまだ居るのか?」
「いや、もう戻ってるね。」
「なら大丈夫だな。居ても大丈夫だろうが、居ないなら
確実だな。」
「わかったよ。なら大丈夫だね。じゃあついて来てね。」
「分かったわよ。」
「はい。」
「ハレイがリーダーなの?」
「そんな感じですね。」
「わかったよ。ここに居るから呼んできてもらえる?」
「分かりました。」
「来たね。じゃあ行こうか。」
「パートム、また来るね。」
「あぁ。こっちも何かあれば行く。」
「よろしくね。」




