火力と恋バナ
「シル、少し剣を貸してくれない?」
「いいよ!」
「ありがとね。先輩、相手してくれませんか?」
「いいよ!ただ剣を使うの?」
「はい。まぁ魔法も使いますよ。じゃないと話にならないので。」
「そっか!じゃあ、戦おうか!」
(「じゃあ、始めますね。」)
(「うん。」)
(「そろそろ魔法が当たりそうだね!」)
(「そうですね。じゃあ、それっ!」)
「風壁」
(「怖っ!そんなに力あったの?」)
(「これもあれからですよ。」)
(「あー、そっか!」)
「土槍」
「当たらないですね。」
「そうだね!」
「そーれ」
ビュンッ
「声と内容が違いすぎない?」
「まぁ、わざとですしね。」
「氷槍」
「木槍」
「土槍」
「土壁 ツヴァンツィヒ」
「もう剣届きそうですよ。大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ!」
「じゃあ行きますね!」
シュンッ
「草壁」
「うわっ!」
「この剣やばいですね。あとはこれで。」
(「また同じなの!?」)
(「使いやすいんですよね。」)
(「だろうけどさ!」)
(「先輩、ひどい事して良いですか?」)
(「さっきのじゃないよね?」)
(「あれは俺もしたくないですよ。」)
(「それは良かったけどさ、やっぱり拒否権無いよね?」)
(「そうですね。無いです。」)
(「知ってたよ!!」)
(「えーと、まず先輩の重力を10分の1にします。」)
(「動けないけどね!」)
(「そのあと俺も同じようにします。」)
「それであとはジャンプして、」
(「え?ちょっとm、」)
「ついでに鎧を出して自分と鎧の重さを10倍にします。そのまま落ちます。そうすると、数キロの先輩に数百キロが落ちます。」
ドカンッ
「先輩、どうでした?」
「怖い!!ただそれしか出てこないよ!」
「そうでしたか。」
「それとあの剣やばいね!」
「あれはお兄ちゃんの力もあったからだよ!」
「え?そうなの?」
「力に関してはシルよりも俺が上だと思いますよ。まぁ、技術は話にならないですけどね。」
「まぁ、技術はシルと比べるのが悪いね!」
「それはそうですね。シルこれありがとうね。」
「大丈夫だよ!」
「少し試してみていいですか?」
「いいよ!」
「じゃあ2人はここに居てくださいね。範囲がわからないので。」
「え?」
「相手は…まぁサル1匹でいいですね。じゃあ、始めますね。」
(「じゃあ、いきますね。」)
(「うん!」)
(「魔石を使って、そのあとは、」)
「火爆 ズィープツィヒ」
「うっわぁ!!」
「すごいね!」
「これ、街で使ったらどうなるんでしょうか?」
「……何人死ぬのかな?」
「そのレベルですよね?ただ今のでMPをえーと3500使いましたからね。先輩ってどのくらいあるんですか?」
「2500くらいだよ!」
「そのローブを着てステータス確認してみてください。」
「うっわ、やっぱりやばいねこれ…」
「そうなんですよね。それにこの杖のいろんな効果があってもこの消費なので本当にやばいですよね。」
「これ、獣人の殲滅なら余裕で出来るよね?」
「俺だけならわかりませんが、まぁパートムがいればそもそも1人でいけそうですよ。」
「そうなの?」
「はい。使える魔法を聞くとあれでサブかぁ、って思いましたね。」
「流石だね!」
「そうですね。そろそろ帰ります?」
「いいよ!」
「じゃあ、帰りますか。」
「おかえり、3人とも。」
「ただいま。サン。ログたちは?」
「ソルの部屋にいるわよ。」
「じゃあ行こうかな。」
「みんなって配置どうなるって聞いた?」
「明日言われるらしいぜ!」
「そうなんだね。先輩ってどこにいるんですかね?」
「どうなんだろうね?」
「まぁ、安全なところってのはわかりますけどね。」
「そうだね!」
「メリ、ちょっといい?」
「……うん。」
「たぶん3人は同じところだろうからサンとログはお願いね。」
「……うん……大丈夫。」
「それなら問題ないね。」
「今日はどうやって寝る?」
「今日はここでいいと思うよ!」
「そうね。」
「それならどんな組み合わせで寝るの?」
「誰かこんな組み合わせがいいとか嫌だとかある?」
「別に無いわね。」
「同じだね!」
「シクは…俺たちはやめておいた方がいいよね?」
「そうですね。なので1つベッド使っていいですか?」
「いいよ!」
「うん!」
「じゃあ、そこ以外はランダムで決めていい?」
「いいよ!」
「……うん。」
「先輩とシルとログが1つで俺とメリとサンが1つだよね?」
「そうだね!」
「だな!」
「綺麗にソルとログが入れ替わったわね。」
「そうだね。こんなに綺麗に変わるとは思って無かったよ。」
「まぁ、こういうのも面白いしな!」
「そうだね!」
「どうせだしこの組み合わせで何か話す?」
「いいね!」
「……うん。」
「シクはどうする?」
「こっちに来てよ!」
「分かりました。」
「じゃあ、これで何か話そうか。」
「何を話すのかしら?」
「うーん、メリ何かある?」
(恋バナでもするのかな?まぁ、まだ無いと思うけどね。)
「……定番でも……話す?」
(するの?)
「定番ってどんな事なの?」
「……恋バナ。」
(本当にするんだね。)
「恋バナって言うと…サンは好きな人って居るの?」
「え?まぁ、居るわよ?」
(たぶん違う好きなんだろうね。)
「……誰なの?」
「そりゃあ、みんな好きよ?」
「……その中で1番は?」
「うーん、ログかしらね?」
(メリも分かってて言ってるね。)
「……どんなところが?」
「えー、関係の長さだとメリとログが長いわよね。それでメリは手がかからないけどログは手がかかるからそこの部分かしらね?」
(完全に弟だね。)
「メリは?」
「……いない。」
「え?そうなの?」
(そうだと思ったけどやっぱりね。)
「……一旦……ソルの話を……聞こう。」
「そうね。」
「俺もだね。特に居ないよ。」
「え?どういうこと?」
「サンって好きって何だと思う?」
「好き?大切な人とかな気がするわね。」
「そうだよね?それで好きって2つに分かれると思うんだよね。」
「2つ?」
「……恋愛としてか……家族や友達……としてか。」
「うん。そうだよね。それで恋バナは恋愛の方だよね。」
「……うん……そっちの方が……面白い。」
「ということでログの事が好きなんだね?」
「違っ!」
「……違うの?」
「違わないけど違うわ!」
「そうなの?えーと、さっきの説明の順番で言ったらメリ、どうなるっけ?」
「……違わないが……恋愛で……違うが……家族や友達。」
「そうだよね。恋愛が違わないになるよね。」
「……うん。」
「サンは何か言いたいことある?」
「あるわ!」
「……何?」
「さっきの順番はたまたまと言うか、メリがわざとあの順番で言ったでしょ!」
「そんな事は無いよね?」
「……うん。」
「くっ!2人で組むんじゃないわよ!」
「組んでないよ。」
「……うん。」
「ソルが1番面白そうよね?」
「……それはそう。」
「そうは言ってもねシルは妹だし他は出会ってから時間がそこまでだしね。」
「……でも養子……だよね。」
「そうだけど、妹としてしか見てないね。」
「それならシル以外ではどうなの?ここにいるだけでも5人…シルを除いても4人も異性が居るわよ?」
「シクは流石に無いね。色々と。」
「……まぁ…うん。」
「先輩はうーん、やっぱり妹みたいに感じるんだよね。」
「まぁ、そんな感じは見てる気がするわね。」
「次はメリでいいかな。メリは妹ではないけどやっぱり異性として見れないね。」
「……うん……それで……最後は?」
「サンはね。どうだと思う?」
「異性として見てないと思うわ。」
「メリは?」
「……見てる。」
「正解は…メリの方だね!」
(まぁ、嘘だけどね。)
「……やっぱり。」
(合わせてるね。)
「バレてたね!」
「いや!嘘でしょ!」
「本当だよ?」
「……どこが……好きなの?」
「好きなところかぁ…サンって面倒見いいよね?」
「……うん。」
「そういうところかな?周りにそんなタイプいないからね。」
「……そうかも。」
「メリはわかる?」
「……うん。」
「だよねー」
「……他は?」
「他は…人としてまともなところかな?」
「……わかる。」
「そうだよね?正直、俺は人としてやばいからね。なんとなく眩しく思ったんだよね。」
「……わかるね……同じような事を……思った事がある。」
「そうなんだね。ところでサンは喋ってる?」
「喋ってないわ。」
「どうしたの?」
「2人の会話を聞いてたら2人が似てるような気がしたのよね。」
「そうかもね。一緒になってサンを揶揄ってたからね。」
「……うん」
「はぁ…今のはだろうと思ったわ。ただ初めのもなのかしら?」
「メリ、どうなの?」
「……まあ……訂正しなかった。」
「そうだね。2人とも訂正しなかったね。」
「くっ!メリはどうなのかしら!?」
「確かに気になるね。とはいえ、男は俺とログしかいないけどね。」
「……ソルは私と……似てるね……だからやっぱり……異性として……見れない。」
「まぁ、そこはいいわ!ログは?」
「……ログは……弟みたい。」
「やっぱりそうだよね。」
「……うん。」
「この歳と人数で恋バナは難しくない?」
「……うん……ただ思ってたより……続いた。」
「確かにね。正直全員いなくて終わりな気がしてたからね。ありがとね?サン。」
「そんな感謝いらないわよ!」
「あっはは!」




