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かくりよの乙女〜千年恋唄〜  作者: 桜並木
第一章 巡り逢い
12/24

11.独白

小さい頃はすごく仲が良かった事は今でも覚えてる。


おじいちゃん達の家にも二人でいっぱい遊びに行ったし、お父さんもお母さんもどっちか一人を特別扱いする様な事も無かった。


いつからこうなったんだろう?

一緒にピアノを習い始めてしばらく経った頃からだった気がする。

私はピアノを上手に弾く事が出来なかった…。

なのにアイツは凄く上手に弾けていた。


ーー羨ましかった。


私にはピアノの才能が無いのにアイツにはある…。

そんなの許せない。

アイツが弾けるなら私も弾けなきゃおかしいじゃない!


私は必死にピアノを練習した。

なのに上手くなるどころか練習のし過ぎで指を痛めてしまった。

その間アイツはどんどん上手になっていく…。

アイツばっかりがキラキラ輝いてる。

どうしてアイツばっかりチヤホヤされるの!?


許せない…憎い…

アイツの才能が欲しい…


そう思ったら、私の目の前に黒い雲みたいなのが浮かんでた。

その雲はアイツの方へ飛んで行ったと思ったら、アイツのそばにいたキラキラを一つ食べて私の方に戻って来た。

そしてそのまま私の手にくっ付いて消えた。


小さい頃、アイツの周りでキラキラしたのが沢山飛んでいるのが見えた。

おじいちゃん達の家の庭にもキラキラしてるのが沢山いた。

私もそのキラキラが欲しくて近付いたけど、みんな私が近付く度に逃げて行く。

遊びに来る度に捕まえようとしたけど、その度に私の手の届かない所まで飛んで逃げてしまっていた。

なんで逃げるの!?私だってキラキラが欲しいのに!

アイツの側にいるなら私の側にも来てよ!

ずっとずーっとそう思ってた。


そのキラキラをようやく捕まえた。

今、私の手にくっ付いている。

あの黒い雲は私の欲しい物が分かるのだろうか?

キラキラが精霊だと知ったのはしばらく経ってからだった。


精霊を捕まえてから私の運命は変わった。

あんなに弾けなかったピアノが簡単に弾ける様になった。難しい曲も難なく弾ける!

あの頃は小さかったから、練習の成果が出た!くらいにしか思っていなかった。


逆にアイツはピアノが弾けなくなった。

それが分かると大人達は掌を返す様に私の事を褒め、アイツがピアノを弾けたのはただのまぐれだったのだと非難した。

気分爽快だった。


その時から、お父さんもお母さんも私中心になった。アイツはただのオマケ。

私がお願いすればなんでも叶えてくれた。

欲しい物があれば、雲がアイツの精霊を食べて私に運んでくれるからその度になんでも手に入った。

特にアイツから彼氏を奪い取るのは最高に気分が良かった。

アイツばっかりが彼氏を作るなんて許せないもの。


今年の誕生日も私一人だけのお祝いをして貰える事になった。

アイツは友達の家に行くって言ってたっけ。

でもどうせおじいちゃん達の家に行ったんだろうな。

今年はどんなプレゼントを貰ってくるんだろう?

奪い取るのが楽しみ♪

そう思いながらアイツの部屋の前を通った時、雲が急に飛び出して来てアイツの部屋に入った。


雲の後を追って部屋に入ると、机の上で雲がふわふわ上下に動いている。そこに何かあるの?

机の上を見ると今まで見た事もないくらい沢山の精霊がいた。

よく見ると精霊は牙?爪?が付いたネックレスに集まっていた。

こんなネックレスがアイツの趣味?

それとも誰かへのプレゼント?

プレゼントだとしたらこうゆうのは男が好みそうだから彼氏?

いないって言ってたのは嘘だったんだ。


私はそのネックレスが無性に欲しくなった。

雲に周りの精霊を全部食べてもうと、ネックレスを持って部屋を出た。

コレが無くなってるって気付いたアイツの顔を見るのが楽しみ♪








アイツが持ってるものはぜーんぶ私の物











ね?桜花



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