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Kiss of Vampire  作者: かなみち のに
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「お前センドゥ・ロゼて奴に会ったよな。」

はい。御厨理緒と一緒にいました。

三原紹実がどうしてそれを知っている?

「理緒があんな奴と一緒なのも今回の事と繋がっているんだ。」

あんな奴。

「プナイリンナ家の王女が態々この街に来たのも。」

橘佳純の護衛ではないのか?

「半分正解。もう半分は彼女自身の避難。」

避難?誰から?

「佳純には黙ってろよ。」

だから約束は

「いや。しろ。お前のために言っているんだ。」

さっきから話が見えません。

「5年前。あれ?6年前だっけ?まあいいか。」

「あの時もそうだった。」

センドゥ・ロゼは橘結を狙った。

橘結の力を利用し、自分を追放した一族に復讐する目的。

「センドゥ・ロゼはロゼ家に伝わる技術を用い、山を「穢した」。」

そんな簡単にできるものなのですか?

「いや、準備に1年以上はかかってるんじゃないかな。」

ではそんな面倒な真似をして彼は何をしようとした?

「橘結の能力の確認。それから他にも似たような奴がいるのか。」

その「技術」が必要なだけで橘結個人が目的なのではない。

あの時、真壁絆が同行したことにより

センドゥ・ロゼは二つの選択肢を手に入れた。

「観光地を選んだのは交通の便だって言ってた。」

はい?

「本人も便利だし結みたいな奴がいれば来やすいだろうからって。」

何て単純な理由だ。

「でもほら、人が寄り付かないような山なら穢れたかどうかも判らないし。」

「ある程度の人間が異変に気付いてチョット病むとかしないとテストにはならないじゃん。」

この人もサラっと怖い事を言うな。

「温泉地にしたのはどうかと思うけど。」

「条件を絞ってそこしか見付からなかったのかもな。」

それでは橘佳純に黙っていろと言うのは

今回の件にもセンドゥ・ロゼが関わっていて

同行している御厨理緒が危険だから?

「んー惜しい。」

「あの野郎はもうそんな事しない。キズナのトモダチだからな。」

それじゃあ一体どうして。

「言ったろ。山を穢したのはロゼ家の技術の一つなんだって。」

つまり今回はその一族が同じ事をしようとしている?

「かもしれない。」

「不浄」な存在を扱う技術はとても危険だ。

それだけに特殊で、希少。

「仮にそれが事実だとすれば。」

「橘結と橘佳純を守るために御厨理緒はロゼ家と対決する。」

御厨理緒ならばそうするだろう。

他のヴァンパイアがロゼ家に加担するような事になれば

「最悪の場合、魔女とヴァンパイアの全面抗争って可能性も考慮しなければならない。」

サーラ・プナイリンナが日本に来たのは橘結が親友だから。

ロゼ家が協力を求めてもプナイリンナ家は断るだろう。

サーラ・プナイリンナは人質にされる可能性も生じる。

「あらゆる事態を想定して先手を打っておかないとな。」

やはり貴女は凄い魔女だ。

「いやいや。頭使ってるのは私の後輩だよ。その内紹介してやる。」

それでその肝心な事を

「え?何か言い忘れてる?」

橘佳純に言うなって理由

「お前なら判ると思ったんだけどなー。」

「魔女とヴァンパイアの喧嘩なんて事になったら理緒が無茶するだろ。」

「それに、佳純が「そもそもの原因は自分にある」なんて思ったらどうするんだよ。」

橘家を継ぐ者。

たったそれだけなのに、場合によっては魔女と吸血姫の戦争になるのか。

「心配するな。そんな事にならないように理緒達が動いているんだ。」

「ちょうどいい。今夜友維の報告を聞きに魔女達が来る事になっているんだ。」

「お前も一緒に聞いておけ。」


魔女達は大食いだ。

三原紹実と市野萱友維の食欲にも驚いたが

今夜集まった魔女達も揃って大食漢。

それでその体型を維持しているのはやはり魔法なのか?

「魔法で体型替えられるならとっくに藍ちゃんみたいにしてるっつーの。」

藤沢愛。彼女とは面識がある。保育士の神流川蓮と行動を共にしていた。

その二人と共に高校時代御厨理緒を警護していた「渡良瀬葵」

同級生で親友の「鏑木華奈」

(双子の「鏑木莉奈」は欧州に留学中)

三原紹実と市野萱友維を含めて6人の魔女。

そして小室絢も呼ばれている。

「女の仲間に男が一人~」

市野萱友維はどうしてそんなに楽しそうなのだろうか。

「ツマンネー奴。」

「いいからとっとと話ししろよ。」

「ん。じゃあ簡単に報告するぞ。」

センドゥ・ロゼ個人では、一族の実情を全ては把握できない。

だが少なくとも「本家」ではない。

しかし「分家」はその可能性を捨てきれない。

確証はない。

「オレがその昔利用した奴の仕業かも知れない。」

「だがそれがロゼの分家なのかまでは判らない。」

市野萱友維の物真似は似ているのか?

昨日、橘佳純を訪れた少女のように

その血を濃く継ぐ者が現れる場合もある。

「はっきり言って、何も判っていない。」


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