表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Kiss of Vampire  作者: かなみち のに
30/112

030

御厨理緒や真壁絆は俺の手本になるのだろうか。

「王女の言った「良いヴァンパイア」と「悪いヴァンパイア」の事?」

そうです。

「どうかな。理緒は魔女の親分だけど手本とか見本には向かないよ。」

どうして?

「スケコマシだから。」

何?

「大体アイツずーっと「僕は魔女じゃない」て言い張ってたような奴だから。」

「それをチョット煽てたら乗っただけ。」

「キズナも。アイツは継ぐ者がどうのこうのって動いてるわけじゃないから。」

そうなんですか?

「アイツは自分のトモダチを守ろうとしているだけ。」

「今の位置にいるのは面白そうだからチョロっとそうなるようにしただけ。」

話を聞く限り三原紹実が二人をそうなるように仕向けたとしか思えない。

「人聞きの悪い。決断したのは本人だから。」

「私が魔女だからって人の人生まで決められないよ。」

「影響は与えるかも知れないけどな。」

小室絢が俺をここに寄越した理由なのだろう。

この人は俺に道を与えない。

道のある場所を教えようとはしている。

「で?どうだった子供達の反応。」

反応って?

「女装癖のあるヴァンパイアの兄ちゃんを見た反応だよ。」

女装癖なんてありません。

「何だったら今ちょっと着替えて見せてよ。私写真しか見てないんだよ。」

写真見たって。いつどうやって。

「友維が送ってくれたぞ。多分アイツの知り合い全員に送ってるんじゃないか?」


冬休み。

サーラ・プナイリンナは一時帰国する。

しかし橘結、南室綴達は未だ帰れず。

「連絡あったよ。こっちは順調だから心配するなって。」

「ただやっぱり手は離せないんだって。」

そうか。残念だな。

「お仕事だからねー。会えなくて寂しいとか言っている場合しゃないよ。」

「て言うか年末年始の忙しい時期にゴメンねーって言われた。」

「綸こそママと離れ離れで、あ今は姉ちゃんか。」

南室綴は橘結と共にいる。それは本人の希望であって負担ではない。

「お前は出来たヤツだなぁ。」

「冬休みも紹実姉ちゃんのとこにいるの?」

何も言われていないからそうなるのだろう。

橘佳純を送り届け、三原家に着くと

「いや、年末年始は小室んトコか橘のトコ行けよ。」

判りましたお姉様。

「一応言っておくけど邪魔だから放り出すとかって意味じゃないからな?」

「結も綴もいないから神社の行事の手伝いをしろって事だ。」

「友維も行けよ?」

「えー。まあ巫女装束は着てやってもいいかな。」

三原紹実は一人で大丈夫なのか?生きて行けるか?

「お前が言うと冗談に聞こえない。」


橘家は賑やかだった。

橘佳純が宮田柚と敷島楓、箱田佐代に手伝いを依頼。

当然滝沢伊紀もいて、指揮をとるのは小室絢。

「すげぇ酒池肉林だな。」

市野萱友維は何を言っている。

「他の魔女っ娘は来ないのか?」

「魔女っ子言うなニンゲンの怪獣め。」

「葵ちゃんは自分チの仕事の手伝い。」

「蓮ちゃんはベビーシッターのバイト。」

「藍ちゃんは鏑木カナと理緒のとこ行った。」

「カナ?姉の方だろ?リナじゃなくて?」

「ヒヒヒ。リナちゃんはうちのママとベルギーにいるよ。ザマーみろ。」

「でも何でカナまで。アイツも理緒狙ってるのか?」

「いや、今兄ちゃんフランスいるから。」

「観光かよっ。」

「違う違う。カナちゃんはパティシエ目指してるんだってば。」

「ああそうだったな。帰ってきたらイロイロ聞いてみるか。」

「お、乙女怪獣。旦那さんに食べさせるつもりだな?」

「・・・どうした?荒れてるな。」

「私もフランス行きたかったのっ。」

申し訳ありません。俺の所為ですね。

「あ?違うよバカ。」

「理緒が来るなって言っただけ。お前は関係ない。」

市野萱友維が素直に従ったのはつまり

それなりの理由があるから。

「じゃ、私は帰るな。」

「何だよ一緒に手伝っていけよ。」

「これだけ頭数いれば充分だろ。紹実ちゃん一人にさせたらノトが飢える。」

それなら俺が戻りますよ。

「バカだな。お前はバカなんだな。」

何ですかさっきから。

「お前は残れ。んで女子共を守ってやれ。」

守る?何から?

俺より市野萱友維のが強い。それに小室絢も

「おい。教えてやった返事と違うぞ。」

あ、はい。

判りましたお姉様。

「ん。よろしい。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ