1話
新連載
追記
ステータスオープンなろう系でのあるあるだからって安直に入れちゃった…
「ふぁー」
俺の名前は暇 梯子。ブラックではない企業に勤める系サラリーマンだ。今日だって硬いベッドから起き…?なんか、いつもより暗い?カーテンはつけているとはいえ、そんなに遮光性は強くないから、ある程度の光はあるはずなんだけど。それに、体の姿勢もなにかおかしい。感覚的には正座している気がする。寝相の良さと、起きたいと思った時間にちゃんと起きられるところが唯一の長所だったのに……。とりあえず起きるか。
正座の姿勢から立ち上がろうと手を伸ばしたが、うまく支えられずにバランスを崩した。ベッドとはいえ、顎からいったのに妙に柔らかい何かによって衝撃が和らげられた。
「???」
状況が飲み込めない。けど、危険な状態かもしれないから、とりあえず救急車を呼ぼう。手探りでスマホを探すが、布団を引きずっているのか感覚が鈍い。本格的にやばいな。光が欲しい。なんでもいいから視覚的に状況を確認したい。
光……電気をつけないと。どう探してもスイッチがない。とりあえず、光……。
光を念じ続けたら光がついた。それも、俺自身の体から。しかし俺の意識は、体が光ったことより、その体が鳥であったことに奪われていた。
E?
なんで?鳥?しかも大きくね?てか、俺の部屋は?どこ行った?あと、下にあるのベッドじゃなくて灰じゃん。誰だよ、俺を灰の上に乗っけたやつ……。
落ち着こう。何度か息を吸って吐く。
俺はそっと手を見る。
羽だ。立派な羽だ……って、違うよね?それ以前の問題だよね?俺、人だよ?鳥じゃないよね?なんで?転生?ねえ、転生ってさ、人間になるんじゃないの?そんで可愛い娘たちときゃっきゃうふふの生活送るんじゃないの?なんで鳥なんだよ。誰得?
頭が混乱して思考がおかしい。とりあえず落ち着こう。もう一度深呼吸を繰り返し、少し冷静になる。
ここはどこだ?周りは岩に囲まれているから、おそらく洞窟だな。空気の流れを感じないし少しジメジメしている。入り口らしきものは見当たらないし、支えみたいなものもないから自然にできたものだと思うが……。ん?そういえば、ここ、多分異世界なんだよな?なら言えば出てくるよな?あるあるだもんな?
「クルゥア『ステータスオープン』」
体の中から何かが減る感覚と共にそれらしきものが出た……。それにしても声……鳥なんだな……。まあ、人の声出てもそれはそれであれだけど。このまま人と出会えても意思疎通できないだろうな……。考えるのやめよう。
種族ー不死鳥 名前ーーー(元:暇 梯子)
Lv-1
HP300/300
MP450/600
スキル
火魔法1 火炎再生1 火炎無効1 再生促進1 鑑定1
封印スキル
熱魔法 火炎魔法 再生魔法 爆撃魔法 全炎系スキル無効 神炎 獄炎 罪の焔 生命の灯火 不死再生 自己輪廻 怠惰 堕落 迦楼羅 世界探知 叡智の眼
称号
始まりを知る者 神鳥 7人の罪人の一人 堕天 古き未来の象徴
すげー。すげーけど、強そうなスキル全部封印されてる。あと称号!不吉過ぎるだろ。「7人の罪人の一人」って、七つの大罪のやつやん。俺……というか、この体の持ち主、何をしたんだ?
でも鑑定あるのか。だったらワンチャン鑑定チートあるかも。とりあえず壁に……。
「クルゥア『鑑定』」
壁
洞窟の壁
知ってた。こんなにシビアなのに鑑定だけチートなんてあるわけないよね。おっと、目から水が……。
……ところで、自分を鑑定したらどうなんだろう?一回目より緊張するな。
「クルゥア『鑑定』」
鳥
綺麗な羽を持っているようだ。高く売れるだろう。
テキトーすぎやしないか?え?これでも不死鳥だよ?俺の中では不死鳥(笑)だけど、それでもさ、「鳥」って言い方は酷くないか?
あーどうしよう。目覚めたら灰の上で、オワコン不死鳥にされてた。最悪だな、クソが。
これからどうしよう……。この体《不死鳥》は何を食べるの?ここはどこ?この体の持ち主ってどうなったんだ?なんで俺が?俺は死んだのか?疑問は尽きないが、俺はこれから不死鳥として生きていかないといけない、ってことだけはわかった。
……クソが。