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OS  作者: チュン
2/6

「まずは、これを見なさい」

 ヅプの声が響くと、目の前の白い光の部分がだんだんと暗くなり、そこに地図が浮かび上がった。どこかのRPGゲームなどで見たような地図だ。

「これが君が転生する、黄泉の世界ゲトの全図だ」

 地図を見ながら達夫が尋ねた。

「ゲトというのは、黄泉の世界?黄泉の世界って何?」

 声が響く。

「現世から次の世界に進むには、まっさらが条件なんだ。こだわりを持ったまま亡くなると、この黄泉の国で人生をやり直すことになる。ただ、ほとんどが、ここで赤ん坊からの再スタートさ」

 すると、すかさず達夫が、

「ということは転生者は偉いってこと?」

 と聞くと、

「それはない。君のような場合、多少のおまけがあるくらいか」

 その時、地図の中の一部分が、光を放って浮き出て来た。

「そこで君にオススメなんだが、科学万能国家グヨ国は、どうかな。ここは、主に科学理論や研究に未練を残した、科学者、研究者が生まれ変わる国なのだが、ここなら、君が今までのように勉強を続ければ、それなりの出世が見込めると思うのだが」

 どうやら光った箇所が、グヨ国らしい。

「いやだよ。僕は、ずっと勉強をして来て、大学に入ったら、ようやく遊びをエンジョイできると思ってたのに、また勉強なんて」

「・・・そうか、嫌か。じゃ、ここはどうだ?」

 今度は地図の別の場所が光り始めた。

「ここはヌノハと言う階級・血統を重んじる国なのだが、一部の特権階級は別として、住民は比較的平穏な日々を送っておる」

 すかさず達夫は尋ねた。

「階級・血統って何?貴族とか王様とかになれるの?」

「それは赤ん坊で生まれた場合で、転生者の場合は平民かな」

 ヅプは即答した。

「平民?平民なんで嫌だよ。他はないの」

 すると別の場所が光り、

「君がお金儲けの才覚があると思うなら、金の亡者の国チネ国というのもあるけど、あんましオススメはできないが・・・」

「勘弁してよ。そんな国に行ったら自殺しちゃうよ。他は?」

 達夫は悲鳴のような声を上げた。

「残りは、魔法の国フビ国、ここは魔力ゼロの君には相当の修行が必要だ。最後は、信仰の国ツタゲ国。ここは信仰心がないと・・・」

 2つの場所が相次いで光った。

「ちょっと待って。そのツタゲ国ってシスターとかいるの?身分とかあるの?修行とかは?」

 達夫が突然、矢継ぎ早に質問を投げかけた。

「1つの国の中に様々な宗教の拠点があり、内容は宗派によって異なるようだが、中にはゆるい宗派もあるようだな。シスターもいるぞ」

 少し考えて達夫は言った。

「そこにするよ。僕、前から神様、信じてもいいって思ってたし」

 すると、ヅプの声がゆっくり響いた。

「よし。君の転生先はツタゲ国だ。今から転生する。最後に、もう1つ、おまけだ。テゴタワに治癒能力を持つシスターがおるそうだ。訪ねてみてもいいぞ」

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