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物語を作りし者たち  作者: アンノウン
2/5

亜人連合国編 エピソード迅 前編

はい!どうも皆さまアンノウンです。疲れた……まさかプロローグとここまで差が出るとは……

今回はとりあえず三千字半くらいでまとめてみました。一話読み切りとか書いていましたが、物語の進行と私のやる気の都合上二つに分けます!ご了承ください。

「……失礼します。迅さん本日の戦闘訓練の報告と現在国内で募集している国に対する要望についてまとめた書類を持ってきました。」

「ご苦労さん。どれどれ……なるほどな、どうやら訓練は順調のようだね。このままいけば今年も問題なく入軍式を全員が迎えられそうだね。」

「はい、皆やる気に満ち溢れていますよ。興奮しすぎて寝不足がちの子や少しやんちゃした子もいましたが。」 

「ハッハッハ若いっていいね! 私も若いころはいろいろとやったもんだ!」

「ま、大きなけがさえしなければそれでいいんですが。それで迅さん、民からの要望についてなのですが……」


 ここはとある屋敷。その中の一般的に和室と呼ばれる部屋にて二人の男が話していた。何やら書類を差し出している男と迅さんと呼ばれていた男、一見すると二人の人間が何か事務的なことについて話し合っているように見えるだろう。しかし、彼らから生えている獣の耳と尾が少なくとも彼らがただの人間ではないことを物語っている。

 ここは亜人連合国

 獣の特徴と力を持つ獣人をはじめとして、鳥人。鱗人。両水人。魚人。蟲人などの亜人達がくらしている。

 国の中央に鎮座する大きな和風の城のような屋敷を中心に放射状に街道が走り、和を基調とした建物が立ち並んでいる。しかしよくよく見ると建築様式こそ和風だがその中は明らかに近未来的な道具が置いてあったかと思えば、何やら魔術的な物も見受けられる。さらに街道によくよく目を向ければ明らかに和風な建築物にはそぐわないまるで和をベースにしてファンタジーとSFを混ぜ込んだような物がたくさん見受けられる。

 この国は科学と魔法その両方を解析、研究し発展してきた。また、それらを融合させる技術などもすでに確立しており、より効率よい便利な物が生み出されており民の生活を支えている。そのためこのような景観が広がっているのだ

 この国は代々国長と呼ばれる存在により治められてきた。国長は立候補した者の中から最も賢く最も強き者が国長として選ばれる。毎年ある国民投票により現在の国長がこのまま職務を続けてもよいかどうかが問われ、民が国長を否定した場合現職の国長はすぐさま国長の座から退きそしてまた新たな国長が選ばれる。そのため国長の代替わりはとても早くどれだけ優秀な者でも10年持たないといわれておりそれ以上在任し続けたものは歴代で片手で数えるくらいしかいない。

 そして先からほど迅さんと呼ばれていた男こそ現職の国長であり歴代最長の在任期間を記録し続け、歴代最高の国長と呼び名の高い、蒼神家現当主蒼神迅その人である。

 身長190㎝の長身、コバルトブルーの長髪に深い青色の瞳、眉目秀麗、才色兼備、博学多才、温和怜悧と非の打ちどころが無いとはまさにこのことであるといわんばかりの超人であり誰にでも優しく民からの信頼も厚い。

 彼が残した功績は数知れずまさに生ける伝説である。

 そんな彼は今部下の持ち込んできた書類に目を通していた。

「なるほどね……原因不明の土地そのものの魔力及び栄養素の枯渇か」

 資料に書かれていたものは民から募集している要望をまとめたものであり、国内で発生している問題や国に対する要望などが乗っているのだが問題らしい問題はほとんど乗っておらず感謝の言葉や各幹部たちや迅に対するファンレターのようなものが大半であった。まあそれだけ国の統治が素晴らしいという証拠でもあるのだが……。

 しかし問題がまったく無いというわけではなくいくつかは真剣な要望でありその中の一つに迅は目を通していた。

「はい。あの辺りは主に作物の栽培所が多くこのままではかなりの損害が出るとおもわれます。また、魔力の喪失により魔力製品の動作停止などによる被害も報告されています。」

「なるほどね……しかし原因不明か、すでにいくつかの解決策はためしたのかい?」

「はい。科学的及び魔法的側面から様々なアプローチをかけてみましたが効果はなく、現在も調査中です。」

「うちの優秀な科学者や魔術師達でもわからなかったということは現在進行形で何かされているということではないのか……? わかった私が直接現地に向かう、現状の説明もあちらで聞くとしよう。」

「了解しました。お手を煩わせてしまい申し訳ない。」

「気にしないでくれ、これも国長たるものの義務さ。それじゃ行ってくる! 『空間跳躍』!」

 迅がそういった瞬間、迅の姿が掻き消え次の瞬間にはとある農業施設地帯の一角に降り立っていた。

「さてと。どんな具合d……」

「あ! 迅さん!」「まじか!」「お~い!迅さ~ん」「迅様!」「迅さん!」「ああ……今日もお美しい……」「迅さん、うちで食べていかないかい」「FUUUUUUU!」

 迅が現れた瞬間周りにいた人々がまるでアイドルでも表れたのかといわんばかりに沸き立った。彼がどれだけ人気なのかが一目でわかる。

「ははは、皆今日も元気そうでなによりだ。ああ、待った待った押さない押さない順番だぞ~。」

 迅が沸き立つ民衆たちの相手をしていると奥から二、三人の制服を着た者たちが駆け寄ってきた。

「おお!迅さん。いらっしゃいませ本日はどのようなご用件ですかな。」

「む、施設長か。いやなに最近ここの土地で魔力や栄養素の枯渇が起きていると聞いてな、解決のために来たんだ。それで問題の場所は?」

 迅がそういうと施設長と呼ばれた男は

 「おお!わざわざ迅さん自ら来てくださるとはありがたい。ではさっそくご案内します。」

 そういって迅を先導しながら施設が立ち並ぶ道を歩いて行った。付近一帯には天井がガラス張りになった大きな施設が立ち並んでいる。一見すると農業施設には見えないがこの中には大規模な農業プラントが大量に並んでいる。科学と魔法が発達したこの世界では人力ではなくロボットやゴーレムたちによる自動化が完了しており人がかかわるのは整備と研究ぐらいになっている。

「この建物です。このあたり一帯が特に被害が酷いのです。」

 施設長は一つの建物を指示した。

「どれどれ……なるほど。これは酷いな」

 迅が施設の中に入るとそこには調査のため先に来ていた研究者たち以外全く生命の気配を感じない無機質な空間が広がっていた。

 かつて青々と実っていたであろう作物たちはすべて枯れ果て、土地は乾きひび割れ、作業をしていたであろうゴーレムたちはみな機能を停止し倒れていた。

「生命の気配も魔力も感じない。完全に消滅しているな。」

「はい、ほかの施設もこのような状態でして……原因を探ってはいるのですが皆お手上げの状態です。」

 周りにいた研究員たちもその言葉を肯定するように暗い顔をしていた。

「ふむ……ここにはほかにも土などの使用しない水耕栽培などの施設もあったはずだがそちらはどうなんだ?」

 迅がほかの栽培方法には影響がないか聞いたところ。

「そちらのほうには被害が出ておりません、主に魔力を使用した栽培方法で栽培していた作物や土地、魔力製品など魔力関連のものばかりです。」

 という回答が返ってきた。どうやら魔力関連のものだけに影響が出ているようだ。

「魔力の増幅などは効果がなかったのか?」

「はい、増幅しようとしたり魔力を与えようとしてもすぐに消滅してしまうのです。農薬などを撒いても意味がなくまるで生命が吸い取られているかのように消えていくのです」

「ふむ……とりあえず調べてみよう。」

 そう言うと迅は地面に手を当て意識を集中し始めた。そして、土地の内部の魔力を検知しようとしたが全く反応がなかった。そのためより意識を集中させさらに深くまで意識を集中させた。

 すると一つ迅の検知に引っかかるものがあった。

「……っ!見つけた!」

 迅がそういうと周りから「おお!」という驚きの声があがった。流石は迅さんだといった賞賛の声も上がっている。

 そういった声を横目に迅は見つけた術式の正体を探り当てていた。

「これは……道理で見つからんはずだ。術式の起動場所をこの場所ではなく平行世界の座標が重なる場所に設定していたとはね。」

 そういうと主に魔法的な側面から調査をしていた者たちから驚きと納得の声があがった。それもそのはず、そもそも他の世界に干渉する魔法というのはもはや魔法ではなく神の領域のものであるといわれており、存在こそ確認されてはいるものの理論自体はほとんど解明されておらず、魔法研究部門の長でも使用することができないそれほど高度なものなのである。

 ゆえにいくら優秀な魔導士たちが調査しても原因を発見することができなかったのだ。

「平行世界ですか……なるほどそれでは我々に発見することは不可能でしたね。世界を管理する神の加護を持つ迅さんでなければわからないでしょう。」

 そう。迅が原因を発見することができた理由、それは彼が世界を管理する神から加護を授かっていたからだ。

 

 

後編はまた近いうちに投稿しようかと思っています。ゆっくりお待ちください。

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