不利な現状
「地下牢...ってどういうことですか?」
妹、彩乃の部屋のクローゼットに突如出現した扉の先で待ち受けていた見たことのない世界。
この世界に足を踏み入れた俺と彩乃が最初に出会った女性に連れられて来たのが、今いるギルド。
あまりにも速い展開のため脳が追いついていないにもかかわらず、そこにギルド長から突然言い渡された『地下牢』というワード。
彩乃もこの言葉への驚きが隠しきれずにいる。
こんなの、一般人からすれば当然の反応だろう。
日本に住んでいる俺たちからすれば、特に理由もなくいきなり牢屋に入れられるなんて普通はないことだ。
しかし、ギルド長であるケイナさんの様子からするとさも当たり前かのようにいっているように感じられる。
よく考えてみれば、こんなわけの分からない世界で日本の常識が通じるはずがない。
だからといって、簡単に牢屋なんかに入ってやるわけもないが。
俺はケイナさんに訳を聞いてみることにした。
それが、最初に言ったあれだ。
ケイナさんは落ち着いた様子で話し始める。
「私だって、いきなり地下牢に入れなんてことぐらい失礼なことは分かっている。でもね、あなたたちのような素性も知れない、いきなり街中にある倉庫から現れた人を野放しになんてできないの。ないとは思うけど、敵国の兵士が転移魔法でこちらの内部に進入して来た可能性だってあるしね。ということなので、お願いだから入ってもらえるかしら。こちらも手荒なまねはしたくないし」
「ど、どうする?ケイナさんはこういってるけど」
「そうだな。彩乃はどうしたらいいと思う?」
「私はお兄ちゃんに任せるけど」
彩乃が俺に任せてくれるといったので、もう少しじっくり考えることにする。
俺としても地下牢に入ることはいやだが、今は完全に不利な状況にいる。
強引に突破しても、行く当てもないし最悪の場合殺されかねない。
ケイナさんはさっき『転移魔法』とか言ってたから、ここの世界では魔法が存在するのだろう。
だとしたら、そんな無知のものを相手にするのは避けたい。
ここは、おとなしく従うのが正解かも知れないな。
「分かりました。あなた方に従います」
俺がケイナさんのほうを見ながらそう言うと、俺のほうを見ていた彩乃もケイナさんのほうを見る。
ケイナさんは俺と彩乃の両方の目を見てから、
「協力、感謝します」
といって立ち上がった。
どうも、数日振りに投稿したMontyです!
ここ最近、投稿できずにすみません。
私事により投稿できませんでした。
年明けあんなことを公言しておきながら速攻で毎日投稿が止まってしまいましたが、たぶんこっからは大丈夫です。
たぶん。
まあ、気長にお待ちいただけると幸いです。
ちなみに、明日はマジアカを投稿する予定です。
また、ブクマ、感想、評価等よろしくお願いします!