なんともいえない空気感
「とりあえず、質問はこれでお仕舞いだ。今から聞いたことをまとめて話し合いをしてくるから、すまないがもう少しだけ待っててもらうことになる。さすがに暇だろうから、話し合いの間はチュアリをここにおいていくから適当に雑談でもしておいてくれ。じゃあ、後は任せたぞ」
ケイナさんは席を立つと、チュアリさんから俺たちの回答がまとめてあった書類を受け取って地下空間から去っていった。
こうして地下空間に残された俺と彩乃、そしてギルド長秘書のチュアリさん。
なんともいえない空気感の中、時間だけが徐々に経過していった。
さすがにチュアリさんがいる状況でむやみやたらに話すことはできないので、俺からチュアリさんに話を振って俺らのことについて詳しく知られないようにする。
「チュアリさん、少しお話でもしませんか」
「構いませんが、話すといっても何の話をするんですか?」
確かに、何も話す内容については考えてなかったな。
「もし話の内容が思いついていらっしゃらないのでしたら、私から一ついいですか?」
「もちろんです」
「お二方はこの世界とは別の世界からいらしたのですよね?でしたら、差し支えない程度で構わないのですが、そちらの世界のことについてお話してはいただけないでしょうか?」
なんとなく予想はしていたが、やっぱり俺たちの話になるのか。
しかし、チュアリさんが俺たちのことを口にしたときは詮索かと思ったがそうではなかった。
チュアリさんの目を見たときに、詮索が目的でないことが分かった。
彼女の目は、たとえるならワクワクしている子供のような目をしている。
チュアリさんは本心から俺たちの世界について知ろうとしているのが分かる。
さすがにこんな目をされて適当な話をするのはかわいそうだし、何か俺たちのことを詳しく知られないように地球の話でもすることにしよう。
「あんまり詳しい話はできませんが、最初は簡単に俺たちの住んでいる『地球』の話からはじめます。俺たちは宇宙の中の惑星の一つである地球に住んでます」
この超絶簡単で子供でも分かる出だしに対し、チュアリさんはいきなり質問を入れてくる。
「あの、質問なのですが。地球がお二方が住んでいた世界というのは理解できたのですが、『宇宙』というのが分からないのですが」
「『宇宙』ってのは空の上、その先にある世界のことです」
「なるほど、そちらの世界では『天界』のことをそんな呼び方をしているのですね」
「「天界?」」
このワードに、今まで黙っていた彩乃までもが声を合わせて聞き返す。
「はい、天界です」
話し始めて数秒でまた世界の違いが表れてしまった。
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